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2011年10月1日放送

欧州、特にギリシャの財務問題が市場の注目を集め、世界的に株価の上値が重くなっている。こうしたなか、不穏な動きを見せているのが中国の株式市場。8月9日につけた上海総合指数の安値2437を割り込んで、週末には去年7月以来の安値となる2348まで下げている。NYのダウ平均が安値圏ながらも、1万0600ドルから1万1600ドルの間におさまっていることと比べると、ひときわ弱い動きといえるだろう。

こうした弱い動きの原因の一つに、中国の物価の問題がある。住宅価格は依然高水準で推移。18日に発表した主要70都市の新築住宅価格指数を見ると、前年同月比が引き続きプラスとなっている。加えて、9日に発表した消費者物価指数も前年同月比で+6.2%と高水準のままで、3カ月連続で6%を超えている。

このような状況を受けて、中国政府はバブル抑制策を堅持する方針。温家宝首相は共産党理論誌への寄稿で「住宅価格の抑制策は効果が表れるまで断固として実施する」と表明。ただ、金融政策を引き締めれば経済活動を停滞させることになるわけで、これが中国経済失速の一因と考えられる。

近年の世界経済は、中国が大きな牽引役のひとつだったが、中国経済が減速していけば、グローバル経済も当然失速する。欧州の債務問題も依然解決していないなか、世界的にまだまだ厳しい状況が続くだろう。

中国の株価は緩やかに下げ続けているが、NYダウは安値圏でのもみあいとなっている。ドル円は上値が重くなりそうだが、NYダウが落ち着いている限りは、一気に円高に向かうような展開も想定しにくい。現行の水準でもみあいことになるだろう。ユーロ円も、ギリシャ問題が意識されるが、ここから更に下げるには、新しい材料が必要になると考えられる。

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