「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#120 天上の教会コーカサス(グルジア) 2012/8/24 O.A.

世界遺産 ムツヘタ

今回訪れたのは、カスピ海と黒海に挟まれた国、グルジア。まずは、首都トビリシの街を歩きます。ヨーロッパを思わせる建築と緑の街路樹が織りなす瀟洒な町並み、そして陽気な気候。とても気持ちのいい国です。キリスト教国だけあって、至る所に美しい教会を見ることができます。街中で、伝統工芸のアクセサリーを作る女性に出会ったり、グルジア名物のチーズパン「ハチャプリ」をいただいたり、トビリシの町歩きを堪能しました。 その後向かったのは、バスで30分の世界遺産都市、ムツヘタ。紀元前3世紀から6世紀にかけてイベリア王国の首都として栄えた古都です。夕暮れ時、町外れの丘に登ると神秘的な光景が広がっていました。沈みゆく太陽がいにしえの都を茜色に染上げていきます。幾千年の時を経ても変わらぬその美しさに、ただただ見とれました。

洞窟修道院 ダヴィド・ガレジ

翌日は、グルジアワインの産地、カヘティ地方を訪ねました。トビリシから車でおよそ2時間半。ワイン農家ギアさんが迎えてくれました。なんでも、この地方では昔から自宅用のワインを自分たちで作っているのだそうです。200年の歴史をもつギアさんのワイナリーで、ワインの試飲。ほどよいコクと酸味があってとても飲みやすい白ワインです。夜、一家の宴会に招かれ、自家製ワインとグルジア料理に舌鼓。宿までお世話になり、グルジアの人々の温かさに触れた忘れがたい一夜となりました。 翌朝、車を南へと走らせ、アゼルバイジャンとの国境にある洞窟の修道院「ダヴィド・ガレジ」へ。そそり立つ岩をくりぬいて作られた祈りの部屋の数々・・・。かつての厳しい修行を思わせる荘厳とした雰囲気です。崖の上から見下ろす景色は、想像を絶する一面の荒野。360度の広大な乾いた大地。地球の大きさを実感した瞬間でした。

天空の教会 ツミンダ・サメバ

旅のクライマックスは、グルジア観光の目玉「グルジア軍用道路」を一気に北上し、カズベキ山の絶景を目指します。 早朝、ガイドさんと一緒にトレッキングでクヴェミ・ムタ山へ。山頂から見る教会とカズベキ山の風景がとても美しいのだとか。歩くこと2時間、ようやく頂へ到着しました。コーカサス山脈を背景に、まるで天空に浮かぶようにそびえ立つツミンダ・サメバ教会、見たことがない幻想的な光景です。残念ながら、カズベキ山には雲がかかり、その勇姿を見ることはできませんでした。 そして夕刻、村に降りて空を見上げると、雲は晴れ渡り、標高5033Mのカズベキの聖なる山が白く美しい姿を見せてくれました。