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地球バス紀行

毎週火曜22時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2012年2月28日 O.A.

#46 リオ・デ・ジャネイロ発情熱の二都物語

ブラジル

地図

日本の23倍もの広大な国土を持つブラジル。オリンピックやサッカーのワールドカップ大会も控え、ますます活気あふれる国です。ブラジルの都市を巡り、人々の生活にとけ込んだ心のよりどころを見る旅にバスに乗って出かけます。

旅の出発はリオ・デ・ジャネイロ。街の中心地からローカルバスに乗り、まず向かうのは美しい海岸、コパカバーナ。ここで、世界的観光地で漁を営む漁師や、大きな熊手のような道具で砂浜を掻き出し、落し物を拾い集める珍商売をする人に出会います。
さらに街をバスで進むと、旧市街地が見えてきました。古い町並みに惹かれて途中下車すると、街の一角にある長い階段が下から上まで赤を基調としたカラフルなタイルで埋め尽くされていました。綺麗に装飾されたその階段は、一人の地元アーティストによるものだそう。その作者とその階段で出会い、話を聞いてみました。

再びリオの街を走るバス。車窓に見えるのは閑散とした大きな道路?車もいないこのスペース…実はリオのカーニバルのメイン会場、サンボドローモ。閑散とした場所ですが…毎年2月になると70万人もの観光客が訪れるところなのです。
カーニバルの雰囲気を味わいたい!と、この場所で出会った若者に相談。すると…連れて行ってくれたのはなんとカーニバルの「山車」を作っている場所。
そこではサンバの練習も行っているそうです。リオの人々にとって、年に一度のカーニバルとはどんなモノなのか? 暮れてゆく街に熱い話が飛び交う。

リオのバスターミナルからは、アマゾンの入口ベレンやアルゼンチンのブエノスアイレスなど、実にたくさんの場所へ向けてバスが出発して行きます。まさにこの国の人たちにとって、バスが移動の足だということを感じる場所です。
この旅で向かうのは南米最大の都市、サン・パウロ。6時間の旅です。到着するサン・パウロのチエテバスターミナルは、ニューヨークに次いで世界2番目に大きなバスターミナル。ここでは多くの出会いや別れ、悲喜こもごもを目撃しました。

翌朝、市内のカフェでとる朝食。コーヒーを頼むと店員さんが「やっぱりブラジルのコーヒーは最高でしょ」と自慢気です。ブラジルは世界一のコーヒー産出国。ならば本場のコーヒー農園が見たい!と店員に聞き、サンパウロ郊外のリベロンプレトという土地のコーヒー農園までバスに乗りました。バスで街を出ると、突然赤土の農地が広がっていました。

農園では、農園主がちょうど開花時期の自慢のコーヒーの木を見せてくれると案内してくれました。3ヶ月もすると真っ赤なコーヒーの実が出来、乾燥するとコーヒー生豆となる…。 農園で収穫されたコーヒーをごちそうになると、肥沃な大地のたくましい味が体に染み渡ります。その農園の一軒のお宅に一泊。ブラジルの人々の自然への感謝が聞こえてくるような旅でした。