2006年 7月22日の放送


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 7月19日にバーナンキFRB議長が半年に1度の議会証言を行った。その内容は「米国経済の成長が減速している」「コアインフレは今後低下する見通しである」「しかし、インフレ懸念は依然残っている」など、6月のFOMCの声明とほぼ同じ言葉が並んだ。

 しかし、今回はそれ以外に、「金融政策の効果が出るのは、ある程度の時間がたってからなので、今後の影響をよく見る必要がある」というニュアンスのコメントをしていて、市場では、利上げが休止されるのではないかという観測が広がった。


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 バーナンキFRB議長の発言を受けて、金利が急低下し、ドルも下落した。一方、株式市場は利上げ休止の可能性を好感し、急反発した。ここのところ、日本の株式市場は米国株式市場との相関性が非常に高くなってきており、アメリカの株式市場が急進した翌日には、日経平均株価も急反発をした。

 今後の日本の株式市場の動向を考えるにあたっては、米国の景気動向、金融政策を注視しておく必要があろう。

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 一方、イスラエルによるレバノン軍事攻撃で原油価格が高騰していたが、停戦の見通しが伝えられたこともあり、徐々に落ち着きを取り戻してきている。原油価格の高騰が米国株式市場の急落を招いていただけに、こうした沈静化の動きは株式市場にとっては好材料ではある。

 しかしながら、今週発表された中国の1-6月原油輸入量は前年同期比+15.6%と急増。新興国の消費量が拡大する中では、原油価格の高止まりはやむを得ない状況ともいえる。そういった観点から考えると、日本の株式市場の上昇は中々難しいであろう。

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 為替動向のほうは、ここのところ円全面安の動きとなっている。日銀がゼロ金利からの脱却をしたものの、その後の追加利上げに慎重な姿勢を示したことに逆に注目が集まり、当面超低金利が継続するとの思惑から円が売られやすい環境になっている。

 アメリカ経済が不安定なため、対米ドルでの円安継続は可能性が低いにしても、全体的に見れば、少なくとも年内は低金利が継続するであろうということを材料に緩やかに円安が進行する公算が高い。

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 TS指数を見ると、市場関係者も今後の展開に対してはっきりとした意見を持てないでいるようである。日銀の利上げ・バーナンFRB議長の議会証言など、重要なイベントがほぼ一巡し、今後しばらく新しい材料がないことが、気迷いの原因の1つであろう。

 8月8日のFOMC以前は、狭いレンジの中での小動きとなってくる可能性が高い。