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2011年9月3日放送

金融マーケットが少しずつ、落ち着きを取り戻しつつある。NYダウは8月中旬に1万1000ドルを割り込む場面もあったが、今週は4日続伸の動きを見せ、一時1万1600ドル台を回復した。株式市場がこのように堅調な動きを示している背景は大きく分けて2つあると考えられる。ひとつは急落の背景となっていた欧米の財政問題がマーケットに徐々に織り込まれていること。売りが進んでいた分の調整がいま進んでいるとみられる。もう一つが、FRBが景気浮揚のための追加の緩和を措置を行うとの期待感が高まっていること。この2点が今のマーケットの反発を説明する材料と言えそうだ。

もっとも、市場が期待しているほど、追加緩和の実施は容易ではない。今週発表されたFOMC議事要旨では、追加緩和に対して積極論が聞かれたものの、同時に一部の委員は「追加緩和はインフレを招くリスクがある」と警戒している。また、今回の声明ではQE3については見送り、事実上のゼロ金利政策を少なくとも2013年半ばまで継続するとしたが、この声明についても3人の地区連銀総裁は反対している。

これだけ反対意見が根強い理由は、インフレ率が高水準になっているから。現在のアメリカは景気低迷のなかでインフレ率が高まる、いわばスタグフレーションに近い状況となっている。ここで緩和を行えば一層インフレ率が上昇し、スタグフレーションの流れが一気に加速する危険もある。

大分落ち着いたマーケットなっているが、アメリカ経済は非常に難しい舵取りを迫られている。少し良くなっているように見える株式市場・金融マーケットであるが、本格的に回復するのは、まだまだ先のことと考えておきたい。

株価が落ち着いた動きになってくると、クロス円は全面的にドルの下値がしっかりしやすい。ユーロ円も大きくは崩れにくいだろう。ただ、ドル円に関しては上値が非常に重たくなっているため、仮にドル高円安方向に戻す場面があっても、ドル売りに押されることになるだろう。

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