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2011年9月17日放送

ギリシア国債10年物の利回りは、9月15日で25%を上回る水準まで上昇。高水準が続いていたが、とうとう20%の大台を超えてきた。また、期間の短い国債の利回りは一層深刻であり、ギリシア2年物国債の利回りは前週末より20%以上高い80%台後半にまで一時上昇。1年物利回りはすでに100%を超えてしまっている。14日には141%となった。この水準は多くの市場関係者が「ギリシアはデフォルトを起こす可能性が極めて高い」と考えていることを端的に示している。

きっかけは、12日独紙に掲載されたドイツのレスラー副首相兼経済財務相の寄稿。「もうタブーはない・秩序だった国家破産の道を用意すべき」とし、ギリシアはデフォルトに向かうべきとの衝撃的な考えを示した。9日にドイツ出身のシュタルク欧州中銀専務理事が任期途中での突然の辞任を発表したことも、市場の不安を煽る結果となった。

もう1つの懸念材料は、ギリシャ問題が欧州の金融機関の経営に大きな影響を与えるということ。一部報告では、フランスの銀行は日本円で約4兆3600億円のギリシャ債権を持っているとしている。ギリシャがもしデフォルトするようなことになれば、欧州の金融機関への影響は多大なものになる。実際、フランスやドイツなど欧州の銀行株はこのような懸念から、急速に売りが進んでいる。今年7月1日の株価を100とすると、主要銀行の株価は軒並み50%近く下げている。今週格付けが引き上げられたソシエテ・ジェネラルの株価は一時40%を下回る場面もあった。

15日にはECBが、FRB、BOE、SNB、BOJと協調して、3カ月物のドル資金供給オペを行うと発表。ユーロ圏内の金融機関のドル調達懸念が緩和したことで、金融市場は一時的に持ち直す動きも見られた。ただ、ギリシャの問題が根本的に解決したわけではない。

ユーロは引き続き厳しい環境にあることから、ユーロは引き続き、相当上値が重いだろう。

ユーロ円は週末にかけて持ち直す動きも見られたが、ギリシャ問題が根強く意識され、基本的にはユーロが売られやすい状況。下値を試す可能性が依然として残っている。また、ユーロ円で円買いが進みやすいことを受けて、ドル円もドルの上値が重くなりそうだ。

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