今週の謎

#12 2012年6月18日放送

テーマ:「武士の余暇」

天下泰平の江戸時代にはなんと、サラリーマン武士が誕生!武士たちは超暇だった?!そんな江戸時代の武士達はというと、余暇はどのようにして過ごしていたのでしょうか?江戸で生まれた究極のスローライフ。武士達の趣味に学ぶ、ゆとりある人生とは?ということで、今回は江戸時代の武士の余暇にまつわる謎解き!

川柳
銭の無い 非番は窓へ 顔を出し
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江戸のうんちく学

1600年、徳川家康が関ヶ原の戦いで勝利をおさめ、長き戦乱の世が終わりを告げた江戸時代、戦に追われることの無くなった武士の生活は随分と変わります。武士の職務には、警護を司る「番方(ばんかた)」と行政の事務を司る「役方(やくがた)」の二つに分けらました。特に番方は、役方に比べ仕事があまり無かったといいます。江戸には「勤番武士」と呼ばれる参勤交代でやって来た各藩の下級武士達がいました。中でも紀州藩の勤番武士、酒井伴四郎(さかいばんしろう)が江戸の生活を克明に記した「酒井伴四郎日記」(1860年)には6月から11月の半年間の勤務日数が記されています。そこには、月10日前後で7月は一日も勤めに出ておらず、勤務時間は、午前中の3~4時間だったというのです。勤番武士は、そのほとんどが単身赴任で、大名屋敷内にある「勤番長屋」に住んでいました。物価の高い江戸にあっては、長屋の中で過ごす時間が多かったといいます。そこで武士たちは、「茶会」や「句会」、「詩歌」、「矢遊び」などの余暇の過ごし方を見つけ楽しみました。中でも釣りは、人気のある余暇の過ごし方だったのです。武士の間で人気を博した釣りは、やがて庶民にも広がり、とりわけ江戸で一大ブームとなりました。

江戸料理のあれこれ

「鱚胡瓜」

「釣るは青鱚、食べるは白鱚」と言われ、江戸の人々に愛された鱚。「鱚は八十八夜から」という諺があるように、旬は立春から数えて88日の5月上旬から6月末まで。今がちょうど一番美味しい季節なんです。そして時を同じくして旬を迎えるのが夏野菜の胡瓜です。いわばこの食材の組合せは江戸の人々にとって必然的なものだったのかもしれません。さっぱりした味の鱚の刺身と胡瓜の食感、そして梅肉醤油の酸味が食欲をそそる、初夏にぴったりの逸品です。

おとな浮世絵コレクション

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