バックナンバー

6月 スコットランド
  • 6月4日放送

    スコットランドの夏の風物詩「ハイランドゲームズ」。石や丸太などを投げる重量競技を中心に綱引きやレスリングなどが行われる、町や村を挙げてのスポーツ競技会です。

    5月から9月にかけてスコットランド全土の100ヶ所以上もの地域で行われます。11世紀、国王が強い兵士を選りすぐるため催した大会を起源とする説があります。

    ハイランドゲームズの華が伝統舞踊ハイランドダンスの競技会です。ハイランドダンスは細かなステップを刻みながら高く飛び跳ね続けるのが特徴で、野山を駆けるシカの姿を模したものとされています。両腕は高く掲げられ、その先の指の形は牡鹿の角を形作っています。戦いに勝利した兵士たちが踊ったことが起源とする説があり、その後、戦勝を占うものとして受け継がれてきました。


  • 6月11日放送

    ハイランドダンスは元々スコットランドの兵士たちの踊りだったといわれ、今も彼らが身にまとった格子柄の民族衣装キルトを着て踊られます。キルトはひざ丈の男性用巻きスカートで、後ろの部分に深いヒダがいくつも付けられています。足を自在に伸ばすことができ、岩山や川、湖が多いハイランドの地を闊歩するのに都合の良いものでした。キルトの格子模様はタータンと呼ばれます。地縁・血縁といった共同体ごとに決まったパターンを持ち、日本の家紋のように大事にされてきました。

    タータンチェックのキルトは、華麗な跳躍とステップ、そしてターンが繰り返されるハイランドダンスにぴったりの衣装です。


  • 6月18日放送

    ハイランドダンスは必ず民族楽器バグパイプの演奏にあわせて踊られます。軽やかで、かつ、哀愁を帯びたその音色はスコットランドの人々の魂とも言われています。

    バグパイプは革製のバッグ(袋)に5本のパイプ(管)が取り付けられて出来ています。管の一つから袋に空気を吹き込み、その空気が管から出るときに音が出ます。上に突き出た3本から低音の伴奏音が出ます。袋の下についた管には笛のような穴がありメロディーを奏でるようになっています。

    バグパイプはかつて戦において重要な役割を果たしていました。隊列の先頭に立ち、大音量の演奏で兵士たちを鼓舞していたのです。今もスコットランド人の気持を奮い立たせる楽器です。


  • 6月25日放送

    美しい夏の1日を伝統文化に浸りながら楽しむイベント「ハイランドゲームズ」。中でも10代の少女たちが競うハイランドダンスの競技会は高い人気を集めています。地元はもちろん各地からトップクラスのダンサーたちが集います。

    15歳のリンゼイさんは、ハイランドゲームズで行われる競技会に向けてダンスのレッスンを続けてきました。1分半から2分の演技中ほぼずっと跳躍し続けるハイランドダンスでは強靱な脚力が必要で、正確なステップを繰り返す集中力も求められます。競技会を目前にしたある夜、食卓にはリンゼイさんの好きなスコットランドの家庭料理が並んでいました。リンゼイさんは両親からの激励を受け競技会での健闘を誓いました。