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2008年7月12日放送

木曜日、セントルイス連銀のプール前総裁は、「ファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)は住宅不況を乗り切るだけの資本がない」として、政府が救済に動く可能性が高まっていると指摘した。この発言を受けて両社の株価が急落し、17年ぶりの安値をつけている。

また、アナリストからは大手米銀、証券会社などが大幅な資本増強を余儀なくされるとの見方が発表されるなど、米国金融機関の経営状況に不安が広がっている。

バーナンキFRB議長は「投資銀行の資本や流動性、リスク管理の基準を設定するため、米議会は連邦監督当局を一本化し、当局の権限を強化する必要がある」と発言した。また、ポールソン米財務長官も同様の発言をしている。

ベアスターンズの救済時には緊急の措置を取ったが、今後予想される危機に対応するためには法整備が必要だと金融当局が感じているわけだが、こうした発言の背景には、大手投資銀行の破綻といった金融危機の可能性が高まってきているということがあるのではないだろうか。

米金融機関の経営悪化が懸念される中、ドルの上値は重い。しかし、最近は米株安を受けての円高という構図が崩れてきているため、円相場自体は円安基調が続いている。ドル安と円安のぶつかり合いでドル円は膠着状態に入っている。一方、前日利上げがあったユーロは対ドル、対ユーロとも堅調な動きが続く可能性が高そうだ。

来週の予想レンジはドル円が105円−108円。ユーロ円は167円-171円。

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