BS-TBS

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放送番組審議会

第55回

2016/10

1.

日 時

2016年10月18日(火)午後5時

2.

場 所

BS-TBS大会議室

3.

委員の出席

委員総数 7名
出席委員数 5名

 

出席者

委員長 山崎敏子
委員 岸伸久 諸田玲子 渡辺久哲 丸島俊介

 

局側

平本 取締役会長
星野 代表取締役社長
高田 常務取締役
水田 常務取締役
金澤 取締役
藤原 取締役
吉田 制作局局長
佐藤 編成局局長・放送番組審議会事務局
佐藤 編成局編成部長
大川 番組プロデューサー

4.

議 題

 
 

審議事項

テレビ番組
「ヨーロッパ財宝ミステリー 消えた黄金列車の謎×西島秀俊」
放送日時:2016年9月6日(火)

5.

審議内容

 

委員

◎西島秀俊さんは役者さん、俳優さんというイメージが強い。なぜこういったドキュメンタリーに出られたのかなというのがありました。お話しされている中で、「掘ってみたいですね」とか、発掘好きみたいなことを言われるんですけど、根拠というものがあったほうがしっくりいくかなというのはありました。
季節的にも寒い時期で、ヨーロッパのあの辺はとにかく寒いので、ドラマのシーンというか、映画のシーンというか、そういう印象で見ていました。

◎ナチスの歴史とかぶせて、ヨーロッパ各地をナチスの財宝を追っかけて、非常にエネルギーを費やされた映像だなと思いました。

◎映像そのものを1つ1つ興味深く見させてもらったんですけど、テーマとして何を求めているのかなということが少し見にくいところがあった。テーマとの関係で、ですね。「豪華絢爛な財宝や美術品を通じて、戦争と欲望が生んだ悲劇を」、恐らく戦争に駆り立てたヒトラーの生い立ちであるとか、その中で異常なまでの財宝に対する欲求であるとか、またそれがいろんな人の手に渡っていく中で、人間の強欲であるとか、そういうのをテーマにしているんだろうなと思ったんですが、もう少し何か、ヒトラー自身の考え方、そういう中での影だとか、もうちょっと突っ込んでもよかったのかなという面もある。

◎ヒトラーの財宝というものを追っかけている人がたくさんいて、みんな一生懸命ですよね。自分のおじいちゃんだったり、誰か肉親だったり、いろんな人がそこの歴史に関係していて、それを知りたいんだということをみんなおっしゃっている。それは単なる財宝に対する欲求ということだけじゃなくて、自分のルーツであるとか自分のアイデンティティーであるとか自分の祖国の歴史であるとか、悲劇的なナチスの歴史の中でいろんなものを素直に知りたい、そういう人々の思いが全編に流れていて。みんなスコップ持って笑ったりしてやっているんですけど、そういう人々の思いは非常に感じることができたなというふうには思います。

◎隠された財宝ということで、しかもナチス時代のいわくつきのものという黄金列車、タイトルだけでも非常に興味深いですし。気が重いというか、でも知りたいという気持ちを非常にくすぐるテーマだと思いました。実際にあったのだろうかとか、なぜそれが今発見されたのかとか、言いかえれば今まで何で発見されなかったのかという興味を持って番組を見ました。今までヒトラーの伝記ですとか、個人の演説とか、生い立ちとか、どう誕生したのかというのは番組でもやっていますし、人の考え方を非常に知りたかったので、それは興味深く今まで見ていましたし、ナビゲーターは西島さんで、冷静で淡々としたご様子で、恐らく番組のテーマに沿って、余りその人らしさを出さない方なのかなとか、もしくは視聴者に悟らせる番組なのかなとか、そういうふうに思いました。あくまでも彼らからしたら日本人も外人ですから、タブーも含めた質問もできるんじゃないかなと思いました。いろんな方との対話とか、もしそれができなければ、インタビューした後の肌で感じた感覚をストレートにぶつけてもらえれば、もっと視聴者に伝わるのかなと思いました。

◎人が生きた歴史を伝える使命感があるとか、笑顔で案内することはできないと発言する強制労働のお孫さんですとか、誰もがナチスに加担したんだとおっしゃっていたお孫さんですかね、そういう次の世代、またその次の世代も、十字架と重荷という、全体的に過去をすごい生きている。逆に過去の歴史の中でしか生きることができない暗さと重さをすごく感じました。ナチスの歴史、虐殺も絡んでいるので、真摯に受けとめざるを得ないというところは当然あるんですけれども、黄金列車発見というテーマがあるため、もっと全体的にワクワク感が伝えられないのかなと思います。

◎本当に引きつけられて見せていただきました。ドラマのように謎を追いかけていくというテーマがすごくよく出ていましたし、構成も、初めにいろんな湖に行って、だんだんにメインの黄金列車に行くというスリル感みたいなのがあった。ヒトラーの説明も過不足なく出ていて、何でこんなに美術品がとか、そういうことまですごく知識になって、本当にいい番組だなと思いました。周辺の国々の人たちのヒトラーに対しての苦悩みたいなものが浮き上がってきて、私も見ていて戦争の恐ろしさをすごく感じることができたので、ただの旅番組にとどまらない、とても良心的でいいと思いました。

局側

◎西島さんの起用に関しましては、ただの財宝探し、発掘の番組ですといったら多分ご出演いただけなかったと思うんですけど、戦争犯罪にかかわった人々、その人々の欲望というテーマのもとに、戦争によって縛られた人生があって、今、戦後70年で、当事者たちが語れる最後のチャンスに近い状況なんですが、このタイミングで、戦争犯罪が何だったのかということをちゃんと語っていただける方に会いに行きますということに対して、非常に興味を持っていただけた。ご本人に興味を持っていただけたところが、キャスティングの最大の理由です。

委員

◎質問なんですけども、どこをターゲットに置いているのか。視聴者が見るときに、教養というか非常に経験豊富な方々が、遊び心もあって、歴史観も既にある方々が、ドイツの歴史とかも多少知っている方々が多いのかな。西島さんの起用にしても、ターゲットはどこを考えて起用して番組をつくられたのか、すごく興味深いのですが。

局側

◎西島さんを起用したということ、今回ハードなドキュメンタリーではなく、どちらかというとエンターテインメント的な要素で番組をつくったということで言えば、20代から40代くらいで、歴史に興味がある方、それに少しエンターテインメント的なところで見ていただきたいというところもあったので、女性も含めてターゲットを幅広くとりたかったというのはあります。普段我々がつくる番組の視聴ターゲットからすると若干低いターゲットゾーンを狙って、こういう番組をつくらせていただいたという感じです。

午後6時18分 閉会