2006年 2月25日の放送


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 BRICS各国の人口は2005年で中国約13.1億人、インド11億人、ブラジル1.9億人、ロシア1.4億人となり、4カ国を合計すると世界の人口全体の42.5%を占める非常に巨大なマーケットである。従って、生産拠点としてだけではなく、今後は消費市場としても大きなシェアをしめるようになっていくことは必然であろう。


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 中国、インドは安い労働力を活用した生産拠点として、高い成長率を維持してきており、ロシアもここ数年の資源価格の高騰の恩恵を受け高成長を続けている。以上3カ国に比べるとブラジルの成長率はかなり見劣りするものの、今後は安定的な成長が期待されている。

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 ゴールドマンサックス証券の予想では、今後BRICS各国は経済の拡大とともに、成長率は落ちていくものの、2050年までにかけて年率3%以上の安定的な景気の拡大を予想している。

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 その結果、2050年には、中国はGDPでアメリカを上回り、世界第1位になると予想されている。また、インドもアメリカに肉薄、ブラジル、ロシアも日本のGPDとほぼ並ぶ水準まで成長すると予想されており、2050年には、世界の経済勢力図が大きく変わっている可能性が高いといえる。

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 こうしたBRICSの明るい将来を期待して、世界中からBRICS諸国に資金が流れ込んでいる。グラフは、各国の代表的株式市場の10月からの上昇率を比較しているが、ロシア株の33%上昇を筆頭として、軒並み上昇傾向にあることがみて取れる。日本でも最近、BRICS諸国の株式市場に注目した投資信託の残高が急増している。中期的には今後も上昇していくものと考えられるが、短期的には過熱感が強く、一時的な調整も十分考えられる。

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 GSEC指数をみると、円高、円安予想真っ二つに分かれた。日銀が量的緩和解除を早期に開始するとの期待から、115円台にまで円高が進行した。しかし、先ほど説明したように、3極そろって、金利が上昇しているなかでは円の上昇も限定的であろう。決め手がないまま、しばらくはまだ揉み合いの展開が続くと予想する。