2003年 7月26日の放送

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  ここ2週間ほど、ユーロが対円、対ドルで堅調な動きとなっている。基本的にはこれまで売り込まれた反動ということだろうが、18日に明らかになった7月のミシガン大学消費者信頼感指数の内容が悪く、米景気先行きに対して慎重な見方が広がったことや、バーナンキFRB理事がドル安はディスインフレの阻止に寄与する、と述べたことなどがユーロ買いドル売りの材料となった。

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  個人消費や住宅市場が堅調に推移しているため、米景気は好調に見えるが、鉱工業生産などはまだ低迷が続いている。上は最近20年間の鉱工業生産と設備稼働率の推移。鉱工業生産指数の前年比伸び率は一時の低迷から脱し前年比プラスで推移していたが、6月はマイナス1%となり、3ヶ月連続でマイナスとなっている。設備稼働率も低迷しており、6月は74.3%にとどまった。これで4ヶ月連続で75%を切った状態となっている。

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  米景気先行き見通しに決定的な影響を与えるのが株価の動向だが、このところレンジ相場が続いている。イラク戦争開始後の上昇も一服と言った感じだが、この間に米経済に対する楽観的見方がかなり織り込まれたということができるだろう。来年の経済成長は4%〜5%の成長を示現すること、デフレは回避されること、設備投資の復活も間近なこと、などのシナリオは全て株式価格に織り込まれているものと考えられる。

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  1株あたりの利益見通し(EPS)もかなり強気になっている。上はファーストコール社が集計した、アナリストのS&P500社のEPS見通し。過去のEPS推移を見ると、2002年は横ばい推移だったが、今年第1四半期より徐々に上向きになっている。現在のコンセンサスは来年第4四半期には、EPSが17ドル近くにまで上昇するというものだ。米株が現状から一段高となるには、ここからさらに好材料が生まれなければ難しいと言えそうだ。

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  米景気の楽観的な見方に大きな変更は今のところないこと、円高局面では引き続き当局による介入が予想されることから、レンジ相場のなか、ドルはやや堅調な展開か。

 G-SECインデックス速報は65.8。依然市場参加者の円安センチメントは強い。