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2011年6月4日放送

NYダウは5月2日に12876ドルの高値をつけたが、そこをピークに上値が重くなり、6月2日には12100ドル台をつけている。しかし、アジアの株式、特に中国の株はNYダウ以上に軟調。代表的な指数である上海総合指数は4月18日につけた3067から10%近く下落し、今週末は2700近辺での推移となっている。

この中国下落の要因の一つとして考えられるのが、引き締め方向の金融政策。先月5月12日に、中国人民銀行は市中銀行から強制的に預かる資金の比率を示す預金準備率を18日から0.5%引き上げると発表している。今年に入ってすでに5回目となるが、これだけ積極的に引き締めを行うのは、インフレ圧力が収まらないため。5月11日に発表した4月の消費者物価指数は前年同月比5.3%上昇となり4%としている政府目標を依然として上回っている。

しかし、金融を引き締めには景気を抑制するマイナス面もある。更に中国は今後も引き締めを継続すると見られ、景気後退が懸念されている。

これまで世界経済をけん引してきたのは、中国を筆頭にアジアなどの新興国といわれてきた。その中国が失速となれば、アメリカをはじめとした先進国の景気減速も頷ける。 現に米経済指標は非常に弱いものが続いている。全体的な調整ムードはもう暫く続くと考えておきたい。

米長期金利の低下も影響し、ドル円は上値が重い。加えて、株価の上値が世界的に重くなると、リスク回避で円買いが進みやすくなるため、ユーロ円も上値を抑えられることになりそうだ。

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