2004年 7月24日の放送

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 グリーンスパンFRB議長は、今週、年2回義務付けられている経済と金融政策に関する議会証言、いぜんはハンフリー・ホーキンス法に基づく議会証言と呼ばれていた、を実施した。その中で、グリーンスパン議長は、米景気は堅調で、したがって、慎重なペースでの超金融緩和からの脱却は継続される。ただ、インフレの懸念は弱い、と述べており、このグリーンスパン流の情勢診断が正しいとすれば、わが国投資家にとって、当面、対米債券投資が最良の投資手法になると私は考えている。今週は、グリーンスパン証言のポイントをやや詳細にみていくことにする。

 まず、証言の冒頭で議長は、米国景気の堅調さを強調してみせた。特に、非農業部門雇用者の月間増加数が、昨年第4四半期平均の60千人から、ここ半年間は200千人まで拡大したことを例にあげ、今後も、雇用の増加が、可処分所得の増加を通じて、個人消費に好影響を与えていくとの見方を示した。

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 また、市場が懸念する足元の景気減速について、議長は、最近の個人消費の減速は、物価上昇によって実質可処分所得の伸びが低下したためであるが、最近の物価の上昇は、エネルギー価格上昇等の一時的な要因によるものであると判断し、したがって、個人消費の減速はSHORT−LIVED、短命なものに終わると結論付けている。これは、消費減速から、FOMCが8月の利上げを見送るのではとの観測も出ていた市場にとって、サプライズであったといえよう。

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 一方、議長は、食品とエネルギーを除いた個人消費デフレーターの伸びが、昨年12月の前年比0.8%から本年5月には1.6%に高まったことを指摘したうえで、確かに、コア・インフレ率も昨年に比べて高まってきているが、それは、コストの上昇ではなく、企業収益が急激に高まった結果と説明し、今後もインフレ懸念が抑制されていく見通しを力説した。

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 すなわち、議長は、非金融法人の利益率が、2001年第3四半期に7%まで低下した後、2004年第1四半期には12%に反発したが、これは1983年以来の急回復であることを明らかにした上で、この利益率上昇の半分が生じた2003年第1四半期から2004年第1四半期の期間には、非金融法人のユニット・コストが低下していることに注目し、同期間における非金融セクターによって生産された最終財とサービス価格上昇1.1%のすべてが、コスト増ではなく、利益の拡大によってもたらされたと結論付けている。 その上で、議長は、企業間競争によって、利益率は早晩低下することが予想されるため、このような収益拡大によるインフレ傾向は長続きせず、したがって、今後もインフレ懸念が抑制されていく見通しを強調した。

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 すなわち、議長は、非金融法人の利益率が、2001年第3四半期に7%まで低下した後、2004年第1四半期には12%に反発したが、これは1983年以来の急回復であることを明らかにした上で、この利益率上昇の半分が生じた2003年第1四半期から2004年第1四半期の期間には、非金融法人のユニット・コストが低下していることに注目し、同期間における非金融セクターによって生産された最終財とサービス価格上昇1.1%のすべてが、コスト増ではなく、利益の拡大によってもたらされたと結論付けている。 その上で、議長は、企業間競争によって、利益率は早晩低下することが予想されるため、このような収益拡大によるインフレ傾向は長続きせず、したがって、今後もインフレ懸念が抑制されていく見通しを強調した。