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2014年1月18日放送

今週は、10日に発表された12月の米雇用統計で、非農業部門の雇用者数が予想を下回る7万4000人の増加にとどまったことを受けて、週明けから一気にドル安が進行。一時1ドル=102円85銭まで売り込まれた。13日の東京市場は成人の日で休場だったものの、アジア市場では当面の下値目処とされていた12月19日と23日の安値103円77銭を抜けると、損切りの売りも膨らんで下げ足を速めた。

ただ、翌14日には日本の輸出企業中心に買いが先行。一気に104円台を回復するなど、荒い値動きとなった。サントリーによる米蒸留酒メーカー買収もドル高を後押し。NY市場では12月の米小売売上高が市場予想を大幅に上回る強い数字となったこともあって、さらにドル買いが優勢となった。16日には一時105円台目前までドルが値を上げたものの、この水準では依然として戻り売り注文も控えていることから、神経質な動きが続いた。

相場が乱高下する原因となった12月の米雇用統計は、非農業部門の雇用者数の増加が予想を下回る7万4000人で、3年ぶりの低水準にとどまった。ただこの数字は、極端な寒波の影響で自宅待機となった雇用者が27万3000人に上ったことが原因との見方が広がっている。この自宅待機者数は1977年以来の高水準だったことから、市場では一時的な現象だとの受け止め方が多い。逆に失業率は11月の7%から6・7%に低下。11月の非農業部門の雇用者数も24万1000人増加と、前月発表時より3万8000人上方修正されている。20万人前後の増加というトレンドが変化した訳ではないようだ。

市場もその後、雇用統計の発表以前の水準近辺まで戻しており、一時的な影響にとどまっている。依然としてドルを買い遅れている日本の輸出企業が多いことに加え、サントリーによる米蒸留酒メーカー買収のニュースもドル高要因となった。このM&A案件では、約1兆円程度の借り入れが発生する見通しで、今後は大量のドル需要が予想されることから、ドル高円安要因として働いた。世界経済の牽引役となっている米国経済のファンダメンタルズがしっかりしている限り、今後もドル高基調は変わらないだろう。

ドル円は、来週にかけてジリジリと下値を切り上げる展開を予想している。10日の高値105円42銭や2日の高値105円45銭が心理的な抵抗線となっており、ドルの戻り売りも控えている。このため、この水準を抜けるのは容易ではないが、一度突破すると一気にドル高円安が加速する可能性もある。

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