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2011年2月26日放送

アルジェリアからはじまった民主化を求める動きが中東各国へ拡大している。今週に入って特に注目されているのがリビアでの動き。リビアはOPECの中で5-6%を占める石油産出国であり、その混乱が原油価格の高騰を招く原因となっている。24日には、一時的ではあるが103ドル台まで上昇した。昨年末から80ドルから93ドル程度での推移が続いていただけに、今週に入ってからの高騰は目に余るものがある。

最近は世界経済が比較的落ち着いていたことに加えて、米国のQE2を代表とする量的緩和により市場に資金が流入。これが株価の上昇などを後押ししていた。しかし、中東情勢が厳しさを増すに連れてリスク回避の動きが目立ってきた。NYダウは大幅安となり、3日間で一時400ドル近くも下落。堅調だった資源国通貨にも売りが出ている。更に、米10年債の利回りも2月9日に3.766%まで上昇していたが、現在は3.4%前半まで下げている。これは、リスク資産からの資金が逃避し、米債券へと流入していることの表れである。

このまま中東情勢不安が続けば、原油価格が高止まりし、それが各国企業の業績にマイナスの影響を出す可能性も出てくる。

比較的落ち着いていた金融市場であるが、中東をはじめとした各国の民主化問題が、今後実体経済に大きく影響を及ぼすかもしれない。そうなると、金融市場がますます荒れる展開も、想定しておく必要があるだろう。

リスク回避の傾向が強まり、株価が崩れている。その影響もあり、為替相場は全体的に円高圧力がかかりやすい。ドル円は下落しやすいと言えそう。ユーロ円も円高圧力がかかるが、欧州は利上げ観測も台頭しているため、素直に下落するとも言いにくい。乱高下となりそう。

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