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2014年9月6日放送

今週のドルは買われる展開となった。週明けは米国がレイバーデーの休場となったが、翌日2日には「GPIF改革に積極的な塩崎政調会長代理が厚生労働大臣に内定」との報道をきっかけに、海外勢中心にドルが買いが強まった。更に、8月米ISM製造業景気指数が市場予想を上回る強い数字となると一時105.22円まで買い上げられた。その後は、利食い売りから104.72円まで下押す場面もみられたが、4日にはECBによる利下げを受けてユーロドルが急落するにつれ、ドルは上値を試す展開に。週末のアジア時間では1月2日の年初来高値である105.45円を上抜けると目先のストップロスを巻き込むかたちで上げ足を速め、一時、105.71円までドルは値を上げた。8月米ISM非製造業指数が強い数字となったことも買いを後押ししている。なお、ユーロドルはECBが政策金利を0.1%引き下げ、過去最低の0.05%としたことを受けて売りが加速。一時1.2920ドルの安値まで売り込まれている。

今週のドル高のきっかけとなったのは、3日に発足した安倍改造内閣の人事だ。9月に入ってGPIFを中心とした本邦年金資金の本格的な日本株買いや、外債投資に絡む円売りを期待していた市場だったが、それよりも前に、マクロファンド勢をはじめとする海外勢が一気に買いを仕掛けることになった。

注目の筆頭は、塩崎厚生労働大臣。自民党内でGPIF改革に積極的な姿勢をみせていた塩崎氏をGPIFを所轄する省のトップに据え置くという人事を目の当たりにした市場は、アベノミクスの本気度を否が応でも感じざるを得なかったのではないか。もう一つの注目ポイントは、谷垣氏の幹事長の就任だ。目先の景況感の悪化から、消費税率の10%への引き上げは先延ばしとすべきだ、との声が聞こえ始めているが、もともと消費税増税の先鞭をつけた谷垣氏を党幹部に就任させたことは、予定通りアベノミクスを推進していくという強い意思表示でもあるわけで、市場に安心感を与えたと言っていいだろう。

また、4日にはECB定例理事会が政策金利の引き下げを決定している。政策金利を0.15%から0.05%へ引き下げたほか、中銀預金金利を▲0.1%から▲0.2%へ、限界貸出金利を0.4%から0.3%にそれぞれ設定した。ドラギECB総裁の定例記者会見では「ABS買入れの実施」を表明したほか、「国債などの資産を買い入れる量的金融緩和も議論した」ことを認めている。今後の展開に注目したい。

来週のドル円はしっかりとした動きとなりそうだ。目先のレンジを上抜けてきているほか、本邦長期資金のドル買い意欲は強いことから、下押しを丁寧に拾っていきたいところ。下値では、8月25日の高値104.49円や一目均衡表転換線の位置する104.46円が目先の目処として意識されているほか、4月4日の高値104.13円もサポートレベルとなっている。上値では、2008年8月15日の高値110.67円までレジスタンスらしいポイントが見当たらない状況。来週は、8日に4-6月期GDP改定値が発表されるほか、12日には8月米小売売上高が予定されている。

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