「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#207 アルベロベッロのとんがり屋根(イタリア) 2014/5/9 O.A.

ナポリ

今回の舞台はイタリア。ブーツに似た地形の南に位置する“かかとの町”の絶景を巡ります。旅の始まりは南部最大の都市、ナポリから。活気にあふれた港町の市場では、ナポリっ子の気質や食生活を垣間見ることができます。市場を後にして向かったのは、サンタ・ルチアという港。そこには、地中海の海域のひとつ、ティレニア海と海沿いにビッシリとひしめきあう街並みが広がっていました。そして、海の向こうに見えるのはヴェスヴィオ山。かつては激しい噴火を続けてきた火山が、今は穏やかに佇んでいました。山と海、海沿いの街。それら、ナポリを象徴するすべてが一望できる丘があると聞き、行ってみることに。ケーブルカーに乗って辿り着いたのは、ポジリポの丘。やがて日は沈み、町に灯りがともり始めました。ポジリポの丘で煌めくナポリに酔いしれながら、1日の幕を閉じました。

アルベロベッロ

翌朝はナポリを離れ、東へ320キロ。“かかとの町”の玄関口、アルベルベッロに向かいました。そこは、白い壁にとんがり帽子のような屋根をした“トゥルッリ”と呼ばれる建物で有名な町。貧しい農民たちが、お金をかけずに家を作るために編み出した石造りの独特な家が並んでいます。近代化によって、その数は減りましたが、町の一角に1000軒ほどの家が残されていて、世界文化遺産に指定されています。代々、トウルッリを守り続けてきた元修復師にも出会いました。今も地元の人々によって愛され、守られているとんがり屋根の家々。どこか懐かしい風景に、イタリアの郷愁を感じました。

サンタ・マリア・ディ・レウカ

旅の終わりに訪れたのは、イタリア最南端の町、サンタ・マリア・ディ・レウカです。賑やかな海岸通りを散策しながら、目指すは、かかとの先端に位置する岬。そこには、手つかずの自然が残されていました。波や風が大地を削って生まれた、切り立った崖と幾つもの洞窟。アドリア海とイオニア海、2つの海が出会う場所でもあります。波の音しか聞こえない静寂の中、太陽が沈んでゆきます。陽気なイタリアの人たちも、この場所に来る時だけは静粛な気持ちになるそうです。最果ての地で、静かなる絶景に出会いました。