世界一の長寿を誇る、南の島「沖縄」。
そこには、健康に長生きする方法を、何世紀にもわたって受け継いできた人々が暮らしています。
この沖縄で、今、注目を集めているのは、長寿を一歩進めた、「福寿」。
元気なまま、年を重ねる。
なんと、アメリカでは沖縄の長寿についての本がブームになり、さらにフランスにまで飛び火。沖縄の人々が受け継いできた「福寿」の秘密に『メディカルα』が迫ります!

長谷川理恵が、沖縄の家庭を訪問。
そこで見たのは、昔から、命の薬の料理、ヌチグスイと言われる伝統的な沖縄料理。斎藤哲也アナウンサーは町中で長寿を祝う、カジマヤーという祭りに遭遇。
とにかく元気!とにかくパワフル!
福寿の島、沖縄の人は、生涯現役!いつまでも、身体が若い!

そして、忘れてはならないのが、“海の恵み”。
世界で初めての、科学的な調査プロジェクトが動きはじめています。二人が体感した驚くべき海水のパワーとは?!

ここは、沖縄のほぼ中央の宜野座村の漢那ビーチです。
沖縄といえば、長寿が有名ですが、今、長寿より一歩進んだ“福寿”という考え方が注目されているそうです。
“福寿”とは、元気で長生き、そして生涯現役、幸せでいきいきと健康なまま長寿を過ごすという意味なんです。

長谷川:「今回は、その“福寿”を徹底的に探るために沖縄に来ました!」
斎藤:「ここ漢那ビーチに来たのには訳があるんです。こちらのビーチのすぐそばに、海の水を使った、健康増進と癒しを体験できる場所があるんですよ。では、行って見ましょうか。」

二人が向かったのは、「かんなタラソ沖縄」。
14種類のジャグジーや、プールなどに使われているのは全て海水。
実は今、こちらの一角で、海の水が身体にどのようにいいのか、科学的に分析する、世界初の調査が行われています。
海の水にぷかぷかと浮かんで、心身ともにリラックスする、「海水フローティング」。
この海水は、水温を37度に設定。体温とほぼ同じ温度にすることで、海水のリラックス効果をより高める事ができるそうです。
琉球大学、荒川雅志先生は、この「海水フローティング」が人の身体にどんな効果をもたらすか、科学的に調査しています。
まず、フローティングの前に細かい計算問題を解き、わざとストレスを与えて、心拍数を測定。
もし、フローティング後に、心拍数が減っていれば、リラックスできたということ。
続いて、ガーゼを使って、唾液を採取します。ストレスがかかると、唾液の中に、「クロモグラニンA」という成分が増えるのです。
フローティング後、この数値が下がれば、ストレスから解放され、リラックスできていることになります。
フローティング開始。
棒状の「浮き」を使って水面をゆらゆらと漂います。
姿勢が安定したところで、唾液を採取。この数値と、フローティング後の数値を比較します。
「海水フローティング」は、10分間。
その後、唾液を調べると、唾液の中のストレス成分は確かに減っています。
では、この時の心拍数は…?
フローティングの前と後では、1割以上減りました。
「海水フローティング」によるリラックス効果が証明されました。

海水に浮かぶのは、一体どんな気分?
わずか10分、海水に浮かぶことでリラックスできるという、海水の効果を、長谷川理恵、斎藤哲也の二人が体験しました!
「かんなビーチ」の海の水を使い、水温を37度にしたフローティング用のプール。
何も考えずにリラックス・・・できているのかな?

二人とも全身の力が抜けているみたい。
10分たちました。

長谷川:「気持ちよかった〜。寝ていました、完全に。お母さんの胎内でプカプカしている感じに似ているのかなと思いました。」
斎藤:「すごいリラックスできましたね。宇宙に行ったら、こんな感じなのかなって思いました。」

こちらは、両手に1キロのダンベルを持って筋力アップを図る、水中ダンベル体操。
琉球大学の荒川雅志先生は、この「水中ダンベル体操」の効果についても調査中です。
普通の水より抵抗が大きい海水での運動は、どんな効果をもたらすのでしょう?
荒川先生:「海水の成分が含まれて、比重が増すことによって、より抵抗性が増します。そのような特性を利用しての水中運動、水中ウォーキングは、より効果的な運動プログラムになります。」

海のリラックス効果は、浜辺を散歩したり、ただ、海を眺めるだけでも得られるのではないか。
荒川先生は、今後、その効果も科学的に証明しようと考えています。

長谷川:「確かに、海を眺めているとすごく落ち着いた穏やかな気分になるし、私はサーフィンで海に入る機会が多いのですが、波に乗らなくても、ただ海に入っているだけで頭の中がクリアになってとても元気になりますね。」
斎藤:「まさに、海の恵みですね!」

明治38年に書かれた、沖縄についての研究レポート。
そこには、すでに明治時代、沖縄が、「福寿」の地であったことが示されています。
この研究を行った、京都帝国大学の松下禎二教授は、
「人もし天寿をまっとうせんと欲すればすべからく沖縄島に移住すべし。」と語りました。

昔から長生きだった沖縄の人々。
そこで、「メディカルα」は、沖縄の皆さんの体内年齢を調べることにしました。
まずは、畑で仲良く働いている、ご夫婦。
まさに生涯現役の元気なご夫婦。
85歳のお父さんの体内年齢は…?
体内年齢を計ることのできる体重計で測定しました。

お父さん、体内年齢は60歳!身体の中は20歳以上若い!
では、78歳のお母さんは?
お母さんの体内年齢は、なんと56歳でした!

斎藤さん、次は、こちらのおばあちゃん。こちらのおばあちゃんは、90歳!90歳になる今まで、病気をしていないのが自慢。
健康の秘訣は、得意の踊りだそうです。90歳のおばあちゃんの、体内年齢はなんと66歳!!
おばあちゃんから見れば、斎藤さんは、まだまだ子供!

さらに調査を進めた結果、皆さん、実際の年齢より、体内年齢の方が若いことが分かりました。
元気で長生き、生涯現役。「福寿」は確かに、沖縄にありました。

「福寿」を実感した斎藤さんは、お祭りに出会いました。
これは、沖縄の伝統的なお祭り、カジマヤー。一体、どんなお祭りなんでしょう?町の人に伺いました。
「桃原(とうばる)さんが今年97歳になりました。97歳になったら、子供達からお年寄りまで皆でお祝いするのです。」
97歳のとうばる桃原勇吉さん。妻のキヨさんは92歳。結婚してなんと70年のお達者カップルです!

沖縄の方言、カジマヤーとは、風車(かざぐるま)のこと。
沖縄では、97歳を迎えると、もう一度こども心に返るという言い伝えがあり、町中総出で、風車を手にお祝いします。

元気で長生きは、みんなの喜び。そんな伝統文化も「福寿」を支えているのです。

“福寿”についての、25年にわたる研究の結果をまとめた一冊の本がアメリカでなんとベストセラーになりました。今や、世界も注目する沖縄の長寿について、この本は、このように分析しています。
沖縄の人々は「アメリカ人よりも骨が強い」。沖縄の人々は、「明晰な頭脳」を持っている。
沖縄の人々は、認知症になる割合が、ぐんと低い。
その事実も調査して明らかにしています。
この本では、長寿の理由を、「薬効のある食べ物と薬草」と書いています。
その中には、今や日本中に知られている、沖縄の伝統野菜、「ゴーヤー」も・・・。

沖縄では、さまざまな野菜や薬草が独特の食文化を作り上げているのです!
沖縄の市場にはまだまだ私たちが知らない野菜がいっぱい!
ニガナやヨモギなど、毎日の食卓を彩る、これらの野菜を使った料理が沖縄の人々の「福寿」に大きな役割を果たしてきました。