「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#190 地中海岸の大湿原 カマルグ(フランス) 2014/1/3 O.A.

マルセイユ

今回は南フランス、プロヴァンス地方にある“カマルグ湿原”が舞台です。そこには、自然の恩恵を受けワイナリーを営む家族や、野生のフラミンゴを守り続けている熱き男たちに出会いました。そして広大の湿原には、フラミンゴのコロニーがあり、ピンク色の楽園がありました。
旅の始まりは、南フランスの港町マルセイユです。レンガ家の屋根に、地中海のマリンブルーが引き立つ素敵な風景が広がっていました。世界中から観光客が押し寄せる理由が分かります。地元漁師お薦めのレストランでブイヤベースをいただきます。地中海の魚をふんだんに使った郷土料理で濃厚なダシの香りは、まさに地中海そのものを頂いているようでした。次の目的地は、レストランのウエイターに教えてもらったアルルという歴史のある町。アルルはマルセイユの北西80キロに位置する地方都市です。早速、列車に乗り込みアルルへ向かいます。

アルル

列車に揺られること1時間、アルルに到着しました。まずはバスの運転手に教えてもらった宿を訪れます。そこは、1865年に建てられた歴史的建造物のホテル。ちょっと料金はお高いですが、ここを拠点にしてプロヴァンスを満喫することにします。翌朝、郊外にある村、レ・ボー・ド・プロヴァンスを目指します。大きな石山の上にまるで張り付くかのように家々が建てられた様は、まるで天空の城。かつて村人で賑わっていたこの地も現在は、わずか25人が暮らす過疎となっていました。その中の村人のひとりが、展望台へ案内してくれました。岩肌にそびえ立つ村の向こうには、緑豊かなプロヴァンスの風景が広がっていました。地元の人ぞ知る絶景を独り占めすることができました。
次に向かったのは、サント・マリー・ド・ラ・メール。そこで、ワイン作りに情熱を燃やす一家と出会います。ワイナリーを訪れると、カマルグのおふくろの味“かにご飯”で歓迎してくれました。食後は、彼らが大切に育てているぶどう畑を見せてもらい、大地に根ざして生きるカマルグの人々の力強さを感じました。
アルルは闘牛の産地としても有名。実際に闘牛も盛んで、町には闘牛士学校もありました。授業をのぞいてみると、プロを夢見る19歳から7歳までの子どもたちが、真剣なまなざしで練習に励んでいました。小さい子たちは、ちょっと逃げ腰ながらも先生と一緒に奮闘していました。

旅の最後は、再びカマルグ湿原地帯へ。カマルグは、地中海に面した広大な湿原地帯で、フラミンゴの繁殖地にもなっています。そこで出会ったのは、フラミンゴを観察し保護する人々。彼らの案内でフラミンゴの子育てをしているコロニーへ。そこには、まだ灰色の幼鳥が、ピンク色の親鳥を追っている姿がありました。今はちょうど繁殖期で、4平方キロメートルの中に8千以上のつがいを見ることができました。夕刻になると、カラフルだった楽園一帯は夕日色に染まり、幻想的な風景にうつり変わりました。優しい光が差し込む命の楽園で貴重な時間を過ごすことができました。