「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#291 遠い日没 アララト山(アルメニア) 2016/1/29 O.A.

首都エレバン

旅の始まりは首都のエレバン。ピンク色の建物が印象的で「バラ色の町」と言われている。町の一角で行われているフリーマーケットを覗くと、山の風景が描かれた陶器や壁掛けが売られていた。アララト山という国民にとって神聖な山だと教えてもらった。アララト山はアルメニア人と深いつながりがあるという。その訳を大聖堂で教えてもらえるというので、行ってみることに。大聖堂の神官によると、旧約聖書に出てくる「ノアの方舟」伝説で箱舟が辿り着いたのがアララト山。聖書にもその記述があり、驚いたことに箱舟の木片も大聖堂に残されていた。そしてアルメニアの語源もアララトから来ているという。アルメニアの紙幣にも描かれているアララト山。紙幣の風景が実際にあると神官が教えてくれたので、行ってみることにする。しかし、アララト山はトルコ領にあるので、麓の村までしか行けないらしい。

アララト山の麓・ホルヴィラップ村

エレバンからバスで1時間半。トルコとの国境の村、ホルヴィラップ村に着いた。アララト山が間近に見える。紙幣の風景を探して山へ向かうと、バリケードは張られている場所に着いた。まさにトルコの国境線だ。どこまでも続くバリケードの向こう側で雄大に横たわるアララト山。手が届きそうで届かない気持ちをアルメニアの人はどう思っているのだろう。村で代々農業をしている家族に出会い紙幣の風景を聞いてみると、作業をしている畑から見られるという。小さな修道院の奥に見えるアララト山。まさに紙幣の風景だ。アルメニアの人たちはこの景色を心の風景として、大切にしていることを感じた絶景だ。

アララト山の夕日

畑で知り合った農家の人から、さらにお薦めのアララト山の景色を教えてもらった。麓の修道院から見ると、トルコ側も一望出来てアララトの雄大な絶景が見られるという。修道院の坂を登ること20分。そこに広がっていたのは、アララトの麓に広がる広大な大地。しかし、その大地を国境線が分断している。アルメニアの夕方は隣りのトルコから訪れる。幾重にも色を変化させながらアララト山に夕日が落ちていく。今ではトルコにあるアララト山。しかしアルメニアの人々にはいつまでも心の山としてその歴史を刻んでいる絶景に出会いました。