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2014年9月27日放送

今週のドルは高値圏でのもみ合いとなった。週明けの東京市場では、日経平均が一時150円を超える下落となり、ドル売り円買いが先行。東京市場が休場となった翌23日も、欧米株価の下落を受けて一時108.25円までドルは売られた。しかし、一目均衡表の転換線が位置する108.05円が下値の目処として意識されたほか、CMEの日経平均先物が急上昇したことなどから再び上値を試す展開に。24日には8月米新築住宅販売件数が、市場予想を大幅に上回る強い数字となり、ドルの買い戻しが加速した。25日の東京市場では、一時、109.37円までドル高が進んでいる。ただ、19日のドルの高値109.46円が目先の戻り目処として意識されたほか、ダウ平均がアップル株暴落をきっかけに大幅に値を下げる展開となると、108.47円まで下押しするなど、全般的に一進一退の動きとなった。

注目のFOMCが16-17日に開催された。FOMCの声明文は、変更箇所を探すのが難しいほど変化のないものとなった。特にフォワードガイダンスの部分は、「considerable time」(「相当な期間」)との文言が前回の声明文と全く同じ場所にピンポイントで置かれていて、一時、ドル売りとなる場面もみられた。

しかし、同時に公表された「経済・金利見通し」では、FF金利の適切な水準の中央値が上方修正されていた。2015年末が1.125%から1.375%へ、2016年末が2.50%から2.875%へと引き上げられている。更に、予想の幅が、以前の0.25%ごとではなく、今回は0.125%と刻んできたことも憶測を呼んでいる。ただ、純粋に2015年末の水準から逆算すれば、金融正常化の開始は遅くとも6月FOMCから、早ければ3月FOMCからという事実を確認することが出来る。

また、10月の量的緩和終了と同時に発表されると見られていた金融政策正常化への詳細が、今回「政策正常化の原則と計画」として明らかになった。この追加の声明文では、「金融政策正常化」について、FF金利やその他の短期金利を正常な水準にまで引き上げると共に、FRBが保有する債券を減額させていくことと定義。そして、その決定に際しては、雇用の最大化と物価安定の責務を果たすことを謳っている。また、想定される具体的なオペレーションについても言及していて、そうした詳細までが明らかにされたことから、市場はドル高へのバイアスを強めている。

来週のドル円は、下値の堅い動きとなりそうだ。ドルの高値警戒感が次第に強まっているものの、9月末に向けた本邦実需勢のドル買い意欲は依然として強く、下押しを見極めて拾っていきたいところだ。

下値では、24日の安値108.46円や23日の安値108.25円が目先の目処として意識されているほか、一目均衡表転換線の位置する108.14円がサポートレベルとなっている。上値では、19日の高値109.46円がとりあえずの目処となっているが、2008年8月15日の高値110.67円がレジスタンスとして意識されている。

また、来週は材料も目白押し。29日には8月米個人消費支出が発表されるほか、10月1日には9月米ISM製造業景気指数が予定されている。週末3日には9月米雇用統計、9月米ISM非製造業指数が明らかになる。ユーロ圏では、30日に9月ユーロ圏消費者物価指数の速報値が予定され、10月2日にはECBが定例理事会を開催し、ドラギECB総裁の定例記者会見も行われる。市場では「量的緩和の実施」が決定されるとの憶測も出てきていて、ユーロの動きからも目が離せない。

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