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5月 スペイン/バレンシア
  • 5月4日放送

    情熱の国スペイン。各地方には数多くの“踊り”が古くから伝えられています。

    スペイン東部にあるバレンシアは、太陽の光が降り注ぎ「水と光の街」とも呼ばれ、今なお中世の荘厳な雰囲気の残された美しい街です。

    春の風物詩「サン・ホセの火祭り」では、人々は昼夜を問わず宴に酔いしれます。祭りがフィナーレを迎える時、祭りの象徴でもある巨大な人形が燃やされ、人々は伝統舞踊の「ファンダンゴ」や「ボレロ」を踊り、賑わいは最高潮に。

    「ファンダンゴ」は、ギターやカスタネットで演奏される軽快なリズムのダンス。「ボレロ」は、スペインで最も歴史ある踊りで、闘牛士のような衣装と、キレのあるターンが特徴。人々の情熱的な踊りとともに、バレンシアの夜はふけていきます。


  • 5月8日放送

    スペインの伝統舞踊「ファンダンゴ」は、カスタネットが奏でる陽気な拍子が印象的な活気あふれるダンス。

    世界中から100万人以上の人々が集まるバレンシアの「サン・ホセの火祭り」では、「マントン」と呼ばれる伝統的な衣装をまとった踊り子たちが舞い、華麗なダンスで人々を魅了します。中には200年以上受け継がれてきたという羊毛製でオリーブの刺繍が施された衣装をまとう女性も。

    受け継がれてきたのはダンスや衣装だけではありません。祭りの前に家族で囲む食卓に並ぶ料理もまた、バレンシア地方の伝統です。中でも、新鮮な地中海の海の幸をふんだんに使った「パエリア」はバレンシア伝統の郷土料理として人々に愛されています。


  • 5月15日放送

    スペインの民族舞踊の中でも最も古い歴史を誇る「ボレロ」は、軽やかなポーズとステップが特徴の踊りです。その伝統ある踊りが、何代にもわたり受け継がれる街バレンシアは、起源前の古代ローマ人によって建設されました。

    バレンシアで行われる、スペイン三大祭りの一つ「サン・ホセの火祭り」では、およそ10万人もの人々が参加するパレードが見どころの一つ。パレードは、「オフレンダ」と呼ばれ、巨大な聖母マリアの木像に花をささげるため、人々が行列を作ります。

    音楽隊の女性は、「ドルサイナ」というバレンシアオレンジの木から作られた民族楽器を吹き鳴らし、その音色でバレンシアの人々の心も躍らせるのです。


  • 5月22日放送

    スペインの伝統舞踊「ファンダンゴ」の語源は、一説にはラテン語の「運命」だとも言われています。情熱的な動きを称し「求愛の踊り」と呼ばれた時代もありました。

    魅惑的な踊り「ファンダンゴ」を愛してやまない人々が暮らすのが地中海を望むスペイン東岸の街、バレンシア。この街には13世紀、聖母マリアのために建てられたバレンシア大聖堂があり、イエス・キリストが「最後の晩餐」で使ったとされる「聖杯」が、大切に保管されています。

    スペイン三大祭りの一つ「サン・ホセの火祭り」が行われる日、街の広場では、薪で豪快に炊き上げたパエリアが振る舞われ、人々はワインや地元特産のバレンシアオレンジとスパークリングワインをあわせたカクテル「アグア・デ・バレンシア=バレンシアの水」を片手に一晩中、宴に酔いしれるのです。


  • 5月29日放送

    「サン・ホセの火祭り」のステージでは、バレンシア地方伝統の踊りが披露されます。スペインで最も古い歴史を持つ踊り「ボレロ」には、「飛ぶ」という意味があり、飛び跳ねるような動きが多いのも特徴です。

    そして、三拍子のリズミカルな音楽に合わせて踊る「ファンダンゴ」は、上流貴族の間で流行した踊りでした。客席の人々も巻き込んで踊りの渦が広がる祭り。そのクライマックスは最終日の「ファイヤー・パレード」です。巨大な人形に火が放たれ、周囲を明るく照らす炎は、人々が1年の喜びや悲しみに別れを告げ、気持ちを新たにして春を迎える象徴です。

    人々が踊りに興じた火祭りの終わりは、春の始まりを意味するのです。