2005年 12月10日の放送

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 今週は各国で利上げが次々に実施された。6日にはカナダが0.25%利上げし、政策金利を3.25%とした。それに追随するように8日にはニュージーランドと韓国が0.25%利上げを実施し、それぞれ7.25%、3.75%とした。原油などの高騰により、世界中でインフレ懸念が高まり、イギリスや日本などの一部の国を除いては、おおむね利上げを継続的に実施している。

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 こうした、傾向は欧米でも引き続き見られている。米国は今月13日のFOMCで再び0.25%利上げをし、FFレートを4.25%にすることが確実視されている。また、12月1日に5年ぶりの利上げを実施したECBも継続的な利上げということに対しては今のところ考えていないとしているものの、インフレリスクが上昇することに対して警戒感を崩していない。また、現状の2.25%という金利水準は引き続き緩和的なレベルであるともしており、将来の利上げに含みを持たせている。

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 一方の日本であるが、他国とはやや状況が異なる。消費者物価はデフレ傾向から抜け出し、年率で0まで上がってきた。しかし、継続的なインフレ傾向というにはまだ程遠い状況である。また、政治サイドから再三に渡って牽制球が投げられていることも日銀にとっては量的緩和解除の重荷になっている。こうした牽制に対して、量的緩和解除後もゼロ金利は当面維持するといった趣旨の発言を日銀幹部がしたため、長期金利も上昇傾向を抑制している。

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 金曜日に日本の第3半期のGDP改定値が発表されました。年率で1%と予想を大きく下回る下方修正となり、マクロから見ると日本経済の先行きにややかげりが見られる形となりました。こうしたマクロ環境が低下は日銀にとって、量的緩和解除に向けてのマイナス要因として働く可能性もあり、今後の日銀の金融政策は益々難しくなる可能性が出てきた。

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 GSEC指数を見ると、今週は56.3とほぼ中立の予想になっている。今週、円安の調整が起きて、ドル円も上昇スピードが鈍ってため、市場に一服感がでてきていると考えられる。ただ来週はボーナスシーズンに本格的に突入するため、外物の新規投信の設定もいくつか予定されており、更に円安が進む可能性も否定できない。