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2014年5月24日放送

今週のドル円相場は、大きな動きがみられた。週明けから日経平均先物や欧米株式市場の下落を受けてドル売り円買いが先行。サポートレベルとして意識されていた3月3日の安値101.20円を下抜けると一時101.10円まで値を下げた。21日には、黒田日銀総裁が「量的金融緩和は所期の効果を発揮している」との認識を示すと一気に売りが加速し、一時、100.80円まで売り込まれた。しかし、その後、米国の大幅な株高と長期金利の上昇をきっかけにドルのショートカバーが強まり、翌22日には、HSBCの中国製造業PMIが予想を上回る改善を示したことなどから、更にドル買い円売りが進む展開となった。週末にかけては日経平均の上昇などにつれてドル高円安基調を強めていて、一時、101.86円をつけている。

今週は日銀が金融政策決定会合を20-21日に開催。市場の予想通り「量的・質的金融緩和」の継続を決定した。ただ、声明文には大きな変化があり注目を集めた。

その文言とは『「量的・質的金融緩和」は所期の効果を発揮しており…』というもの。前回の4月8日の声明文では、『このような金融政策運営は…日本経済を15 年近く続いたデフレからの脱却に導くものと考えている』としていた。「デフレからの脱却へ導く」という文言が削除され、「所期の効果を発揮している」という文言が新たに付け加えられたことから、市場では「これはデフレ脱却宣言では」との見方も浮上した。仮にそうであれば、市場で囁かれる追加緩和期待が萎むことになる。これに対して黒田総裁は、「金融緩和の効果については、4月の展望レポートでも説明している。特別なモノではない。なにかサブスタンスを変えたということではない」と記者会見で解説した。しかし、増税後の景気動向について「雇用所得環境が改善され個人消費は基調的な底堅さを維持する」、「駆け込みの反動減はおおむね想定内」などと話しており、現状への自信も滲ませている。

これを受けて、ドル円相場は、ドル高が加速し100円台後半での取引が続いた。しかし、100.82円までの下押しがやっとで、ドル売りを仕掛けた向きにとっては「非常に感触が悪い」値動きとなってしまった。その一因となったのが夜間取引の日経平均先物。市場関係者が「夜間取引の日経平均先物が非常に底堅い動きとなったことが、ドル買い円売りの大きな要因」と話しているように、ドル円はここからドルのショートカバーが強まった。今年最安値である2月4日の100.75円を手前に下げ止まっただけでなく、終値ベースでは200日移動平均の位置する101.26円(16日現在)をしっかりと上回ってきていて、一定のアク抜け感も出てきている。また、日経平均については、14,000円の堅さが印象付けられた。

ドル円は、21日の急落を受けて目先の下値を確認したかたちとなっている。現在、ドルの下値では、200日移動平均線の位置する101.26円や21日の安値100.80円がサポートレベルとして意識されていて、短期投機筋中心に目先のショートポジションを巻き戻す動きが強まりそうだ。ドルの上値では、13日の高値102.36円がとりあえずの目処として意識されているほか、一目均衡表雲上限の102.66円がレジスタンスレベルとなっている。また、株価の動向次第だが、2日の米雇用統計後の高値103.02円が視野に入ってくる可能性もある。いずれにしても、引き続き日経平均やダウ平均、米10年債利回りの動向を注意深く見極めることになりそうだ。

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