「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#202 天空の峠チェレラ(ブータン) 2014/3/28 O.A.

旅のスタート/首都ティンプー

バンコク経由で約10時間。ヒマラヤ山脈の谷間の小さな空港に降り立ちました。国民の実に97%が「幸せ」を実感しているというブータン王国。パロ国際空港の建物には巨大な国王夫妻の顔写真が掛かっています。数年前に来日した幸せそうな夫妻だけでなく、男も女もみんな着物のような民族衣装を着ていて、まるで江戸時代にタイムスリップしたよう。ブータンは外国人旅行者は必ず現地のガイドをつけることを義務づけ、旅先も事前に申請しなければならないなど変わったルールもある不思議な国です。まずはガイドのジュルミさんに案内され、首都のティンプーへ。鮮やかな民族衣装やお土産物や市場等を散策。街の中にはお寺がいっぱいあります。どこに行っても人々は真剣に祈り、その祈り方も様々。お経を唱えるだけでなく、マニ車や五体投地、ダルシンという祈願の旗が街中で風に揺れています。

最大の観光地・パロへ

翌日は車で1時間半。ガイドさんとともに最大の観光地パロへ・・・。ノスタルジックな町並みを散策し、眼下に広がる棚田の美しさに驚いていると。ガイドさんがとんでもない絶景に、連れて行ってくれることになりました。何でも断崖絶壁の上に小さな寺があり、ひっそりと守る家族が暮らしているとか。垂直に切り立った崖の急斜面をのぼること延々30分・・・。崖の上の一軒家に到着。ゾンダカと呼ばれる小さな寺院を守るのは、ここで暮らす住職と家族7人。その昔、チベットから来た僧がこの寺をひらいて以来、現在の住職で4代目だそうです。家族ともすぐ仲良くなり、このお寺で行う法要にも参加させてもらいました。自分のためでなく、ひたすら他人のため、世界のために祈る人々。「いま生きること。すべての時間が私たちには幸せです。」崖の上の、絶景に暮らす家族はそう言って笑いました。

チェレラ峠の大絶景

旅の最後は、標高4千mを超えるチェレラ峠。遠くにヒマラヤ山脈をのぞむ、ブータンを代表する絶景のひとつ。このチェレラ峠の頂上から見る夕日は思わず手を合わせたくなるほどの絶景。昔からこの峠は人々の祈りの場所であり、今も1万本を超すダルシン(祈願端)が風に揺れています。人々の願いを天に届けるこの聖地に来れたことに、感謝で胸が一杯でした。