週刊報道LIFE

2018.07.15

人命よりカジノ? 国は何を守る/欺瞞のエネルギー基本計画

【人命よりカジノ? 国は何を守る】
 西日本豪雨の被害が拡大する中、参議院で実質審議入りしたカジノを含む統合型リゾート(IR)整備法案。
 災害復旧の中心的な役割を担う石井国交相が、この法案の審議に出席するなど、野党からは「人名よりもギャンブル優先か」との批判の声が上がる。今の国会の会期末が迫る中、改めてこの国の行方をうらなう。

【欺瞞のエネルギー基本計画】
 政府は7月3日、国の中・長期的なエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」を4年ぶりに改定した。
 太陽光や風力などの再生可能エネルギーを「主力電源化」すると初めて明記する一方、原発を従来通り「重要なベースロード電源」と位置づけ、2030年度の発電割合を20~22%で据え置いた。その目標を達成するには30基程度の再稼働が必要とされるなど現実離れしたものになった。議長役だった坂根コマツ相談役の発言が象徴的だ。「何度、政治が原子力から逃げるなと言い続けてきたか。今回これだけ言っても、どうしても突破できない。不都合な現実から目を背けたままだ…」。

ゲスト:金井辰樹(東京新聞編集局次長)