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2011年12月17日放送

今週13日、連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、金融政策の現状維持が決められた。その後発表された声明で注目すべき部分を以下に抜粋する。

「低水準の資源活用と抑制された中期的なインフレ見通しを含む経済の状況により、少なくとも2013年半ばまでFF金利を異例の低水準にすることが、正当化される可能性が高い」

「保有証券の平均償還期限を長期化するプログラムを継続することを決定した」

「指標は全般的な労働市場が幾分改善していることを示しているものの、失業率は高止まりしている」

「米経済は世界経済の成長が減速していると見られるにも関わらず、穏やかに拡大している」

「世界金融市場の緊張が経済見通しへの大きな下方リスク」

「エバンズ総裁は今回の決定に反対し、一段の金融緩和を支持した」

FRBは緩和策を続けており、実態経済の一部では改善傾向も見られるが、見通しは決して明るくない。アメリカ経済の先行きは厳しいものになるだろう。

また、欧州の金融危機の影響から、欧州はもとより、中国、インド、アジアなど新興国の株価も停滞している。

実はいま、さらに問題視されている動きがある。これまでは、世界経済に減速感が出てくると、原油価格も下落するのが一般的だった。しかし、今回ばかりは動きが少々異なる。イラン情勢の緊張や、福島原発の影響から脱原発が原油依存につながる、との観点などから需給が逼迫しているのだ。

今週に入って少し売られる場面もあったが、水準はまだまだ高い。景気低迷の一方で、資源価格が高止まりによるインフレリスクが残っているわけで、「スタグフレーション」の様相を呈している。これがさらに株価のおもしになっている側面もあり、世界経済の視界はますます不良になってきている。

ユーロ円に関しては、依然としてユーロに関するネガティブ材料が相次ぎ、ユーロの上値が重くなっている。ドル円は、年末のポジション調整と見られる動きで若干ドル高・円安に進むこともあったが、基本的には方向感に乏しい動きが続いている。

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