「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#135 地球最後の秘境・パラダイス湾(南極大陸) 2012/12/7 O.A.

最南端の街から南極へ出航

今回の旅の出発点は、世界最南端の街、アルゼンチンのウシュアイア。南極大陸ツアーへのクルーズ船がこの街の港から出航するのです。南極大陸はマイナス50度以上を記録する地球上で最も寒い場所のひとつ。冬の期間、ほとんど太陽があたらず、観光に訪れることができるのは、夏のわずか数ヶ月です。私が今回乗り込んだのは、4千トン以上、定員122名の豪華客船「グリッパー・アドベンチャー号」。日本からは私一人ですが、世界30カ国から究極の絶景を求めて150人の旅人が集まっていました。  南米・ウシュアイアを出航した船は、世界で最も荒れた海峡のひとつ、ドレーク海峡の大海原へつっこんで行きます。いつも荒れているため「SHRIEKNG SIXTIES(絶叫する60度)」と呼ばれています。激しい船酔いに苦しみながらも2日かけて、やっと、南極半島の玄関口というべき、サウスシェットランド諸島にたどり着きました。

火山の島・デセプション島

ここには小さな島がいくつもありますが、そのひとつ「デセプション島」に上陸。ここは活火山の島で、かつては各国の捕鯨基地が置かれていましたが、50年以上前の火山の噴火ですべて壊滅。島のあちこちに当時の基地の残骸や、朽ちた小型飛機がそのまま放置されていて、何とも言えない郷愁感を醸し出していました。  そして、ついに南極半島へ到着。目の前に広がるのはみたこともない大氷河のスペクタル。流氷にまぎれてクジラやペンギン、アザラシたちも出迎えてくれました。

南極半島の絶景 パラダイス湾へ

まずは南極半島の入り江、ネコハーバーにいかりをおろし、湾内を小型ボートでクルーズ。気温は0度くらいで風がさわやかです。ツアーのガイドさんの運転するボートのすぐそばにアザラシやクジラが悠々と泳いでいます。美しい氷河に囲まれた全く別世界のような風景。 どれだけ偉大な芸術家でも、こんな想像を超えた彫刻を作れるはずがありません。  そして・・・ついに、地球上で最も美しいと呼ばれる「パラダイス湾」へ。その昔、捕鯨船の船員が、この湾を見て、「ここは天国だ」と叫んだことから、パラダイス湾と名付けられたという絶景です。 そして湾のビーチから南極大陸に上陸。小高い丘の上にのぼると360度パラダイス湾が見渡せる、絶景ポイントが・・・。その途中で、圧倒されたのは、激しい雪崩。数分置きに轟音を響かせ砕ける氷河。そして野生のペンギンたち。その数の多さにも驚きましたが、ペンギン達のあまりに無防備な人なつっこさは感動的。野生ペンギンが生きる絶景の大陸。ここはまさに人間が近づけない、最果ての天国でした。