「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#179 エメラルドの庭園 プリトヴィッチェ(クロアチア) 2013/10/18 O.A.

港町リエカからのアドレア海

今回の舞台は中欧の絶景大国、クロアチアです。首都ザグレブから、アドリア海沿岸を経由し、内陸のプリトヴィツェ湖群国立公園へ向かいます。
旅の始まりは首都ザグレブ。赤いテントの青空市場には、果物や野菜、そして新鮮なクロダイやスズキが並んでいます。ここの魚はアドリア海でとれたものだそう。市場の人にクロアチアの海は温かく美しいと聞き、最初の目的地はザグレブから西へ、アドレア海に面した港町リエカに決めました。
バスで到着したリエカは歴史あるレンガ造りの町並み。地元の女性にアドレア海を一望するにはトルサット城がおすすめだと聞き、さっそく城の頂上を目指すことに。石段を登りつめるとリエカの美しい町並みと、穏やかな海原が目の前に広がっていました。夜は海の幸を楽しむためにレストランに寄ることにしました。アドレア海でとれたアカザエビとイカのグリルに、トリュフソースあえのパスタの贅沢な夕食。そしてリエカの夜景を楽しみ、1日目の旅は終わりました。

青い海と白い大地 パグ島

翌日。アドリア海沿岸にパグというリゾートで有名な島があると聞き、再びバスに乗車。島に渡るためにバスは客を乗せたままフェリーに乗船しました。つかの間の船旅を楽しんだあとはいよいよパグ島へ。島の中心地でバスを降りると、椅子を外に出して編み物をする二人のおばあさんに出会いました。編み物は島の伝統的なレース。繊細な花模様を器用な手つきで編み進めていきます。見事な細工に思わず見とれてしまいました。
土産物屋が連なるパグ島のメインストリートをさらに散策。その中で見つけた小さなチーズ専門店に入ってみました。聞くとパグ島ではチーズ作りが盛んで、その羊のチーズは“特別”なのだそう。特別なわけを知りたくなり、町から4キロほど離れた牧場を目指すことにしました。途中で出会った羊飼いのドラジェンさんの好意で放牧に同行させてもらうことに。羊たちを小屋から出して群れについていくと、放牧地はどんどん緑が少なくなり、大地が白くやせていきました。ドラジェンさんが言うには、この大地がチーズをおいしくするのだそう。アドレア海から風で運ばれた塩分が、わずかに生える牧草に含まれ羊のチーズに独特の風味を与えるのだとか。ドラジェンさん自慢の手作りチーズをいただくと、くせがなく優しい味がしました。ドラジェンさんがお気に入りの場所に連れて行ってくれることになりました。そこは湾に沿って青い海岸も、海に寄り添うパグの町も一望できる特別な場所でした。

エメラルドの庭園 プリトヴィツェ

最後に向かったのはクロアチアの世界遺産、プリトヴィツェ国立公園。公園には散策用の回廊があり、16の湖と100近い滝を間近に感じることが出来ます。野鳥の声や多くの魚、不思議な色の湖や、いくつも連なる滝の階段、高さ70メートルを越す大きな滝など、たくさんの絶景が次々と旅人をもてなしました。そして旅のクライマックスはプリトヴィツェで一番美しいと言われる湖。高台から見下ろすと、美しいエメラルド色の大きな湖水が顔を覗かせます。湖の端から流れる白い滝はベールのように繊細で、深緑の山々に見守られる湖はまるで宝石です。雄大な大自然が作り出した不思議な絶景に、時を忘れてしまいました。