ONE×TIME 建築の記憶

過去の放送

番組詳細

#260建築の記憶スペシャル 傑作集

#260建築の記憶スペシャル 傑作集

2017年03月30日放送
※特別編成の為3/30(木)よる11:00~11:24放送。

なぜ、コルビジェは古びた小屋を終の棲家としたのか—。コルビジェ、ライト、ミース、ガウディなど世界的建築家の作品を訪ね、建築とは何か、住まうことの意味を解き明かす.。
シリーズ最終回。これまで、『ONE×TIME 建築の記憶』が追いかけてきた250を超える名建築の中から、さらに傑作を厳選。
「装飾の時代 アール・ヌーヴォー」「モダニズムの革命」「自然との融合 オーガニック・アーキテクチャー」と3つのターニングポイントを掘り下げ辿っていく。人は、どう住まい、どう生きてきたのか。これらの建築を辿るとき、ひとつの物語が見えてくる。
ル・コルビュジェ 「サヴォア邸」「ル・カバノン」「ヴァイセンホーフ・ハウス」
フランク・ロイド・ライト 「落水荘」
ミース・ファン・デル・ローエ 「トゥーゲントハット邸」「ファンズワース邸」
アントニ・ガウディ 「カサ・ミラ」「カサ・パトリョ」「グエル邸」
ヴィクトール・オルタ 「タッセル・ハウス」
アルヴァ・アアルト 「ヴィラ・マイレア」
ジョン・ロートナー 「シーツ・ゴールドスティーン」
etc…

#259建築の原点 カサ・コッリーナ

#259建築の原点 カサ・コッリーナ

2017年03月15日放送
イタリア、ガッララーテ 1964年 建築家 カルロ・モレッティ
イタリア北部の街、ガッララーテに立つ、森の中の家。ガラスで構成された、透明な壁は、内の中を森で人を包むためのガラス。建築は、帰ろうとしている。母なる自然のもとに。古の時代、建築は、風雨をしのぐ素朴なものだった。だが、家族という共同体が育まれ、時を分かち合う場所へと変わった。すぐれた建築は、その原点を忘れない。森の息吹で、人を包み込む、この家のように。

#258一瞬の光 カサ・アマトイェ

#258一瞬の光 カサ・アマトイェ

2017年03月08日放送
スペイン、バルセロナ 1900年 建築家:ジュゼップ・プッチ・イ・カダファルク
スペイン、バルセロナ。時の巨匠たちの建築が並ぶグラシア通り。そこにガウディと腕を競った建築家が残した、個人邸宅の傑作。それは、20世紀の始まりを鮮やかに飾った、時の殿堂。芸術家たちの手による緻密なレリーフ。数多の装飾に彩られ、宮殿のような煌めきを湛えている。

#257 光の色彩 サルツマン・ハウス

#257 光の色彩 サルツマン・ハウス

2017年03月01日放送
アメリカ 、ニューヨーク州イーストハンプトン 1967年 建築家:リチャード・マイヤー
緑と強烈なコントラストを成す、白亜の彫刻。1967年、アメリカ、イーストハンプトン。建築家リチャード・マイヤーはここに、大地と織りなす色彩の叙事詩を刻んだ。対比と一体感、その矛盾を超越した傑作。輝きうねる白は、空と緑の色を誉めそやし、広大な窓が大地の息吹を運ぶ。巧みな構造によって、重力から解き放たれた、吹き抜け。すべてが一体となり、この得も言われぬ解放感が生まれている。

#256時の扉 ハウス・アム・ホルン

#256時の扉 ハウス・アム・ホルン

2017年02月22日放送
ドイツ・ヴァイマール 1923年 建築家:ゲオルク・ムッヘ&アドルフ・マイヤー
1923年、ドイツ、ヴァイマールに造られた、モデルハウス。デザイン・アカデミー、バウハウスが世に送り出した最初期の住宅。機能性こそが、快適な暮らしを造る。この理念のもと、いち早く電気設備を供え、合理的な作り付けの家具、そして実用的なキッチンが造られた。建築を通じた新たな生活の提案。それが、今日の礎を築いた。

#255空中のパレス ワールデン7

#255空中のパレス ワールデン7

2017年02月15日放送
スペイン サン・ジャスト・デスベルン 1975年 建築家:リカルド・ボフィル
バルセロナ郊外に造られた400を超える住戸を持つ集合住宅。積み木のような立体に半円状の突き出しがひしめいている。空間そのものはシンプルながら、なぜ、この奇抜なフォルムを必要としたのか。それは、必然のデザイン。伝統の職人技を活かしたクラフトワーク。建築家は、風土の色を追い求め、スペインの古い集落を縦に構成した。

#254庭園の果実 ミラー・ハウス

#254庭園の果実 ミラー・ハウス

2017年02月08日放送
アメリカ インディアナ州 1953年 建築家:エーロ・サーリネン
1953年、アメリカ、ニューヨーク州、コロンバスに造られた、壮大な庭園住居。取り巻く自然と一体化を図った、トータルデザインの極地がここにある。眺望を美しく切り取るデッキ。視覚的広がりを求め、地中に掘られたソファボックス。溶け合う一体感を図り、光の旅までもデザインした。

#253光の巡礼 ヴィラ・ボニカルツィ

#253光の巡礼 ヴィラ・ボニカルツィ

2017年02月01日放送
イタリア、ガッララーテ 1990年 建築家:カルロ・モレッティ
イタリア南部の都市、ガッララーテに建つ個人住居。木立の中に覗く、神殿のようなファザード。その中央をガラスが縦に貫いている。それは、光を集める太陽の部屋。このガラスの円筒を中心に空間が伸びていく、聖堂のようなレイアウトを見せる。建築家は、光を神聖なものと捉えた教会建築の構造を、現代建築へと発展させた。

#252直線の詩 ザ・クレーフェルト・ヴィラズ

#252直線の詩 ザ・クレーフェルト・ヴィラズ

2017年01月25日放送
ドイツ クレーフェルト1930年 建築家 ミース・ファン・デル・ローエ
1930年、ドイツの小都市、クレーフェルトに造られた二棟の邸宅、ランゲ&エステル邸。直線を基調としながら、神殿のような威厳を醸して対を成す。今は、ギャラリーとして用いられ、置かれるミースの家具は最小限。空間の配置、図形的な窓のバランス。完璧な比率をミースは追い求めた。

#248彫刻のパレス パロウ・クアドロ

#248彫刻のパレス パロウ・クアドロ

2017年01月24日放送
※特別編成の為1/24(火)よる7:54より放送致します。

ペイン、バルセロナ 1906年 建築家:ジュゼップ・プッチ・イ・カダファルク
スペイン、バルセロナに建つ20世紀初頭の建築。かつて、地中海の覇権を握り、独立国として繁栄を築いた、カタルーニャ。この地方の名士だった男爵の邸宅。土地の神話を現す、数多の彫刻を求めた。紋章を刻んだ装飾。栄光の歴史を建築に刻んだ。

#251光のパレス カサ・リェオ・イ・モレラ

#251光のパレス カサ・リェオ・イ・モレラ

2017年01月18日放送
スペイン バルセロナ 1905年 建築家 ルイス・ドメネク・イ・モンタネール
ガウディと共に華麗なる時代を築いた、もうひとりの天才、ドメネク・ イ・モンタネールの作品。空間を充たす、光のシンフォニー。目を見張るまでの装飾と光が一体になり、甘美な世界を広げる。職人技を駆使した、装飾建築の極地。新たな芸術様式、モデルニスモと呼ばれ、時代を席巻した。

#250彫刻の家 スカルプチャード・ハウス

#250彫刻の家 スカルプチャード・ハウス

2017年01月11日放送
アメリカ コロラド州 1965年 建築家 チャールズ・ディートン
アメリカ、デンバーの荒野に置かれた白の衝撃。果実の裂け目のような窓。うねるように流れる曲線。空に浮かされた、巨大な彫刻。だが、それは奇をてらったものではない。柔らかな曲線に抱かれた空間は、繭のように、母胎のように、言いしれぬ安らぎに包まれる。

#249グレイト・スピリット マニトガ

#249グレイト・スピリット マニトガ

2017年01月08日放送
※特別編成の為1/8(日)よる9:54より放送致します。

アメリカ ニューヨーク州 1960年 建築家 デイヴィット L. レヴィット、ラッセル・ライト
プロダクト・デザインの巨匠、ラッセル・ライトの晩年の拠点。森と一体化した建築。空間を浸食する岩肌は荒々しい大地の力を伝える。イマジネーションの源泉を、自然の中に求めていた。刻々と移ろう森の表情が、日々を彩るデザインに、魂を与えた。

#247前衛のジャルダン ヴィラ・ノアイユ

#247前衛のジャルダン ヴィラ・ノアイユ

2016年12月21日放送
フランス イエール1931年 建築家:ロベール・マレ=ステヴァン
南フランスの避暑地に造られた名門貴族ノアイユ家の大邸宅。パリの住宅展で偶然見た作品に打たれ、無名の芸術家だったロベール・マレ・ステヴァンに設計を依頼した。芸術とデザインの実験室として造らせた。図面ひとつひとつに助言を与え、才能を育てた。前衛の先端を走った未来派の造形を完成させた。

#246水上の都市 シロダム

#246水上の都市 シロダム

2016年12月14日放送
オランダ アムステルダム 2002年 建築家:MVRDV
オランダ、海洋都市アムステルダムに立つ、コンテナ船のような集合住宅。ピロティは、住宅の船を係留するマリーナ。建築そのものが、水の上に浮かされている。大胆な発想が生んだ、驚異の建築。現代の建築に新たな歴史を綴った。

#245生命の色彩 ジョン・クリスチャン・ハウス

#245生命の色彩 ジョン・クリスチャン・ハウス

2016年12月07日放送
アメリカ インディアナ州 1954年 建築家:フランク・ロイド・ライト
1954年、アメリカ、インディアナ州の小都市。ライトは、ここに逞しく根を下ろした植物「サマラ」を、建築のモチーフにした。大胆な色遣いと自然の素材、様々な要素が、一貫するシンボルに結ばれ、瑞々しい世界を広げる。ライト、87歳の傑作。

#244白のユートピア ジードルング・テルテン

#244白のユートピア ジードルング・テルテン

2016年11月30日放送
ドイツ、デッサウ 1926年 建築家:ヴォルター・グロピウス
1920年代、ドイツ、デッサウにつくられた、全316戸の集合住宅。主導したのは、時代をリードした造形学校、バウハウスの校長グロピウス。合理化を突き詰め、低コストでも豊かな住空間。設備すべてのトータルデザインは、時代を先取る画期的なもの。機能が、装飾に変わる新たな価値を生み出した。

#243空間のブレス マックルーン・ハウス

#243空間のブレス マックルーン・ハウス

2016年11月23日放送
オーストラリア メルボルン 1969年 建築家:ロビン・ボイド
オーストラリア、メルボルン。
自然との融合を目指してきた建築家、ロビン・ボイド設計の家。至る所に息づく自然の息吹。風の通り道を求めた開放的な構造を通じ、空間そのものが緑と呼吸を重ねる。
木の骨組みを渡し、天井に織り込んだのは、植物の繊維。自然の素材が、より深い呼吸を促す。

#242晩秋の花 メゾン・マックス・ハーレー

#242晩秋の花 メゾン・マックス・ハーレー

2016年11月16日放送
ベルギー、ブリュッセル 1906年 建築家:ヴィクトール・オルタ
アール・ヌーヴォーを建築様式に発展させた立役者、ヴィクトール・オルタが手がけた、20世紀初頭の邸宅。そこには、それまでのオルタ建築と異なる特徴がある。積極的に用いられた花の姿。かつて、花ではなく茎に注目し、植物が生長していく様を描いたオルタ。それは、増殖する一方のアール・ヌーヴォー建築に嫌気が差し、古典様式へと回帰したのだった。自ら幕を引いた時代の寵児。最後の花を、秘めやかに咲かせた。

#241呼応する空間 マルタ・パン & アンドレ・ヴォジャンスキー アトリ

#241呼応する空間 マルタ・パン & アンドレ・ヴォジャンスキー アトリ

2016年11月09日放送
フランス、パリ 1952年 建築家:アンドレ・ヴォジャンスキー
モダンな造形を貫く、鮮やかな色彩。20世紀、パリの芸術文化に、多大な影響を及ぼした夫妻のアトリエ。それは、ふたつの才能の結晶。自然の中に置かれた美しいアトリエは、作業を中断せず相談しあえるように、互いの仕事場は、壁に閉ざされていない。お互いを必要とした二人の姿が、開かれた建築に息づいている。

#240時の眺望 ベリュスガー

#240時の眺望 ベリュスガー

2016年11月02日放送
スペイン、バルセロナ 1909年 建築家:アントニ・ガウディ
20世紀初頭、ガウディが手がけた城のような邸宅。中世にバルセロナを支配した特権階級の住まいを、新たな建築として再生させた。そこには、栄光の歴史が息づく。建築の名、ベリュスガール。それは、美しい眺めを意味する。船が出入りする活気ある街を眺めた、かつての支配者たち。カタルーニャの黄金時代、その記憶を、ガウディは建築に甦らせた。

#239光の戯れ オテル・ソルヴェ

#239光の戯れ オテル・ソルヴェ

2016年10月26日放送
ベルギー、ブリュッセル 1900年 建築家:ヴィクトール・オルタ
アール・ヌーヴォー建築の祖、ヴィクトール・オルタの名声を高めた、20世紀初頭の邸宅。施主は、産業界の大物だったソルヴェ。彼との出逢いが、オルタに、より積極的な鉄の使用を促した。鉄を構造体にすることで、重厚な壁を打ち破った、ガラスの軽やかさ。その光が、新たな時代を照らした。

#238時の欠片 カサ・ガッロ

#238時の欠片 カサ・ガッロ

2016年10月19日放送
イタリア、ヴィチェンツァ 1960年 建築家:カルロ・スカルパ
イタリアの歴史都市、ヴィチェンツァ。損傷のあった15世紀の建物は、建築家カルロ・スカルパの手に掛かり、再生を果たした。ふたつの時代が奏で合う、時の調べ。彼は、ヴィチェンツァ街の職人たちを率い、伝統の技を、モダンな造形に忍ばせた。求めたのは、修復を超えた、現代性との調和。進化の中にこそ、歴史は生き続けている。

#237再生の光 インターバウ(オスカー・ニーマイヤー・ハウス)

#237再生の光 インターバウ(オスカー・ニーマイヤー・ハウス)

2016年10月12日放送
ドイツ、ベルリン 1957年 建築家:オスカー・ニーマイヤー
第二次大戦後、ベルリンの再建を担った、一大プロジェクト、インターバウ。それはデザインの異なる、集合住宅の群れ。グロピウス、アアルト、ヤコブセン。世界的な建築家たちが腕を揮った。この浮き上がる建築は、ニーマイヤーの設計。当時の水準を遥かに超えた機能的な設備が、快適な住空間を実現している。

#236森のこころ ジョージ・ナカシマ・ハウス・アンド・ヴィラ

#236森のこころ ジョージ・ナカシマ・ハウス・アンド・ヴィラ

2016年10月05日放送
アメリカ、ペンシルヴァニア州ニューホープ 1947年−1975年 建築家:ジョージ・ナカシマ
20世紀を代表する、木工デザイナー、ジョージ・ナカシマの家。広大な森の中に拠点を置き、ナカシマは自然と共存する暮らしを始めた。スタジオ、ゲストハウス、そして家族と暮らす家。木を集め、石を積み、ナカシマは、デザインから建設まで自ら行った。木々の声を聞き、その魂が訴えかける、美しき形を露わにした。

#235色彩の夢 メゾン・テオ・ファン・ドゥースブルフ

#235色彩の夢  メゾン・テオ・ファン・ドゥースブルフ

2016年09月28日放送
フランス ムードン 1930年 建築家:テオ・ファン・ドゥースブルフ
フランス、パリ郊外。それは、20世紀のデザインに多大な影響を与えた芸術家、テオ・ファン・ドゥースブルフのアトリエ兼住まい。その空間は、モダニズムの象徴。1930年代の建築にあって、今尚、斬新に思える。水平、シンメトリー、三原色の構成。理屈に満ちた建築論を一蹴し、芸術家は、感性に訴えかける造形を目指した。

#234キュビズムの家 ヴィラ・バウエル

#234キュビズムの家  ヴィラ・バウエル

2016年09月21日放送
チェコ、リボドジツェ 1914年 建築家:ヨセフ・ゴチャール
キュビズムが建築に及んだ、唯一の国チェコ。20世紀初頭、ピカソら画家達が先導した芸術運動、キュビズム。様々な角度から見たモノの形をひとつの画面に収め、実体を超えたボリュームを押し出している。手がけたのは、チェコの建築家、ヨセフ・ゴチャール。彼は、キュビズムを図形にパターン化することで、立体の構造を生み出した。

#233太陽の階段 カサ・トーロ

#233太陽の階段 カサ・トーロ

2016年09月14日放送
ポルトガル、ヴィラ・レアル 2005年 建築家:アルヴァロ・レイテ・シザ
ポルトガル北部の街、ヴィラ・レアル。その家にファサードと呼べる場所はない。山の斜面に階段をかけるように、家全体が、地中に埋(うず)まっているからだ。だが、建築家アルヴァロ・レイテ・シザは、山岳地帯の古い農村を、この家の参考にした。太陽を求める田園に見た階段状の棚。彼は、先人の英知を大地に彫りだした。

#232生命の輪郭 タッセル・ハウス

#232生命の輪郭 タッセル・ハウス

2016年09月07日放送
ベルギー、ブリュッセル 1893年 建築家:ヴィクトール・オルタ
鉄の世紀と呼ばれた、19世紀の終わり。建築家ヴィクトール・オルタは、この邸宅で、アール・ヌーヴォーの建築様式を完成させた。「茎を掴め」オルタの天才性は、花ではなく、植物の茎に注目したことだった。植物が生長していく様を描いた曲線の美。世紀末に立ち込めた、滅びの気配の中で、新たな芸術が芽吹いた。

#231白亜の彫刻 ハウス・イン・マーロ

#231白亜の彫刻 ハウス・イン・マーロ

2016年08月31日放送
イタリア マーロ 1969年 建築家:ジオ・ポンティ、ナンダ・ヴィゴ
ミュージアムと見紛う、大胆な造形。イタリア・モダンデザインの父、ジオ・ポンティは、人とアートの新たな関係を示した。空間を仕切る、ふたつのメタルパネルは、現代美術作家の作品空間を仕切る。鑑賞される芸術を、空間の機能として組み込んだ。

#230異彩の調和 ヴィラ・シュティアスニー 

#230異彩の調和 ヴィラ・シュティアスニー 

2016年08月24日放送
チェコ ブルノ 1929年 建築家:エルンスト・ヴィースナー
20世紀の初め、国家の工業化を支えた大実業家の邸宅。要人たちを迎えた重厚な造り。だが、構造そのものはシンプルに徹している。伝統の美と、革新性を共に求めた施主。モダンデザインと、工芸の美がせめぎ合う、独自の世界が生まれた。

#229追憶のギリシャ ヴィラ・ケリロス

#229追憶のギリシャ ヴィラ・ケリロス

2016年08月17日放送
フランス ボーリュー・シュルメール 1902年 建築家:エマニュエル・ポントゥレモリ 
フランス、モナコとニースの中間点、ボーリュー・シュルメール。古のギリシャ人が渡ってきた場所。考古学者の研究のもと、地中海に浮かぶ邸宅に古代の様式が再現された。大理石のサロン。エンタシスの列柱。空間を埋め尽くすモザイクに至るまで古代ギリシャ様式。建築が神話を謳うようだ。

#228海の波動 ハンネス・ハウス

#228海の波動 ハンネス・ハウス

2016年08月10日放送
オーストラリア シドニー 1984年 建築家:ハリー・サイドラー
海沿いに建てられた、建築家ハリー・サイドラー設計の家。海のように、波打つ曲線。屋根とバルコニーは、互い違いに配置され、快適な居場所をつくり出す。モダンデザインを貫きながら、柔らかに住まう者を包み込む。サイドラーは、ヨーロッパで生まれたモダニズムに風土の色を与えた。

#227自然のフレーム ダナ・トーマス・ハウス

#227自然のフレーム ダナ・トーマス・ハウス

2016年08月03日放送
アメリカ イリノイ 1902年 建築家:フランク・ロイド・ライト
アメリカ、スプリングフィールドに、ライトが手がけた個人邸。外観は、伸びやかな水平のラインが、大地との繋がりを強調している。内は、聖堂のような厳かな空間。実に450枚ものステンドグラスが用いられ、そのすべてが建築家のデザイン。照明と自然光の巧みな融合は、いい知れぬ安らぎを生み出している。

#226哲学の秩序 ヴィトゲンシュタイン・ハウス

#226哲学の秩序 ヴィトゲンシュタイン・ハウス

2016年07月27日放送
オーストリア、ウィーン1928年 建築家:ルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタイン
世紀の天才といわれた哲学者が、独学で完成させた生涯ただひとつの家。精密な機械のような秩序。美しい比率を生む、数学的根拠を理解していた天才は、施工にあたり、1ミリの誤差も許さなかった。厳密な規則性がつくり出す、音楽的なリズム。静かなる旋律が、ふるい立つ。

#225美のフレーム カサ・オリヴェイラ

#225美のフレーム カサ・オリヴェイラ

2016年07月20日放送
ポルトガル、ガイア 2003年 建築家:エドゥアルド・ソウト・デ・モウラ
ポルトガル、ドゥロの川沿いに立つ、白亜の彫刻。建築に枠取られ、切り取られた風景は、奔放なパノラマより美しい。梁(はり)や庇(ひさし)、デッキの突き出しを用いた自然なフレームワーク。巧みに眺めをデザインしている。まるで建築が描いた山水画のようだ。

#224時の再生 メゾン・マンタン

#224時の再生 メゾン・マンタン

2016年07月13日放送
フランス ムーラン 1895年 建築家:レネージュスタン・モロー
フランス・ムーランの古い城を改築した、19世紀の邸宅。持ち主の遺言により、誰も立ち入ることのないよう、百年に渡って封印されていた。時を止めたままの空間。緻密な装飾が細部にまで及び、そして、数多の美術品が、空間を彩る。百年の眠りから目覚めた建築。それは、甘美な時代を閉じ込めた、時の器。

#223浮遊する空間 ファンズワース邸

#223浮遊する空間 ファンズワース邸

2016年07月06日放送
アメリカ、イリノイ州プラノ 1951年 建築家:ミース・ファン・デル・ローエ
数多の神話を築いた建築家、ミース・ファン・デル・ローエのファンズワース・ハウス。1951年、アメリカ、シカゴ郊外に造られたウィークエンド・ハウス。ごく僅かに浮かされた床。浮遊するような感覚の中で自然を喫する透明な家。流れるような一繋がりの空間は、そのどこにいようとも自然の息吹に包まれる。

#222水のパレス テコラレ・ハウス

#222水のパレス テコラレ・ハウス

2016年06月29日放送
メキシコ  バジェ・デ・ブラボ 2010年 建築家:リカルド・レゴレッタ
メキシコの避暑地、バジェ・デ・ブラボに立つ、建築家リカルド・レゴレッタ、最晩年の傑作。彼は、この二千三百平方メートルにも及ぶ、広大な敷地の中にメキシコの伝統文化を再構築した。自然との統合・・・これを水に集約した建築家。古の時代、メキシコの乾燥した大地に潤いをもたらす水は、精霊の恵みとされていた。歴史が放つ神話作用までも建築に引き込んでいた。

#221風土の彫刻 カサ・ネヴォジルデ2

#221風土の彫刻 カサ・ネヴォジルデ2

2016年06月22日放送
ポルトガル、ネヴォジルデ 1988年 建築家:エドゥアルド・ソウト・デ・モウラ
ポルトガル、歴史都市ポルト郊外に建つ現代住居。建築家エドゥアルド・ソウト・デ・モウラは、この地の風土を、構造に入れた。コンクリートと自然素材、異なる時代の素材が美しい陰翳によって結ばれている。現代性と伝統を結ぶ美しい構造を、光のナイフで彫りだした。

#220美しい風 ハウス・フォー・パン

#220美しい風 ハウス・フォー・パン

2016年06月15日放送
オーストラリア、メリンブラ 2001年 建築家:クリントン・マレー
オーストラリア、メリンブラの海岸。妻の名を冠した、建築家クリントン・マレーの自邸。廃棄されていた木材を用い、建築家は時の薫りを加えた。歳月の彩りは空間にも続く。小さな展望塔は光を隅々まで行き渡らせると同時に、空気の循環を生む換気塔の役割を果たす。光の帯は、風の旅路。光と風はひとつだと知っていた。

#219レインボウ・ハウス ガルシア・ハウス

#219レインボウ・ハウス ガルシア・ハウス

2016年06月08日放送
アメリカ ロサンゼルス 1962年 建築家:ジョン・ロートナー
山の中腹に浮かぶ、空中の家。大胆を極めた構造。アーチ型の橋の上に空間をつくることで、壁を重力から解放している。それは、両側一面のガラスを実現させた。手がけたのは、自然と建築がひとつになる道を探し続けた建築家ジョン・ロートナー。七色の道が、彼のイメージを捉えた。

#218スロウな色彩 アパルトマン L.C 

#218スロウな色彩 アパルトマン L.C 

2016年06月01日放送
フランス パリ 1934年 建築家:ル・コルビュジェ
パリ、ナンジュセール・エ・コリ通りに立つ、コルビュジエ設計の集合住宅。1934年、当時の人々を驚かせた、ガラス一面のファサード。その最上階が、彼の住居だった。住居は、毎日の友人と考えたコルビュジェ。日常に求めた、静かな世界の手跡が、ここにある。

#217クラフトの殿堂 ヴィラ・マルテル

#217クラフトの殿堂 ヴィラ・マルテル

2016年05月25日放送
フランス パリ 1927年 建築家:ロベール・マレ=ステヴァン
パリ16区に建てられたロベール・マレ=ステヴァン設計の家。装飾を廃することを特徴とするモダニズムにあって、この家は何かが違う。ルイ・バリエによるステンドグラス。ジャン・プルーヴェが手がけた鉄格子と丸窓。伝統的な工芸デザイナーの競演、それがモダニズムに温もりを与えている。

#216庭園の家 カサ・ナ・マイア2

#216庭園の家 カサ・ナ・マイア2

2016年05月18日放送
ポルトガル マイア 2008年 建築家:エドゥアルド・ソウト・デ・モウラ
ポルトガル北西部マイアに立つ、現代住居。外に向けて殆ど窓を持たず、ミステリアスな佇まいを見せる。だが、空間は柔らかな光に満ちる。壁は街の喧噪を遮断するために置かれ、内側には庭園が広がる。この庭園とリビングもひとつのものとして作られ、内と外の空間を単一に扱っている。

#215大地の家 ハリー&ペネロペハウス

#215大地の家 ハリー&ペネロペハウス

2016年05月11日放送
オーストラリア シドニー 1967年 建築家:ハリー・サイドラー
オーストラリア、シドニーの自然保護区に、建築家ハリー・サイドラーが手がけた家。高低差のある岩だらけの斜面、苔むした岩場の渓流。建築困難な荒々しい土地を彼は有利な条件だと考えた。それが、この家に類い希な個性を与えた。厳かに根を下ろし、建築が大地と解け合う。

#214静寂の色彩 カサ・プリエト・ロペス

#214静寂の色彩 カサ・プリエト・ロペス

2016年05月04日放送
メキシコ ハルディネス・デル・ペトレガル 1950年 建築家:ルイス・バラガン
溶岩が覆う不毛な土地を建築家バラガンが買取り、住宅地として再生。そのシンボルとして手がけた家。神秘的な光が照らす、エントランスは天井高7メートルに達し、玄関口から一繋がりに広大な空間が広がる。故郷にあった大農園の家というイメージを、モダンな空間に飛躍させた。

#213光の殿堂 メゾン・アホ

#213光の殿堂 メゾン・アホ

2016年04月27日放送
フィンランド ロバニエミ 1965年 建築家:アルヴァ・アアルト
1965年、フィンランド・ロバニエミに造られた、アルヴァ・アアルトの晩年作。美術品の収集家だった友人のために手がけた家。自然光によって美術品を美しく照らすために、様々な工夫を凝らしている。ダイレクトに照らすのではなく、高窓の光を反射させて伝えるという、巧みな設計。柔らかな光を求めていた。

#212空白の呼吸 ミルン・ハウス

#212空白の呼吸 ミルン・ハウス

2016年04月20日放送
オーストラリア メルボルン 1969年 建築家:ロビン・ボイド
オーストラリアの風土に即した建築を目指し、自然との融合を試みてきた建築家ロビン・ボイド。漆喰仕上げのレンガ、コルクの天板は、呼吸する素材を用いている。高い位置に穿たれた無数の窓は、風と光が仕切りのない空間を旅する。美しい中庭で、建築の中心を空白にし、より深い呼吸を手に入れた。

#211アール・ヌーヴォーの原点 ヴィラ・オトゥリック

#211アール・ヌーヴォーの原点 ヴィラ・オトゥリック

2016年04月13日放送
ベルギー ブリュッセル 1893年 建築家:ヴィクトール・オルタ
19世紀末、ベルギーの首都ブリュッセルに造られた個人邸。手がけた人物、彼こそがアール・ヌーヴォー建築の始祖、ヴィクトール・オルタ。彼の美意識を通じて建築に持ち込まれたアール・ヌーヴォーは、ひとつの建築様式にと発展した。大きな時代のうねりをつくりだしたアール・ヌーヴォーの原点となる建築。

#210瞑想の色彩 カサ・ヒラルディ

#210瞑想の色彩 カサ・ヒラルディ

2016年04月06日放送
メキシコ メキシコシティー 1977年 建築家:ルイス・バラガン
祝祭の都を彩った、原色の家。その卓越した色彩感覚が幻想の世界に誘う。光と色彩を生涯の命題にした建築家ルイス・バラガン。既に引退を表明していたバラガンが、十年の沈黙を破った晩年の作品。それは、色彩を超越し、時の質感を形作っていた。

#209森のフレーム ヴィラ・レームス

#209森のフレーム  ヴィラ・レームス

2016年03月30日放送
フィンランド オウル 1956年 建築家:アルヴァ・アアルト
円熟期にあったアルヴァ・アアルトの作品。赤い煉瓦に覆われた壁、雪を払うための屋根の傾斜。風土に適応しようとする中で、自然と美しいカタチが生まれている。森に向かって大きく開かれた窓。エントランスホールからリビングまでがひとつに繋がり、さらには仕切りもルーバー化され、光を遮るものがない。森の息吹が空間を充たしている。

#208正統なる前衛 ヴィラ・カヴロワ

#208正統なる前衛 ヴィラ・カヴロワ

2016年03月23日放送
フランス ルーベ 1932年 建築家:ロベール・マレ=ステヴァン
1932年、フランス、ルーベに造られた、富豪の邸宅。手がけたのは、映画のセットの制作で名を知られたロベール・マレ=ステヴァン。当時前衛を極めた映画界で磨かれたアヴァンギャルドな造形感覚。観念的な要望を、華麗なる舞台に変貌させた。

#207空間の肖像 サーリネン・ハウス

#207空間の肖像 サーリネン・ハウス

2016年03月16日放送
アメリカ ミシガン州 1930年 建築家:エリエル・サーリネン
建築とデザインの思想をひとつに捉えた建築家であり、家具デザイナーであったエリエル・サーリネンの自邸。テキスタイルデザイナーだった妻、のちにミッドセンチュリーデザインの巨匠となる息子エーロ・サーリネン、類い希な才能を持つ一家の競演によって全ては彩られている。

#206花の胎内 ヴィラ・マジョレーヌ

#206花の胎内 ヴィラ・マジョレーヌ

2016年03月09日放送
フランス ナンシー 1901年 建築家:アンリ・ソヴァージュ
職人の聖地、フランス・ナンシーで、アール・ヌーヴォーの時代を牽引した巨匠、ルイ・マジョレルの自邸。輝きうねる、その緻密な装飾を自ら手がけた。その空間は、アール・ヌーヴォーの殿堂。19世紀末、工業化によって失われた、日用の芸術を取り戻そうとする芸術運動の中で、マジョレルは職人たちを束ね、手工芸の美を復権させた。

#205白の都市 ヴァイセンホーフ・ハウス

#205白の都市 ヴァイセンホーフ・ハウス

2016年03月02日放送
ドイツ シュトゥットガルト 1927年 建築家:ル・コルビュジェ
1927年、未来の生活を模索したドイツの住宅展。その中で、ひときわ目を引く実験住宅があった。ル・コルビュジェの建築、ヴァイセンホーフ・ハウス。既に来る都市生活を予見していたコルビュジェ。彼はひとつの建築を理想都市の縮図として造っていた。

#204美しい歪み クロウリー・ハウス

#204美しい歪み クロウリー・ハウス

2016年02月24日放送
アメリカ、コネチカット州 1978年 建築家:チャールズ・グワスミー
1978年、アメリカ・ニューヨーク郊外に造られた、チャールズ・グワスミー設計の個人邸。空間に息づく美しい曲線。それは、箱のような外観から想像することは難しいであろう。箱の中の曲線は、デッドスペースを生む。だが、その余白が、光の道となっている。

#203神話の装飾 アルベルタ7

#203神話の装飾 アルベルタ7

2016年02月17日放送
ラトビア リガ 1908年 建築家:オットー・ヒルビグ
20世紀初頭、ラトビアの首都に次々と現れた、装飾建築のひとつ。ヨーロッパを席巻し、ラトビアにまで波及したアール・ヌーヴォー。装飾の多くを、土地の木工職人が手がけ、技を競ったことで、ラトビア独自の個性が生まれた。

#202大地の抱擁 ハーペル・ハウス

#202大地の抱擁 ハーペル・ハウス

2016年02月10日放送
アメリカ、カルフォルニア州 1956年 建築家:ジョン・ロートナー
どこからが建築で、どこからが自然の領域か。聳える柱から、外へ伸びる梁は、木の合間を縫って大地と結合する。梁の中心はスカイライト。たんに自然とつながるのではない。すべての造形が、自然の延長上に置かれることによって、大地に包まれるという感覚が濃厚になる。

#201鉄のカテドラル ラ・ファブリカ

#201鉄のカテドラル ラ・ファブリカ

2016年02月03日放送
スペイン、バルセロナ 1975年 建築家:リカルド・ボフィル
建築家リカルド・ボフィルは、役割を終えた巨大な工場を買い取り、自らの住まいとして再生させた。あまりにも広大な空間。プラントのど真ん中をアトリエにするために、ダイナマイトで設備を吹き飛ばした工事。そこに意図もしなかった美が現れたのだった。

#200リビングライフ ローンロード・フラッツ

#200リビングライフ ローンロード・フラッツ

2016年01月27日放送
イギリス、ロンドン 1934年 建築家:ウェルズ・コーツ
今から、80年以上も前につくられた、英国初のモダンデザインの集合住宅。増え続ける都市の人口に対する答えだった。当時の移住者に、バウハウス創始者グロピウス、作家アガサ・クリスティ。未来を先取りする実験精神に、時代をリードする文化人たちが反応した。暮らしの在り方という精神に豊かさを求めた時、その空間は未来を見た。

#199妙なる光 コーマン・ハウス

#199妙なる光 コーマン・ハウス

2016年01月20日放送
アメリカ、ペンシルヴァニア州 1973年 建築家:ルイス・I ・カーン
アメリカ、フィラデルフィア郊外に立つ、建築家ルイス・カーン設計の家。朝陽の訪れを感じて目覚めるように、移動する間も、光の喜びに包まれる。その眩しさに導かれ、リビングへ。そして、柔らかな光が照らす、ダイニング。家族が集うように、光の道を紡いでいた。カーンは云った。「光が空間を作る。人はそこに居場所を見つける。部屋は人と人を結ぶ役割を果たすのだ」

#198森の時間 カントラ・レジデンス

#198森の時間 カントラ・レジデンス

2016年01月13日放送
フィンランド コトカ 1937年 建築家:アルヴァ・アアルト
フィンランド南東の森につくられた、アルヴァ・アアルト設計の個人邸。建築は、自然と対立するものではないと言ったアアルト。ガラスの扉を通じ、樹木のように並ぶ柱、無垢材を曲げてつくられた家具など、森と調和する空間がある。自然の荒々しさを残した石塀。時を重ね、ますます森と溶け馴染む煉瓦の風合い。森に受け入れられた建築が、森と共に歳月を重ねた。

#197ガラスの神殿 ガラスの家

#197ガラスの神殿 ガラスの家

2016年01月06日放送
アメリカ、コネチカット 1949年 建築家:フィリップ・ジョンソン
建築家フィリップ・ジョンソンは、アメリカ、ニューヨーク郊外に19万平方メートルもの土地を購入。そして、ガラスの家をつくった。透明な壁に訪れる、光の祝祭。神の気を引く神殿のように、完璧なプロポーションを持つ構造の美。躊躇いなく開かれた空間を、自然の息吹が満たす。

#196彫刻の建築 シュナーベル・ハウス

#196彫刻の建築 シュナーベル・ハウス

2015年12月30日放送
アメリカ、カリフォルニア州ブレントウッド 1885年 建築家:フランク・ゲーリー
建築家フランク・ゲーリー。建築の概念を覆した彫刻の群像。一目見て、その造形感覚に驚かされる。複数の建物に、空間が分断されているからだ。だが、内において、その奇抜さを意識することはない。空間の分断は、ひとつの部屋に、ひとつの機能という、明確な意思表示を見せる。

#195栄光の記憶 クラッグ・サイド・ハウス

#195栄光の記憶  クラッグ・サイド・ハウス

2015年12月23日放送
19世紀、英国、ノーサンバーランドの大渓谷に築かれた、クラッグ・サイド・ハウス。小川の流れにさえも手が加えられ、目に映るすべてが一枚の風景画としてデザインされた。ピクチャレスクと呼ばれた、絵画の家。これを一代で築いた発明家は、個人邸宅として初めて白熱電球を用いた。その光を、自ら考案した水力発電によって点した。

#194白亜のフレーム スミス・ハウス

#194白亜のフレーム   スミス・ハウス

2015年12月16日放送
アメリカ、コネチカット州ダリエン 1967年 建築家:リチャード・マイヤー
ロングアイランドの入り江を見渡す丘、荒々しい岩場の上に立ち、この上ない眺望を手に入れたスミス・ハウス。風土の息吹で空間を充たす。そのために、構造は白一色で統一された。緑、空、そして海、自然の色彩は、白との対比によって輝きを増し、建築が景観を際立たせている。白の巨匠と呼ばれた、建築家リチャード・マイヤーの作品。

#193光の追憶 ヴィラ・アンパン

#193光の追憶 ヴィラ・アンパン

2015年12月09日放送
ベルギー、ブリュッセル 1934年 建築家:ミッシェル・ポラック
地球上で最も裕福といわれた大実業家の後継者、ルイ・アンパンの個人邸宅。イタリアから運んだ花崗岩の柱、磨き上げられた大理石の床、これらが一体となり、訪れる者を圧倒する。最上を知る美意識が生んだ、殿堂。だが、その美しさがゆえに、数奇なる運命を辿った・・・。

#192色彩の都市 馬蹄型集合住宅

#192色彩の都市   馬蹄型集合住宅

2015年12月02日放送
ドイツ、ベルリン 1925年 建築家:ブルーノ・タウト
1925年、ベルリンの郊外に着工された、ドイツ初の大規模集合住宅、『フーフアイゼン・ジードルング』。建築家、ブルーノ・タウトは、屋外をもうひとつの居住空間と考え、庭園を中心とする設計をした。「住居とは、人間ひとりひとりを映しだす鏡」そう云ったタウトの思想は、その型破りな色彩感覚にも表れている。集合住宅が灰色をまとっていた時代、タウトは、心浮き立つ鮮やかな色で各住戸に個性を与えた。

#191大いなる原点 ラフェトラ・ビーチハウス

#191大いなる原点 ラフェトラ・ビーチハウス

2015年11月28日放送
※特別編成の為次回は11/28(土)よる7:24より放送致します。

アメリカ、カリフォルニア州マリブ 2002年 建築家:ピエール・コーニッグ
鉄の詩人、ピエール・コーニッグの最後の作品。崖の上という劇的な立地を、建築家は最後の挑戦とした。少年時代、彼は毎日のように港に通い詰め、鉄の構造物に夢中になった。船の煙突のような暖炉、クレーンを思わせるボルト・オンの梁。建築家の感性は、晩年にして少年の憧れを秘めていた。

#190陽の当たる場所 ムーラッツァロ・エクスペリメンタル・ハウス

#190陽の当たる場所 ムーラッツァロ・エクスペリメンタル・ハウス

2015年11月18日放送
フィンランド、ムーラッツァロ 1954年 建築家:アルヴァ・アアルト
フィンランドの島、水の畔に残された、手づかずの森に実験住宅として、建築家アアルトが建てた夏の家。パッチワークのような壁面に見る、試みの跡。異なる無数の煉瓦が組み合わせている。なぜ、その家は実験でなければならなかったのか・・・。そこには、病死にて妻を失ったアアルトの心情が込められていた。

#189幻惑する光 スティーブンス・ハウス

#189幻惑する光 スティーブンス・ハウス

2015年11月11日放送
アメリカ、カリフォルニア州マリブ 1968年 建築家:ジョン・ロートナー
海に向かって開かれた空間。入り江のようなプールが差し込む、眩しいリビング。そこから光は変容と遂げる。手がけたのは建築家ジョン・ロートナー。彼は、大胆にもコンクリートのヴェールで家を包み、それを切り抜くことで、光をデザインした。すべてを露わにしないことで、眺望をより劇的にした。

#188祝祭の光 カサ・バトリョ

#188祝祭の光 カサ・バトリョ

2015年11月04日放送
スペイン、バルセロナ 1906年 建築家:アントニ・ガウディ
20世紀初頭、スペイン、バルセロナの都市景観を一変させた、アントニ・ガウディの集合住宅。ガウディーは、生命の根源、海から着想を得ていた。神の法則である自然界の造形を、建築に作りかえる大胆な試み。彼の目指した究極の装飾は、一筋の光から始まる天地創造そのものだった。

#187時の芸術 メンティレ

#187時の芸術 メンティレ

2015年10月28日放送
フィンランド、コウヴォラ 1937年 建築家:アルヴァ・アアルト
フィンランド・コウヴォラに造られた北欧企業の社宅。赤い煉瓦とコントラストを成す漆黒の木。手がけた建築家、アルヴァ・アアルトは自然素材を重んじていた。手に触れるすべてに温かみを求め、アアルトは、家具も自然素材で造り出した。この家は、いまも手を加えず、社宅として使われている。70年もの時を数えながら・・・。

#186風の住処 オックスレード・ドライブ・ハウス

#186風の住処 オックスレード・ドライブ・ハウス

2015年10月21日放送
オーストラリア、クイーンズランド州ブリスベン 1963年 建築家:ジェームス・ラッセル
東洋の建築にインスパイヤされた風の家。空間と続く中庭。それは、内でも外でもない中間の領域として造られている。風を通す、薄い繊維の膜。この皮膚の壁によって、建築は呼吸し、同時に光の旅路となって、美しい陰影を与える。亜熱帯の気候に適応するための構造。人間を自然の一部と見なす、東洋思想の原点をそこに見ることができる。

#185旅情の空間 ローリンズ・ハウス

#185旅情の空間 ローリンズ・ハウス

2015年10月14日放送
アメリカ、カリフォルニア州ニューポートビーチ 1980年 建築家:ジョン・ロートナー
アメリカ、西海岸のニューポートビーチ。ジョン・ロートナーはそこに箱船のような空間を浮かべた。夢や憧れ、クライアントの情緒的な要求がデザインの鍵となると語ったロートナー。船底を思わせる梁、デッキのような空間。旅へと誘う海のフレーム。施主の老夫婦が余生に求めた旅の憧れを独創的な造形で表現した作品。

#184神の彫刻 カサ・ミラ

#184神の彫刻 カサ・ミラ

2015年10月07日放送
スペイン、バルセロナ 1910年 建築家:アントニ・ガウディ
1910年、スペイン、バルセロナに造られた巨大な集合住宅、カサ・ミラ。ガウディは、建築を街の貌(かお)を成す壮大な彫刻と捉えていた。ファザードは、地中海の波。バルコニーでは鉄の植物が絡み合う。吹き抜けは大地の孔。ガウディは自然界の造形に学んだ。自然の構造、そこに天才は神を見出していた。

#183最後の海景 ル・カバノン

#183最後の海景 ル・カバノン

2015年09月30日放送
フランス、ロクブリュヌ=カップ=マルタン 1952年 建築家:ル・コルビュジェ
ル・コルビュジェ。すべてを手にした男の選んだ晩年の地、ル・カバノン。南仏、ロクブリュヌに立つ簡素極まる小屋。訪れた者は、そのつましさに驚かされるだろう。華やかなものは何もない。素材は、打ち捨てられた廃材の丸太。8畳ほどの部屋にはキッチンすらなく、巨匠が手がけてきた家具はひとつもない。ただ、ここには海があった。心から愛した地中海、そして若き日に嫉妬から深く傷つけてしまった友の住処も。

#182夏の追憶 E1027

#182夏の追憶 E1027

2015年09月23日放送
フランス、ロクブリュヌ=カップ=マルタン 1929年 建築家:アイリーン・グレイ
あのコルビュジェが嫉妬を覚えた才能。アイリーン・グレイの海辺の家、E1027。ただ、恋人と過ごす為、理想的な夏を追い求めたサマーハウス。その空間は、モダンと言うより、モードと言う方が馴染む。すべての家具は、彼女自身のデザイン。今では、20世紀の傑作。だが、この家で建築家としてのデビューを飾るも、宣伝を拒み、その存在は長く忘れられていた。まるで、これ以上の名声は要らないとでも言う様に。

#181大地の彫刻 カサ・ド・ボア・ノヴァ

#181大地の彫刻 カサ・ド・ボア・ノヴァ

2015年09月16日放送
ポルトガル、レサ・ダ・パルメイラ 1963年 建築家:アルヴァロ・シザ
建築家アルヴァロ・シザ、29歳のデビュー作、カサ・ド・ボア・ノヴァ。巨匠のキャリアは、ポルトガル・パルメイラの海岸に立つレストランのラウンジから始まった。無謀といわれた、荒波の岩場。基盤は岩場のため、壁をどこに配置するかが、デザインプロセスの決定的な瞬間になった。構造美を見せる、堅牢な梁。岩のひとつひとつをデザインするようなものだったと振り返ったシザ。彫刻のような造形が、そこに生まれた。

#180クラフトマンの手跡 ストネウェル

#180クラフトマンの手跡 ストネウェル

2015年09月09日放送
イギリス、レスターシャー 1899年 建築家:アーネスト・ギムソン
19世紀の終わり、イギリス、レスターシャーに建てられたストネウェル・コテージ。英国最高の職人と言われた、アーネスト・ギムソンの建築。家具、調度品、細やかな装飾に至るまで、機械が用いられる事はなかった。ギムソンは、石を切り出し、家の施工までもその手で行った。手に触れる全てに魂を宿した空間を造り出した。

#179永続する未来 クン・レジデンス

#179永続する未来 クン・レジデンス

2015年09月02日放送
アメリカ、ロサンゼルス 1936年 建築家:リチャード・ノイトラ
1936年、アメリカ・ロサンゼルスに突如として現れた建築の未来。クン・レジデンス。リチャード・ノイトラの建築。太陽を求め、より開かれた窓。デッキは、自然素材によって空間と繋がっている。住まう者は自然の息吹を感じた。彼の建築は、80年という歳月が経っても新しさを失っていない。機能性を求める以上に、現代の住居が願ってやまない自然との調和を図っていた。

#178太陽の筆跡 ビッグヒル・ハウス 

#178太陽の筆跡 ビッグヒル・ハウス 

2015年08月26日放送
オーストラリア、ビクトリア州 2012年 建築家:ケースティン・トンプソン
オーストラリア、グレートオーシャンロードに程近い、この上なき立地に建てられたビッグヒル・ハウス。建物の角は鋭く尖り、窓の配置も謎めいている。影の美しさを求めた、光のデザイン。手がけた建築家は、太陽の動きも計算にいれた。朝陽の注ぐ場所で目覚め、昼は彫りの深い影が熱を冷やすように。移ろう陽射しが、陰翳に浮かび上がる。

#177白い呼吸 カサ・エン・アセイタオ

#177白い呼吸 カサ・エン・アセイタオ

2015年08月19日放送
ポルトガル、セトゥバル アセイタオ 2003年 建築家:マヌエル・アイレス・マテウス
ポルトガル・リスボン郊外に重力から解き放たれたように浮かぶ、無数の白い箱。ワインセラーを改装した住居。日光を嫌うワインのために、開口部が限られていた。寝室や書斎といった部屋を白い箱として独立させることで隙間を作り、光と風を行き渡らせる道を与えた。

#176スロウ・ガーデン コルトン・フィシュエイカ

#176スロウ・ガーデン コルトン・フィシュエイカ

2015年08月12日放送
イギリス、デボン 1926年 建築家:オスワルド・マイルン
イギリスの南西デボンに広大な庭園を持つ、古典的なカントリーハウス。自然の薫りに包まれ、時は立ったまま眠っている。建築から始まる水路は、建築そのものが庭園と一体化していることを示している。青々とした草花に彩られた家は、瑞々しさによって色褪せることがない。どんなに時を刻んだとしても。

#175草原の家 マーティン・ハウス・コンプレックス

#175草原の家 マーティン・ハウス・コンプレックス

2015年08月05日放送
アメリカ、バッファロー 1905年 建築家:フランク・ロイド・ライト
「私は信ずる。家は芸術作品になることによって、単なる住まいを越える。」この信念を表した、フランク・ロイド・ライトの初期の傑作、マーティンハウス。プレイリースタイル、草原様式と自ら呼んだ考えのもと、空間は平面を強調する。光と戯れる、連続した空間の構成。平面の広がりが、大地のような安らぎを創り出した。

#174浮上する空間 シークリフハウス

#174浮上する空間 シークリフハウス

2015年07月29日放送
オーストラリア ニューサウスウェールズ州 2012年 建築家:クリス・エリオット
オーストラリア、シドニーの海辺に、浮上する様に建てられた、シークリフハウス。限られた敷地を活かす為に間口の狭い空間を積み重ねている。だが、制約を感じさせない。開かれた眺望が無数の広がりを生んでいる。環境に適応を図るとき、自ずと建築は風土の姿をなぞる。

#173自然の家 グレイクリフ

#173自然の家 グレイクリフ

2015年07月22日放送
アメリカ ダービー 1931年 建築家:フランク・ロイド・ライト
アメリカ、ニューヨーク州ダービーに建つ、フランク・ロイド・ライト設計の夏の家。荒々しさを残した天然の素材で持ち込まれた建築は、大地の繋がりを感じさせる。地平線に沿い、平面の可能性を広げた草原様式。美しい眺望、有機的な構造。住まう者までも自然の一部と感じさせる。

#172大いなる歓喜 カサ・エン・ロベルト・イヴェンス

#172大いなる歓喜 カサ・エン・ロベルト・イヴェンス

2015年07月15日放送
ポルトガル マトジニョシュ 1961年 建築家:アルヴァロ・シザ
後の巨匠、建築家アルヴァロ・シザが資格を得たばかりの頃、改装を手がけたポルトガル北部の街に立つ、小さな家。思いがけないクライアントからの依頼だった。わずか84平方メートルの建築面積、古い構造など様々な制約がある中で、シザはささやかな色彩と随所のスリットにより空間に道筋を与えた。クライアントはシザの父親だった。家族を想うことで流動的な空間が生まれる、シザの建築家の原点となった作品。

#171透明な理想 ブロード・リース 

#171透明な理想 ブロード・リース 

2015年07月08日放送
イギリス、ウィンダーミア 1898年 建築家:チャールズ・ヴォイジー
イギリス、ウィンダーミアの湖畔に築かれた個人邸、ブロード・リーズ。伝統様式を基本としながら、ディテールにモダンな兆しを見る。3カ所に渡るグラスエリアから湖畔が見渡せる。重厚な石壁は、光の軽やかさを知った。単に新しさの追求によるものではない、モダンデザインのひとつの礎となった、建築家チャールズ・ヴォイジーの名作。

#170 風の旅路 ビズリーハウス

#170 風の旅路 ビズリーハウス

2015年07月01日放送
オーストラリア ブリスベン 2012年 建築家:ジェームス・ラッセル
オーストラリア、ブリスベンに立つ現代住居ビズリーハウス。熱帯に根付いたこの建築は、動きをみせる。スクリーンドアが舞い上がり、風の通り道を作る。その風は屋根裏のトンネルへと抜けていく。固く閉ざされた場所は、どこにも存在しない。この家は、風と共に生きていくことを選んだ。

#169 光の彫刻 カサ・エン・アルコバサ

#169 光の彫刻 カサ・エン・アルコバサ

2015年05月13日放送
ポルトガル アルコバサ 2013年 建築家:マヌエル・アイレス・マテウス
ポルトガル、リスボン郊外に立つ白一色の現代住居、カサ・アルコバサ。外側からは、内なる世界を想像する事も出来ない。しかしその壁の内側で、光の持つ、もうひとつの顔があらわになる。彫りの深い陰影が、底知れぬ奥行きを与える。建築家マヌエル・アイレス・マテウスは、コントラストによって空間を描き分けた。

#168 永遠の序曲 ウィンディヒル

#168 永遠の序曲 ウィンディヒル

2015年05月06日放送
イギリス スコットランド 1901年 建築家:チャールズ・レニー・マッキントッシュ
スコットランドの田園都市に建てられた、ウィンディヒル。外壁は灰色の砂岩をまとう。しかし中に踏み込めば、あらわになる色彩と漆黒のつやめき。総合芸術家マッキントッシュはアール・ヌーヴォーにジャポニズムを持ち込み、異なる美意識の出逢いが、その美を非凡なものにした。

#167 日常の芸術 レッドハウス

#167 日常の芸術 レッドハウス

2015年04月29日放送
イギリス ケント 1860年 建築家:フィリップ・ウェッブ
イギリス、ベクスリーヒース、19世紀半ばに造られたレッドハウス。アール・ヌーヴォーへと繋がる、巨大な芸術運動は、ここから始まった。画家による彩色、陶芸家によるパネル、住居主モリス自身が世に送り出した壁紙。産業革命で機械による大量生産で職人たちの居場所がなくなっていった時代、職人と芸術家が共に立ち上がった。

#166 地表の空間 フレーム/ハーパー・ハウス

#166 地表の空間 フレーム/ハーパー・ハウス

2015年04月22日放送
アメリカ テキサス州 1960年 建築家:ヒューゴ・ニューハウスandハーウッド・テイラー
アメリカ、ヒューストンの丘に立つ、フレーム/ハーパー・ハウス。それは起伏に富んだ大地に造られた。ガラスと鉄の構造は実験住宅、ケーススタディハウスと引き合いに出される。だが決定的な違いはその地形からインスピレーションされた、高低差を持ち込んだ空間だった。

#165 生命の樹 カサ・ド・ペゴ 

#165 生命の樹 カサ・ド・ペゴ 

2015年04月15日放送
ポルトガル シントラ 2008年 建築家:アルヴァロ・シザ
ポルトガル、シントラに建つ現代住居、カサ・ド・ペゴ。謎めいて並ぶ木の立体。それは内でつながっていた。廊下が枝のように伸び、そして別れ、幾つもの空間に続く。ツリー状に連結された部屋。一つ一つは独立しているのにひと繋がりの空間。建築家アルヴァロ・シザが、80歳を目前に手がけた作品。

#164 太陽の追憶 ウォウッド・ハウス

#164 太陽の追憶 ウォウッド・ハウス

2015年04月08日放送
イギリス ホルト 1905年 建築家:エドワード・シュレーダー・プライア
英国の田園都市に立つ、20世紀初頭の邸宅ウォウッド・ハウス。職人たちが腕を競い合い素朴な素材ながら、ファサードに見る工芸を極めた。多くの職人を抱え、予算は当初の5倍にまで膨れあがりながらも、施主は惜しみなく資金を投じた。最高のクラフトマンシップを求めて。

#163 忘却の銀河 サクストン・ハウス

#163 忘却の銀河 サクストン・ハウス

2015年04月01日放送
アメリカ テキサス州 1954年 建築家:フランク・ロイド・ライト
アメリカ、ヒューストン近郊に建てられた巨匠フランク・ロイド・ライトの晩年作サクストン・ハウス。オーナーを転々とする中で、当初の姿は失われていたが復元されたその姿には、直角に交わる線がない、ダイヤモンドカットのデザインが現れた。かつてような装飾はない。ライトは言った。「単純であることは、勇敢なことだ。」

#162 モダニズムの世紀 バウハウス(デッサウ)

#162 モダニズムの世紀 バウハウス(デッサウ)

2015年03月25日放送
ドイツ ライプツィヒ 1926年 建築家:ヴァルター・グロピウス
1926年、ドイツで産声をあげた世界初のデザインアカデミー、バウハウス。初代校長である建築家グロピウスは「すべての造形活動の最終目標は建築である」と宣言した。時代をリードする芸術家たちが教壇に立ち、生徒と一体となって斬新なフォルムを生み出していった。だが当時台頭したナチスにより、たった14年あまりの活動期間を終える。

#161 プライヴェート・スカイ カサ・エン・レイリア

#161 プライヴェート・スカイ カサ・エン・レイリア

2015年03月18日放送
ポルトガル レイリア 2010年 建築家:マヌエル・アイレス・マテウス
ポルトガル、リスボン郊外にカサ・エン・レイリアは建つ。白い積み木のような家に、一見窓らしきものは見当たらない。だが内部には豊かな光が満ちていた。すべては中心部の中庭が、スカイライトとして光を運んでいる。見上げれば、雲は流れ、そして同じ景色は一度もない。プライヴェート・スカイ、いま、この時だけの色。

#160 時の器 リベカス3

#160 時の器 リベカス3

2015年03月11日放送
ラトビア リガ 1908年 建築家:アウグスト・ヴィッテ
ラトビアの首都リガ郊外に建つリベカス3。ヨーロッパの山荘をもとにした、大らかな佇まい。自然と親しみ、陽だまりを愉しむようにと造られた。流行のアール・ヌーヴォーにとらわれず、建築家が住居に求めたのは、素朴な彩りの中に流れる幸福な時間だった。

#159 空間の調べ カサ・ノ・バンザオⅡ 

#159 空間の調べ カサ・ノ・バンザオⅡ 

2015年03月04日放送
ポルトガル シントラ 2007年 建築家:フレデリコ・ヴァルサシナ
ポルトガル、シントラの松林に立つ現代建築、カサ・ノ・バンザオⅡ。もともとその土地にあった古いヴィラの素材を用いたという。漆喰の白い壁は真新しく、ざらつく木の扉は年月の深みを感じさせる。静かな土地で建築家は言う。「喧噪の街を離れ、残りの時間を過ごす。この建築は、そうした強い願いの現れ」

#158 伴奏のライン カサ・エン・コラレス/カサ・エン・コラレスⅡ

#158 伴奏のライン カサ・エン・コラレス/カサ・エン・コラレスⅡ

2015年02月25日放送
ポルトガル シントラ 2004年 建築家:フレデリコ・ヴァルサシナ

ポルトガル シントラ 2004年/2013年 建築家:フレデリコ・ヴァルサシナ
ポルトガル、シントラに建てられた夏の家、カサ・エン・コラレスとカサ・エン・コラレスⅡ。漆喰を用いた白い箱が、水平に連なる。林立する松の木が見せる垂直のラインと、建物が強調する水平のライン。建物が景観を侵略しないように、建築家フレデリコ・ヴァルサシナは、構造による調和を図った。それは、景観と融合する試みだった。

#157 高らかな理想 ワイツマン・ハウス

#157 高らかな理想 ワイツマン・ハウス

2015年02月18日放送
イスラエル レホボト 1937年 建築家:エーリヒ・メンデルゾーン

イスラエル、レホボトに建つワイツマン・ハウス。イスラエル建国の父、ワイツマンが住まいとした、かつての大統領官邸。外交の舞台にもなる邸宅に、建築家は、イスラエル独自の様式を生み出すことにこだわった。船のような小窓は暑い気候の中でも呼吸を生む。中心にはサロンと図書室を結ぶ、階段のタワーがそびえる。それはワイツマンの理念を現したものだった。

#156 大地の翼 ハインド・ハウス

#156 大地の翼 ハインド・ハウス

2015年02月11日放送
イギリス ワーグレーブ バークシャー 2008年 建築家:ジョン・パーディー
イギリスの南東、豊かな緑を残すバークシャーの水の畔に築かれた、ハインド・ハウス。芝生の上に杉の外壁をもつモダンな箱が浮かんでいる。住み手が選んだ川の畔では季節毎に増水すると分かっていた。それでも建築家は不可能とは言わず、建物の地平そのものを浮かせた構造が生まれた。

#155 水の離宮 カサ・ド・アルト

#155 水の離宮 カサ・ド・アルト

2015年02月04日放送
ポルトガル シントラ 1992年 建築家:フレデリコ・ヴァルサシナ

ポルトガル・シントラ。かつての王室の避暑地に築かれた、カサ・ド・アルト。水が夏の風を冷やし、緑の息吹を空間に満たす。土地を主役として考え、内も外も区別せず設計したという。かつての離宮を見た建築家が、伝統的な様式を近代的なアプローチで辿った、建築家フレデリコ・ヴァルサシナの自邸。

【放送時間変更】
2/4は午後10:54~11:00での放送です。

#154 アーツ・アンド・クラフツ スタンデン・ハウス

#154 アーツ・アンド・クラフツ スタンデン・ハウス

2015年01月28日放送
イギリス イースト・グリンステッド 1894年 建築家:フィリップ・ウェッブ
19世紀末、英国の田園地帯、グリンステッドに造られたスタンデン・ハウスは、芸術家ウィリアム・モリスが残したカントリーハウス。その室内装飾は、初めて本格的に用いられた壁紙。花々の美を描いた貴族的な趣味。絵画の技法が建築に持ち込まれた。それは壁に描かれた庭園。当時の建築装飾に革新をもたらした。

#153 時の連弾 ヘリウェル + スミス自宅兼スタジオ

#153 時の連弾 ヘリウェル + スミス自宅兼スタジオ

2015年01月21日放送
カナダ ウェストバンクーバー 1964年 建築家:バリー・ダウンズ&フレッド・ホリングスワース
1964年、カナダ、ウェストバンクーバーに建てられたこの家は改修を経て、若き建築家夫妻の住居兼仕事場となる。日本建築に着想を得て、空間を開いたオリジナルの記憶。構造に手を触れず、最新の技術で間口を広げた現在。ここには、ふたつの時が共存していた。

#152 神話の直線 アートリアル・ハウス

#152 神話の直線 アートリアル・ハウス

2015年01月14日放送
ポーランド オポーレ 2006年 建築家:ロバート・コニエチニ
ポーランド南西の都市、オポーレに立つ現代住居、アートリアル・ハウス。清潔なラインを引く、ミニマルなデザイン。あまりにモダンであり、同時にモダンという言葉では片付けられない何かがある。660平方メートルにも及ぶ広大な平野の敷地が、建築家にインスピレーションを与えた。

#151 人間の単位 ユニテ・ダビタシオン

#151 人間の単位 ユニテ・ダビタシオン

2015年01月07日放送
フランス マルセイユ 1952年 建築家:ル・コルビュジェ
フランス、マルセイユに建つ、ユニテ・ダビタシオン。それは建築家コルビュジェの未来の理想都市を現した建築だった。人体の寸法から割り出した黄金比を用い、ランニングコースを設けた屋上庭園にはスポーツジムも用意。全337戸、最大1600人が住まう巨大な集合住宅など当時まだ誰も見たことはなかった。

#150 最後の灯 アルベルタ11

#150 最後の灯 アルベルタ11

2014年12月31日放送
ラトビア、リガ 1908年 建築家:エイゼンス・ラウベ
ラトビアの首都、リガに建つ集合住宅、アルベルタ11。扉の木枠に施された、パルテノンのような装飾。天井には浮き彫りのように花や植物の美が描かれてる。職人の仕事とは何か。手跡の残る装飾がその意味を語りかける。画一化をもたらすだけの機械による作業にクラフトマンたちは反抗し、工芸的なアール・ヌーヴォーの建築は生まれた。

#149 建築の原点 メリック邸

#149 建築の原点 メリック邸

2014年12月24日放送
カナダ ウェストバンクーバー 1974年 建築家:ポール・メリック
カナダ、ウエストバンクーバーに建つ木造の家、メリック邸。自生するように、森の一部として作られた建築家の自邸。その家は石の塔が空間を貫き、巨木がそびえ、大きな岩が内に迫る。それは太古の時代、我々は自然の懐に居たことを思い出させる。文明と共に自然と別れ、そして再び出会う。

#148 コルビュジェの覚醒 メゾン・ラ・ロッシュ

#148 コルビュジェの覚醒 メゾン・ラ・ロッシュ

2014年12月17日放送
フランス、パリ 1925年 建築家:ル・コルビュジェ
1925年という建築年が信じがたい、モダンな白一色の住居、メゾン・ラ・ロッシュ。装飾を捨てた、無駄なき直線の構造。スロープによってひとつに繋がれた広大な空間が広がる。建築家ル・コルビュジェ、白の時代の幕開けであった。

#147 神々の詩 アルベルタ13

#147 神々の詩 アルベルタ13

2014年12月10日放送
ラトビア、リガ 1905年 建築家:ミハイル・エイゼンシュテイン
20世紀初頭、ラトビアの首都リガに建てられた集合住宅、アルベルタ13。ロシアで建築を学んだエイゼンシュテインは、アール・ヌーヴォーに、リガに伝わる神話のモチーフを融合させた。嘆きの天使、叫びを上げる女神。ヨーロッパへの憧れとバルトの魂がこの地に創り上げた美の建築。それは今も世界中の人々を惹き付けてやまない。

#146 大地の輪郭 ステグマン邸

#146 大地の輪郭 ステグマン邸

2014年12月03日放送
カナダ、ウェストバンクーバー 1951年 建築家:アーサー・エリクソン
カナダ、ウェストバンクーバーの森の中、住居には不向きだった起伏の激しい土地に建つステグマン邸。地形の高低差はそのまま活かされ、自然素材がふんだんに取り入れられている。カナダを代表する建築家アーサー・エリクソンが独自のスタイルを確立した初期の作品。

#145 薫り立つ空間 ネッド・プラット・レジデンス

#145 薫り立つ空間 ネッド・プラット・レジデンス

2014年11月26日放送
カナダ ウェストバンクーバー 1952年 建築家:ネッド・プラット
カナダ、ウエストバンクーバーに立つ、建築家の名を冠した自邸。水盤の道が、日本建築のような佇まいを映す。日本建築の工法がカナダの森と響き合い、繊細な美を広げる。これは、1952年、当時最新の技術を展示するために作られた家。鉄のフレームに木のパネルを組み合わせた、画期的なモジュール。それが日本建築と響き合うのは何故なのか。

#144 装飾の頂点 アルベルタ12

#144 装飾の頂点 アルベルタ12

2014年11月19日放送
ラトビア リガ 1903年 建築家:コンスタンティン・ペークシェンス
ラトビアの首都、リガに立つ20世紀初頭のアパート、アルベルタ12。鮮やかな彩色の屋根、壁に刻まれた無数の彫刻が煌めく。アール・ヌーヴォーは、この地で、古きバロックの色彩と出会い、様式を超えた美を手にした。この上ない装飾が、ヨーロッパとロシアの狭間で生まれた。

#143 インフィニティ・フィールド レイン・フォレスト・ハウス

#143 インフィニティ・フィールド レイン・フォレスト・ハウス

2014年11月12日放送
カナダ ウェストバンクーバー 1973年 建築家:ラッセル・ホリングスワース
カナダ、バンクーバーの森に立つ個人邸。「雨の森」と名付けられたその家はひとつの木も切らず、ひとつの岩も動かさず、建てられた。庭園から続く土台が内部に続き、自然の息吹が空間を満たす。カナダの建築家ラッセル・ホリングスワースのデビュー作。

#142 色彩の街 ペサック集合住宅

#142 色彩の街 ペサック集合住宅

2014年11月05日放送
フランス ペサック 1924年 建築家:ル・コルビュジェ
1924年フランス、街の労働者のために作られたペサック集合住宅。コルビュジェは集合住宅をひとつの街として捉え、森と一体化する壮大な都市計画を立てた。51戸の庭園都市。当時は理解されず、工事は幾度も妨害を受けた。しかしコルビュジェは夢の建築を完成させる。

#141 装飾の意志 エリザベーテス33

#141 装飾の意志 エリザベーテス33

2014年10月29日放送
ラトビア リガ 1901年 建築家:ミハイル・エイゼンシュテイン
1901年、ラトビアの首都リガに建てられた巨大な集合住宅。手がけたのは、建築家エイゼンシュテイン。ヨーロッパ中を席巻したアール・ヌーヴォーは、彼の手によってこの地に根付き、大輪を咲かせた。一方、外の装飾はリガ独自の様式。そこには、ロシアの支配下にありながら、新たな都市景観を作る情熱に突き動かされていた建築家の願いがあった。

#140 湖畔の家 ヴィラ・ル・ラック

#140 湖畔の家 ヴィラ・ル・ラック

2014年10月22日放送
スイス コルソー 1924年 建築家:ル・コルビュジェ
スイス・レマン湖畔に立つ、たった54平方メートルの小さな家。色彩のほか何も装飾をもたない直線美の空間は、1924年の建築であると信じがたい程にモダンである。この小さな家は「長年に渡って働き続けた私の両親の老後のためのものだ」と、手がけた建築家ル・コルビュジエは語る。彼は両親のため敷地を求めて何日も彷徨い歩いた。

#139 回帰の直線 ストーンハウス

#139 回帰の直線 ストーンハウス

2014年10月15日放送
オーストリア シュタインドルフ 1986年 建築家:ギュンター・ドメニク
未来の言語を操る建築家、そう呼ばれたギュンター・ドメニクは、オーストリア、オシアッハの山麓に、何者にも似ない造形を描き出した。それは5000立方メートルにも及ぶ巨大な建築にあって、個人邸。要塞のようでもあり、神殿のようでもあり、そしてそのどちらでもない。岩を切り出して作った家は、母胎のように住まう者を守る。

#138 傘の家 アンブレラ・ハウス

#138 傘の家 アンブレラ・ハウス

2014年10月08日放送
アメリカ フロリダ州 サラソタ 1953年 建築家:ポール・ルドルフ
20世紀半ばにアメリカのある新聞の記事に載った、もっともハンサムな家。ガラス一面のファサードを飾る白い木製の格子。その長い突き出しは、影を引く庇だ。傘となり、強い陽射しをかわす。この家が建てられたサラソタは亜熱帯のビーチタウン。その気候が、新たな住まいの形を生んだ。自然光、空気の流れを利用し、空間が呼吸する。風土が教えた、あらたな建築の形だ。

#137 白亜の晩秋  ヴィラ・ワグナー

#137 白亜の晩秋  ヴィラ・ワグナー

2014年10月01日放送
オーストリア ウィーン 1888年 建築家:オットー・ワグナー
ウィーン郊外に建てられた建築家オットー・ワグナー設計の夏の家。ローマ式の列柱に、金色の装飾が宮殿かと見紛わせる。のちに、近代建築の父と呼ばれるワグナーだが、ここではハプスブルク家最後の王室建築家という呼び方が似合うだろう。やがてワグナーは機能美を求め、図らずもこの家は、ヨーロッパの辿った長い中世の終わりを飾るものになった。

#136 追憶のバルト  ワルデマラ67

#136 追憶のバルト  ワルデマラ67

2014年09月24日放送
ラトビア リガ 1909年 建築家:エイゼンス・ラウベ
20世紀の初め、ラトビアの首都リガに建てられた集合住宅。無数の三角屋根が、街にひしめく300以上ものアール・ヌーヴォー建築との区別を容易にさせる。この建築はバルト伝統の自然素材が主体で、装飾はそれを際立たせるために使われた。流行一色に染まる街中で、建築家エイゼンス・ラウベは伝統と新様式の融合を図り、ネオクラシックと呼ばれた。

#135 サラソタ・モダン  ザ・ヒス・スタジオ

#135 サラソタ・モダン  ザ・ヒス・スタジオ

2014年09月17日放送
アメリカ フロリダ州 サラソタ 1953年 建築家:エドワード・J・シーバート
アメリカ有数のビーチタウン、サラソタにあるヒス・スタジオ。サラソータの開発者だったフィリップ・ヒスのオフィスとして作られた家。太陽を取り込むガラスウォールに、天然のコルクの床。そして螺旋階段を昇った先に待つ広大な空間は、風の通り道にさせ、空間は絶えず呼吸しているようだ。

#134 風の建築  ラモリシック・ハウス

#134 風の建築  ラモリシック・ハウス

2014年09月10日放送
アメリカ フロリダ州 サラソタ 1948年 建築家:ポール・ルドルフ&ラルフ・トウィッチェル
1948年、アメリカ西海岸のサラソタに建てられた一軒の家。熱帯の植物に映える白い壁は、南国の建築にインスピレーションを受けた。突き出す庇による影が熱風を冷やし、その風を取り込むルーバー付きの窓がある。のちに一世を風靡するサラソタ・モダンの原型は、アメリカの住宅に多大な影響を与えた。

#133 時代の意志 エリザベーテス10B

#133 時代の意志 エリザベーテス10B

2014年09月03日放送
ラトビア リガ 1903年 建築家:ミハイル・エイゼンシュテイン
東ヨーロッパ、ラトビアの首都リガの新市街に立つ、20世紀初頭の集合住宅。その時代、ヨーロッパ中を席巻したアール・ヌーヴォー。建築家ミハイル・エイゼンシュテインは、その新たな美をふんだんに用い、都市景観を一変させた。ドイツ、帝政ロシアといった様々な国の支配下にあった激動の国・ラトビアにおいて、なぜここまでの装飾を求めたのか。

#132 スモール・グッド・シング ザ・ノイトラ・ハウス

#132 スモール・グッド・シング ザ・ノイトラ・ハウス

2014年08月27日放送
アメリカ カリフォルニア州 ロサンゼルス 1939年 建築家:リチャード・ノイトラ
アメリカ、カリフォルニア州に移築されたこの家は、資金のない学生であり、詩人であったという若者夫妻のために、スター建築家であるノイトラが手がけた。赤い扉が刺激的にさえも感じる、質素な佇まい。天然木のその家は、果樹園の小さな三軒と呼ばれた家のひとつ。それは広大なカリフォルニアに存在する、たった数メートル四方の住まいに過ぎない。

#131 美しい時間 カンデラ1

#131 美しい時間 カンデラ1

2014年08月20日放送
ラトビア リガ 1897年 建築家:ウィリアム・ボクスラフ
ロシアと接するバルト三国の中央、ラトビア。その首都リガに19世紀末に建てられた、一軒の古びた民家。19世紀末、ヨーロッパ中を席巻し、果ては遠く北欧にまで及んだアール・ヌーヴォー。だが、他の国で目にするものと何かが違う。この家では、ささやかに細部を飾るだけであり、建築は伝統的な木造。素朴な工芸の美が深く心に突き刺さる。

#130 内なる彫刻 フローゲル・シェティ・レジデンス

#130 内なる彫刻 フローゲル・シェティ・レジデンス

2014年08月13日放送
アメリカ カリフォルニア州 ビバリーヒルズ 2003年 建築家:フィン・キャピー
建築家フィン・キャピーは、広大な空間を削ぎ落とした線で構成することで、最小限にデザインした。溢れる光の中で、構造と一体化した建築のライン。山の頂にあり、プライバシーを気に掛ける必要はなく、ガラス遣いの自由度は極限まで高まりを見せた。最小限のデザインで、最大限のドラマを。

#129 太陽の時間 ザ・コーエン・ハウス

#129 太陽の時間 ザ・コーエン・ハウス

2014年08月06日放送
アメリカ フロリダ州 サラソタ 1955年 建築家:ポール・ルドルフ
アメリカ、フロリダ西海岸の都市サラソタに建てられた一軒の家。その造りは「サラソタ・モダン」と呼ばれ、一世を風靡した。長いひさしによって作り出された、空間の余白は影を作り出し、昼下がりの太陽を遊ぶ。まだ、空調設備が普及していなかった時代の大空間にあって、フロリダの風を呼吸し続けた。

#128 ライフ・オブ・アート ラスティグ・ハウス

#128 ライフ・オブ・アート ラスティグ・ハウス

2014年07月30日放送
アメリカ カリフォルニア州 1947年 建築家:アルヴィン・ラスティグ
ロサンゼルスに建つその家は、長らく建築家が誰なのか謎に包まれていた。しかし近年、浴室のパターンから手がけた人物が判明。モダンムーブメントを、グラフィック・デザインに落とし込んだ先駆者、アルヴィン・ラスティグ。建築そのものは至ってシンプルだが、作り付けの家具、細部にわたる造形のディテールが光る。日常生活にデザインが持ち込まれた。

#127 ガラスの家 ラ・メゾン・ド・ヴェール

#127 ガラスの家 ラ・メゾン・ド・ヴェール

2014年07月23日放送
フランス パリ 1931年 建築家:ピエール・シャロー
フランス、パリに建つその家は、その特徴から、ガラスの家と呼ばれる。1931年、古いアパルトマンの最上階だけを残して改装した特異な構造を持つ。最上階を支えるため編み出された鉄の柱。鉄の骨格が重みを担い、ガラスの壁を実現した。家具デザイナーだった、ピエール・シャローの大胆な構成と繊細なディテールが空間そのものを芸術に昇華させた。

#126 トロピカル・ランゲージ B&Yハウス

#126 トロピカル・ランゲージ B&Yハウス

2014年07月16日放送
シンガポール セントーザ 2011年 建築家:アーメル・タヘール

シンガポールのリゾートエリア、セントゥーサの丘に立つ、建築家アーメル・ターヘル設計の家。彫刻のような曲線美の中に、計算し尽くされた構造。突き出したデッキは真夏でも日陰を作り、建築を囲むプールは、自然の冷却装置。機械を用いず、環境に適応した見事な設計。その理念に、シンガポールの歩みが映る。

#125 カリフォルニアの夢 アイクラーズ・ハウス

#125 カリフォルニアの夢 アイクラーズ・ハウス

2014年07月09日放送
アメリカ カリフォルニア州 ヒルズボロ 1972年 建築家:ジョセフ・アイクラー
アメリカ、カリフォルニア州に建つ住宅会社アイクラー・ホームズの創始者であるジョセフ・アイクラーの自邸。その特徴はと柱の構造によって開かれた、広大な窓。インドアに繋がる、外の息吹。人種を問わず、夢の暮らしを、リーズナブルな建て売り住居によって広めた。

#124 自然のエルミタージュ キャピー・ハウス

#124  自然のエルミタージュ キャピー・ハウス

2014年07月02日放送
アメリカ カリフォルニア州 パシフィック パラセイズ 1967年 建築家:レイ・キャピー
アメリカ、カリフォルニア州の、緑豊かな丘の斜面に建てられた、建築家レイ・キャピーの自邸。23メートルにも渡る、広大な空間の起伏は、地形の形を現している。杭を地中深く突き立て、そこに梁を組み土台を造る、画期的な構造だった。自然と共に生きる。そのルーツは、日本建築にあった。

#123 世紀の官能 ヒル・ハウス

#123 世紀の官能 ヒル・ハウス

2014年06月25日放送
イギリス スコットランド ヘリンズバラ 1904年 建築家:チャールズ・レニー・マッキントッシュ
20世紀初頭、芸術家チャールズ・レニー・マッキントッシュにより建てられたアール・ヌーヴォー建築、ヒル・ハウス。古城のような外観に内秘められた甘美な世界。総合芸術家ならではの美意識が、この建築を生んだ。スコットランドに突如現れた、芳醇な世界。それは世紀の変わり目のほんの一瞬にしか、誕生し得なかった。

#122 バーチカル・ガーデン メリン・ロード40A

#122 バーチカル・ガーデン メリン・ロード40A

2014年06月18日放送
シンガポール メリンロード 2012年 建築家:アーメル・タヘール
シンガポール、メリンロードに建つその家は、積み重ねられた庭園の家。生い茂る緑とガラスの突き出しによって構造を隠し、静けさを湛えている。手がけた建築家が取り入れたのは禅の思想。どこからが庭園で、どこからが空間なのか、緑とひとつになったその家に、分かつ境はない。

#121 劇的な再生 ミルナー・マイラー・レジデンス

#121 劇的な再生 ミルナー・マイラー・レジデンス

2014年06月11日放送
アメリカ カリフォルニア州 オークランド/バークレー・ヒルズ 1995年 建築家:ロン・キャピー
アメリカ、オークランドの丘にミルナー・マイラー・レジデンスは建つ。かつてこの丘は山火事に襲われた。建築家ロン・キャピーは、焼け残った家の土台に、まったく新たな世界を広げた。急斜面の立地を活かし、開かれた眺望。デッキも視界から隠し、浮遊するような感覚を与えた。

#120 鉄の神殿 リービー・ハウス

#120 鉄の神殿 リービー・ハウス

2014年06月04日放送
アメリカ カリフォルニア州 カーメル・バレー 1962年 建築家:ピエール・コーニッグ
アメリカ、カリフォルニア州に建つ、リービー・ハウス。建築家ピエール・コーニッグの理念が現れた、ガラスと鉄だけの家。鉄の骨格は、低コストで量産を可能にし、人々の希望を叶えた。一日あれば基礎を作れると言った建築家。その一日のために彼は一年を費やし考え抜いた。そのやり方が、構造を詩的な美しさにした。

#119 永遠のディテール 78ダーンゲイト

#119 永遠のディテール 78ダーンゲイト

2014年05月28日放送
イギリス ノーザンプトン 1919年 建築家:チャールズ・レニー・マッキントッシュ
20世紀初頭、芸術家チャールズ・レニー・マッキントッシュの改装により英国のテラスハウスがモダン・ムーブメント建築の第一号となる。地名を冠した78ダーン・ゲイトの真価は内。植物のモチーフから、やがて研ぎ澄まされた幾何学が新時代のグラフィックを現した。しかし保守的な英国の建築界でマッキントッシュの居場所は失われた。

#118 浮上する地平線 ケアリー・ハウス

#118 浮上する地平線 ケアリー・ハウス

2014年05月21日放送
アメリカ カリフォルニア州 ミル・バレー 1961年 建築家:ジョセフ・エシェリック
アメリカ、カリフォルニア州沿岸の傾斜地に、ケアリー・ハウスは建つ。斜面の立地に建ち、土台の一部が浮き上がる構造は当時画期的だった。絵画的、詩的であることを求めた施主のため、力を尽くした建築家ジョセフ・エシェリック。無数の木の庇が空間に影を落とす。アメリカ建築としては異例の縦組みの板は、日本家屋に学んだものだった。

#117 エヴァー・グリーン グリーン・オーチャード

#117 エヴァー・グリーン グリーン・オーチャード

2014年05月14日放送
イギリス 南グロスターシャー 2011年 建築家:ポール・アーチャー
2011年、英国南西部のカントリーに建てられたグリーン・オーチャード。断熱材に囲まれた鏡のような壁はモーターによって開閉する。この未来的な外観の家は、再生可能なエネルギーを求めたグリーン・ハウス。無数の天窓が熱を運び、唯一の燃料は薪。空間を充たす自然の息吹が、資源を消費し続ける人間を緑の中へ帰ろうと誘う。

#116 光の住処 フィッシャー・ハウス

#116 光の住処 フィッシャー・ハウス

2014年05月07日放送
アメリカ ペンシルバニア州 ハットボロ 1967年 建築家:ルイス・カーン
アメリカ、フィラデルフィア郊外に建つ、建築家ルイス・カーン設計のフィッシャー・ハウス。2つの立体が異なる方角を向き、繋がっている形は謎めいた神殿のよう。その造りは移ろう陽射しを取り込み、東向きの寝室は朝陽と共に始まる。窓を開け放てば食卓を緑が包み込む。

#115 神の発生 ハウス・フォー・ニーレップ・カー

#115 神の発生 ハウス・フォー・ニーレップ・カー

2014年04月30日放送
インド チャンディーガル 1964年 建築家:ピエール・ジャンヌレ
インド、チャンディーガルに建つ、美しき建築ハウス・フォー・ニーレップ・カー。設計はコルビュジエの従兄弟である、建築家ピエール・ジャンヌレが手がけた。機械も使えなかった頃のインドで職人たちの熟練した手業が活かされ、リビングを飾る天然石の暖炉にハンドクラフトの頂点がある。ディテールの達人と言われた、ジャンヌレの集大成。

#114 太陽の家 リビングホーム(Z6ハウス)

#114 太陽の家 リビングホーム(Z6ハウス)

2014年04月23日放送
アメリカ カリフォルニア州 サンタモニカ 2006年 建築家:レイ・キャピー
アメリカの西海岸、サンタモニカに立つ2006年完成のリビングホーム。ゼロ・エネルギー、ゼロ・エミッションを掲げ、最新のソーラーテクノロジーを組み込んだ実験住宅。空間は有機的な感触に満ち、用いられた再生素材の木が住まう者を包む。住空間に必要なエネルギーを自ら賄うという発想から生まれた美しき建築。

#113 大地のディテール ライツ・ハウス

#113 大地のディテール ライツ・ハウス

2014年04月16日放送
オーストラリア ヴィクトリア州 ノース・ワランダイト 1964年 建築家:ロビン・ボイド
オーストラリア、メルボルン郊外に建つ、ライツ・ハウス。オーストラリアを代表する建築家、ロビン・ボイドが設計を手がけた森の中の住まい。自然との一体化というコンセプトの元、外壁にも用いられた天然の素材が内側へと続く。また日本建築に着想を得たという設計。どこまでも建築が、自然の息吹と連なる。

#112 風土の色彩 クマー・レジデンス

#112 風土の色彩 クマー・レジデンス

2014年04月09日放送
インド チャンディーガル 1996年 建築家:シフ ダット・シャルマ
インド、ル・コルビュジェの都市設計によって生まれた街チャンディーガル。ここにクマー・レジデンスは建つ。都市設計に参加したインドの建築家、シフダット・シャルマが設計を担った。リビングを中心に隔てなく開かれた空間。爽やかな風が空間を吹き抜けていく。

#111 ロング・グッドバイ シュワルツ・ハウス

#111 ロング・グッドバイ シュワルツ・ハウス

2014年04月02日放送
アメリカ カリフォルニア州 サンタモニカ 1996年 建築家:ピエール・コーニッグ
アメリカ西海岸、サンタモニカに建つシュワルツ・ハウス。捻れたルービックキューブと評された、劇的な構造。その理由は、立地に対して30度回転させることにより南西の海風に面した窓を設け、季節により最適な風と熱を得られるよう計算されたものだった。

#110 家族の肖像 フランク・ロイド・ライト・ホーム&スタジオ

#110 家族の肖像 フランク・ロイド・ライト・ホーム&スタジオ

2014年03月26日放送
アメリカ イリノイ州 オークパーク 1898年 建築家:フランク・ロイド・ライト
アメリカ、シカゴ郊外に建つ、建築家ライト、初期の住居兼設計事務所。建築家として独立した直後に結婚し、生活と仕事の拠点としてこの家を建てた。基準としたのは家族。一家を集める暖炉を設け、部屋から部屋へ、流れるように設計。特徴的なハイバック・チェアも、食卓の家族を包もうとする発想によるものだった。

#109 睡蓮の家 ブリジット&ヒューゴ・エピック・レジデンス

#109 睡蓮の家 ブリジット&ヒューゴ・エピック・レジデンス

2014年03月19日放送
カナダ ウェストバンクーバー 1989年 建築家:アーサー・エリクソン
カナダ、ウエストバンクーバーの丘に建つブリジット&ヒューゴ・エピック・レジデンス。睡蓮の浮かぶ水面に映る姿は、まるでクロード・モネの描く風景画。鋼鉄のフレームが眺望との劇的なコントラストを生む。建築家は土地を視察する中でスケッチを重ね、輪郭線のような構造を勝ち得た。

#108 再生する息吹 ヴィラ・ラディカ

#108 再生する息吹 ヴィラ・ラディカ

2014年03月12日放送
インド アフマダーバード 1995年 建築家:ラジーヴ・カスパリア
インドの都市、アフマダーバードに建つヴィラ・ラディカ。建築家ラシーヴ・カスパリアの自邸。外壁は、船の甲板からリサイクルした木とコンクリートを使用。排熱と換気を担う、開口部。天窓。その未来的な造形に驚かされるが、その造形はインドの気候を考慮した機能に基づいていた。

#107 オリエント・モダニズム チャンディーガル・ガバメント・ハウジング

#107 オリエント・モダニズム チャンディーガル・ガバメント・ハウジング

2014年03月05日放送
インド チャンディーガル 1963年 建築家:ピエール・ジャンヌレ
建築家コルビュジェの都市設計により生まれた街、チャンディーガルに、ガバメント・ハウジングは建つ。設計はコルビュジェの従兄弟、ピエール・ジャンヌレが手がけた。ディテールの達人と言われたジャンヌレの采配。コルビュジエが都市設計を引き受ける際に示した条件は、彼が建築の現場監督を務めることだった。

#106 追憶の空間 ウォーカー・ハウス・ ベース・オン・ケース・スタディ・ハウス

#106 追憶の空間 ウォーカー・ハウス・ ベース・オン・ケース・スタディ・ハウス

2014年02月26日放送
アメリカ カリフォルニア 2002年 設計者:ロドニー・ウォーカー
アメリカ、カリフォルニアの丘に建つウォーカー邸は、20世紀半ばの建築「ケース・スタディ・ハウス#16」を再現したもの。コストをかけず、より良い暮らしを実現したケース・スタディ・ハウス・シリーズは多くが取り壊され、現存するものは少ない。だからこそ建築家ロドニー・ウォーカーの息子は復元する価値を見出した。

#105 水辺の色彩 ベラヴィスタ集合住宅

#105 水辺の色彩 ベラヴィスタ集合住宅

2014年02月19日放送
デンマーク コペンハーゲン 1934年 建築家:アルネ・ヤコブセン
デンマーク、コペンハーゲンの海辺の街に建てられたベラヴィスタ集合住宅。建築年を忘れさせるモダンな造形で、コの字型に配列された全ての住戸から海が見渡せる。ベラヴィスタ、その意味は、美しい眺め。室内も風景を際立たせる白を基調とし、建築に要求される全てを海とのコントラストの中で繊細にデザインされた。

#104 循環の家 ドーシ邸

#104 循環の家 ドーシ邸

2014年02月12日放送
インド アフマダーバード 1961年 建築家:バルクリシュナ・ドーシ
インド、アフマダーバードに建つ建築家ドーシの自邸。20世紀半ば、まだ工業技術に乏しかったインドで土地の素材を使い、夏の暑さと雨季の湿度に適応する術を建築家は模索した。若き日にコルビュジエのアトリエで学んだドーシは、西洋の技術と風土の思想を結び、光と風の循環の道を開いた。

#103 光の午睡 エシェリック邸

#103 光の午睡 エシェリック邸

2014年02月05日放送
アメリカ ペンシルバニア 1961年 建築家:ルイス・カーン
アメリカ、ペンシルバニア州、フィラデルフィアにエシェリック邸は建つ。同時代の建築は、ガラスウォールによって影の美しさを忘れていた。巨匠ルイス・カーン建築のこの家の窓には庇や格子はなく、構造によって光の陰影の美しさが際立つ。ただいるだけで安らぎを覚える空間がそこにはあった。

#102 ランドスケープ・アーキテクチャー モンテヴェルディ・エステーツ5310

#102 ランドスケープ・アーキテクチャー モンテヴェルディ・エステーツ5310

2014年01月29日放送
カナダ ウェストバンクーバー 1980年 建築家:アーサー・エリクソン
カナダ、ウェストバンクーバー、モンテヴェルディに建つ邸宅の群れ。その中の5310区画にある、ひとつの美しい邸宅。豊かな自然を広げる土地と一体となるそれには、建築家の理念が現れていた。眺望を空間の一部に変える、透明な壁。シダが生い茂る花崗岩の壁。地形と建築は結び、自然の造形によって、空間の形が導かれていた。

#101 グッド・ライフ トンプソン・モーズリー・レジデンス

#101 グッド・ライフ トンプソン・モーズリー・レジデンス

2014年01月22日放送
アメリカ カリフォルニア 1959年 建築家:バフ・ストラウブ & ヘンスマン社
アメリカ、南カリフォルニアの丘に建つトンプソン・モーズリー・レジデンス。50年代のアメリカで人々が望んだのは生活の向上。建築家たちは鉄をはじめとする工業用の資材を用い、低コストで豊かな空間を作ろうと試みた。風車のプランと名付けられた独特な部屋の配置は、すべての部屋に光と眺望を与え、モダンなリビングが広がる。

#100 立体の絵画 フンデルトヴァッサーハウス

#100 立体の絵画 フンデルトヴァッサーハウス

2014年01月15日放送
オーストリア ウィーン 1986年 建築家:フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー
オーストリア、ウィーンに建てられた市営住宅フンデルトヴァッサー・ハウス。その自由な造形と色彩が、人々に衝撃を与えた。だがそれは単なる直感による創造ではない。サロン、子供達の遊び場を備え、確かな住空間が広がる。鮮やかな色彩は集合住宅に、人間性を取り戻そうとする試みだった。

#99 内なる自然 コーヘン邸

#99 内なる自然 コーヘン邸

2014年01月08日放送
アメリカ ペンシルバニア州 ウィンドムア 1954年 建築家:リチャード・ノイトラ
アメリカ、ペンシルバニアの深い緑の中に建つコーヘン邸。自然を内へと繋ぐ透明な壁。人間と自然が、建築によって特別な関係を築き上げていく。「建築家は、人間を自然との調和の中に戻す治療者」と言ったノイトラ。その理念は、ただ自然との融合を目指すものとは違った。その空間で人間と自然は呼吸を重ねる。

#98 自然の装飾 ロースハウス・アム・クロイツベルグ

#98 自然の装飾 ロースハウス・アム・クロイツベルグ

2013年12月25日放送
オーストリア パイエルバッハ 1930年 建築家:アドルフ・ロース
オーストリアの人里離れた高原に建てられたロースハウス・アム・クロイツベルグ。今は食堂として利用されるこの建築を、「装飾は罪」と謳った大建築家アドルフ・ロースの作品と知る者は少ない。質素な佇まいながら、鮮やかな色彩を放つ。しかし何故この地を選んだのか。美しい山並みにロースは何を見たのか。

#97 ハニカム・アーキテクチャー カーマイケル邸

#97 ハニカム・アーキテクチャー カーマイケル邸

2013年12月18日放送
カナダ ウェストバンクーバー 1957年 建築家:ロン・ソム
カナダ、ウェストバンクーバーに建つカーマイケル邸。その家はすべての構造が、六角形の内角120度を基本に設計された。建築家は豊かな自然の中にこの構造をみつけた。それは蜜蜂の巣。美しき生命の建築は、最も優れた強度を得た、幾何学の家となる。

#96 白の空間 シャンバーグ邸

#96 白の空間 シャンバーグ邸

2013年12月11日放送
アメリカ ニューヨーク 1972年 建築家:リチャード・マイヤー
アメリカ、ニューヨーク郊外にシャンバーグ邸は建つ。白の巨匠と呼ばれた建築家リチャード・マイヤーが手がけた家。空と緑を映しだす白い壁、吹き抜けいっぱいの広大なガラスウォール。その建築はモダンでありながら、無機質な印象がまるでない。太陽によって輝く、白のイリュージョン。

#95 終の海景 スーホルムⅠ〜Ⅲ

#95 終の海景 スーホルムⅠ〜Ⅲ

2013年12月04日放送
デンマーク コペンハーゲン 1954年 建築家:アルネ・ヤコブセン
デンマーク、コペンハーゲンに建てられた集合住宅スーホルム。第二次大戦後、量産を目的として立てられた安価な復興住宅。だが、北欧の伝統的なレンガ造りのこの住宅は巧妙な配置により、すべての住居に海の眺めと南の日差しを与えた。シンプルな造りでありながら、快適な機能を備え、住まう者に喜びをもたらした。
*この日の放送は、よる10時54分からです。

#94 自然の詩歌 ヴィラ・ブスク

#94 自然の詩歌 ヴィラ・ブスク

2013年11月27日放送
ノルウェー バンブレ 1990年 建築家:スヴェレ・フェーン
ノルウェー、バンブレの森に建つヴィラ・ブスク。設計は北欧を代表する建築家スヴェレ・フェーン。土地の高低差を活かし、タワーと住居が連なるその建築は、まるで北欧神話の一場面。美しき姿は内へと続く。ノルウェー伝承の木船をイメージした空間。森と共にあろうとしてきた、北欧建築の歴史を建築が物語る。

#93 森の空間  フルハム邸

#93 森の空間  フルハム邸

2013年11月20日放送
アメリカ ペンシルバニア州 バックスカウンティー 1960年 建築家:ポール・ルドルフ
アメリカ、ペンシルバニアに建つフルハム邸。深い森の中に立つ石の家。荒々しさを残す天然の素材が、建築と自然を一つに結んでいる。建築家は「雨の日や夏の陽射しの中でどうあるべきか。建築は、移ろう日々と共にあらなければならない」と考えていた。建築全体に刻まれた歳月の移ろいは、今も色褪せてはいない。

#92 眺望の装飾 フィルバーグ邸

#92 眺望の装飾 フィルバーグ邸

2013年11月13日放送
カナダ バンクーバー島 1959年 建築家:アーサー・エリクソン
カナダ、ジョージア海峡を見下ろす崖の上に建つフィルバーグ邸。壮大な景色を望むこの家を人々は「カナダで最も美しい家」と呼んだ。風景と溶け合う建築。景観を引き立てる天然の素材に、周到に縁取られた窓。それぞれの眺望は選ばれのだと気づかされる。建築家アーサー・エリクソンは景観を最大限に活かす配置を探し、部屋ごとに相応しい眺望を選んだのだ。

#91 水平線の家 ロビー邸

#91 水平線の家 ロビー邸

2013年11月06日放送
アメリカ イリノイ州 シカゴ 1910年 建築家:フランク・ロイド・ライト
アメリカ、シカゴ郊外にロビー邸は建つ。5メートルもの片持ちの屋根を持つ低く長い家は人々を驚かせた。限りなく長い水平線が繰り返し強調され、直線に滲む、幾何学、自然を模った形。建築家フランク・ロイド・ライトは言った。
「私は、大地と空間の子。水平線こそ、人間生活の地平線。」建築が大地の延長線上にあると全てが謳っていた。

#90 透明な呼吸 アルネ・コルスモ・オウン・ハウス

#90 透明な呼吸 アルネ・コルスモ・オウン・ハウス

2013年10月30日放送
ノルウェー オスロ 1955年 建築家:アルネ・コルスモ
ノルウェー、オスロに建つ、建築家アルネ・コルスモの自邸。北欧の森に建つガラスの家。それ自体は表情を持たないガラスの壁を、映り込む自然の美が飾る。建築の内から望む自然の姿は、際立って美しく見える。技術の革新は北欧の厳しい冬をしのぐための厚い壁を不要にさせ、澄み渡る光を空間に招き入れた。この家で建築家は言った。「私は、森に住んでいる」と。

#89 苔のむすまで プロマー・レジデンス

#89 苔のむすまで プロマー・レジデンス

2013年10月23日放送
カナダ ウェストバンクーバー 1953年 建築家:フレッド・ホリングスワース
カナダ、ウェストバンクーバーの森に建つ個人邸、プロマー・レジデンス。
19世紀、世界の芸術家に影響を与えたジャポニズムは建築にも及んでいた。露出した梁、格子状のパネル、石庭を凝縮したような床。そして建築は本当の完成に至るまで、長いときを待ち、熟成した。庭園一面、苔のむすまで。

#88 森のオマージュ ヴィラ・シュライナー

#88 森のオマージュ ヴィラ・シュライナー

2013年10月16日放送
ノルウェー オスロ 1963年 建築家:スヴェレ・フェーン
ノルウェー、オスロに建つヴィラ・シュライナー。伝統的な、日本家屋に着想を得た建築。森に溶け込む平屋の家には、縁側のような突き出しが庭と建築を繋ぐ。住まう者はただ自然を感じればいい。それは日本建築の思想。だが、自然と共にあろうとする意識は、そもそも北欧にも根付いていた。

#87 巨匠の原点 アアルト自邸

#87 巨匠の原点 アアルト自邸

2013年10月09日放送
フィンランド ヘルシンキ 1936年 建築家:アルヴァ・アアルト
フィンランド、ヘルシンキ郊外に建つ建築家アルヴァ・アアルトが妻と共に暮らした住居兼アトリエ。空間には天然素材が活かされた、自然との共生を求めた建築。仕事場にも仕切りはなかった。それは家族の声を聞くために。そこには巨匠の原点にして、彼の理想が集約されていた。

#86 自然の家 ミラード邸

#86 自然の家 ミラード邸

2013年10月02日放送
アメリカ カリフォルニア 1923年 建築家:フランク・ロイド・ライト
アメリカ、ロサンゼルス郊外にミラード邸は建つ。植物のような装飾に、広く水平な空間。建築家フランク・ロイド・ライトは、幼き頃より働きに出ていた農場から自然の美しい造形に感動を覚えたのだ。ライトはこの家に「私のミニチュア」という愛称を付けた。

#85 ノルディック・ファンタジア ヴィトレスク

#85 ノルディック・ファンタジア ヴィトレスク

2013年09月25日放送
フィンランド キルッコヌンミ 1903年 建築家:エリエル・サーネリン、アルマス・リンドグレン、ヘルマン・ゲゼリウス
フィンランド、ヘルシンキ郊外にヴィトレスクは建つ。ここは三人の建築家が仕事も生活も共にする場として建てた理想郷。北欧の木造建築を土台に、ヨーロッパ建築を取り込もうとした。アールヌーヴォーの装飾、弓なりの梁を持つロマネスク。空間には西洋の造形が混じり合う。

#84 アーツ&アーキテクチャー ヴィラ・ステーネーシェン

#84 アーツ&アーキテクチャー ヴィラ・ステーネーシェン

2013年09月18日放送
ノルウェー オスロ 1938年 建築家:アルネ・コルスモ
ノルウェー、オスロ郊外の高台に建つアート・コレクターの個人邸、ヴィラ・ステーネーシェン。庭先の彫刻、円筒形のエントランス、アートを保護して照らすブロック状のガラスウォール。何もかもが美術のために造られたその建築は、空間そのものを芸術に変えた。

#83 日の名残 ヴィラ・スネルマン

#83 日の名残 ヴィラ・スネルマン

2013年09月11日放送
スウェーデン ストックホルム 1918年 建築家:グンナール・アスプルンド
スウェーデン、ストックホルム郊外に建つ木造の家、ヴィラ・スネルマン。建築家アスプルンドは若き日にヨーロッパ中を旅し、不変の魅力を持つ建築の数々に感銘を受けた。母屋とハウスキーパーの別棟からなる、古き良き英国のカントリーハウスのような家。だがその家には造形の新しさへの挑戦が隠されている。

#82 森の息吹 ヴィラ・マイレア

#82 森の息吹 ヴィラ・マイレア

2013年09月04日放送
フィンランド ノーマルク 1939年 建築家:アルヴァ・アアルト
フィンランドを代表する建築家、アルヴァ・アアルトが、友人のために設計した、邸宅ヴィラ・マイレア。建築を自然の一部として、森の景観に溶け込ませたアアルト屈指の傑作。自然との関係は内にも続く。立ち並ぶ細い木の柱はまるで、空間そのものが北欧の森。自然との調和、それは祖父からの教えにあった。

#81 上昇する空間 ザ・ジュールズ・ブレイディ・レジデンス

#81 上昇する空間 ザ・ジュールズ・ブレイディ・レジデンス

2013年08月28日放送
アメリカ カリフォルニア州 ロングビーチ 1970年 建築家:ジュールズ・ブレイディ
アメリカ・カリフォルニアの高級住宅地に建つジュールズ・ブレイディ・レジデンス。聳え立つフロント・ドアは高さ5メートルを越え、建築の常識を破った。あまたの建築家が叶えられなかった高さの次元を支えたのは、航空機メーカーの技術。戦闘機のノウハウを活かしたアルミ・ハニカムは歪むことを知らない。

#80 小さな国家 キンゴー・ハウス

#80 小さな国家 キンゴー・ハウス

2013年08月21日放送
デンマーク ヘルシンゲル 1961年 建築家:ヨーン・ウツソン
デンマーク・コペンハーゲン近郊のヘルシンゲルにキンゴー・ハウスは建つ。15メートル四方に統一された伝統的なブロック造で、60戸の住居から成る集合住宅。太陽を望むため、すべての住戸は同じ方角に向けられた。閉ざされた外観とは裏腹に広がる中庭には自然の息吹が宿る。緑豊かな元牧草地に建てられた小さな国家はスロウに時を重ねる。

#79 オープン・スカイ チャング・キング・コートヤード

#79 オープン・スカイ チャング・キング・コートヤード

2013年08月14日放送
アメリカ カリフォルニア州 ロサンゼルス 2008年 建築家:アリ・ジーヴァンジー、プーナム・シャーマ
ロサンゼルスにあるチャイナタウンにチャング・キング・コートヤードは建つ。1940年代のアパートメントを若い建築家夫妻が現代の住居に改装した。貸部屋だった二軒分をひとつにし、天井もより高くした。回転するガラスウォールの先にある中庭がダイニングルームとして設計された、大胆なコートヤード。

#78 立方体の家 クーブフレックス・ハウス

#78 立方体の家 クーブフレックス・ハウス

2013年08月07日放送
デンマーク コリング 1970年 建築家:アルネ・ヤコブセン
北欧デンマークを代表する家具デザイナー、アルネ・ヤコブセンのサマーハウス。この家は立方体のユニットを、自由に結合することで完成する。思いのままに配置した箱の空間の使い道は住み手が決める。新しいハウジングシステムの提案をしたヤコブセンは、それぞれに違う理想の住まい方を、自在な箱で叶えようとした。

#77 太陽の自由 ボバーツ・レジデンス

#77 太陽の自由 ボバーツ・レジデンス

2013年07月31日放送
アメリカ カリフォルニア州 サンディエゴ 1955年 建築家:クレイグ・エルウッド
アメリカの南西、サンディエゴにボバーツ・レジデンスは建つ。視界を閉ざす、ミステリアスな外壁。内に踏み込むと、緑と親しむ飾りのない平屋がある。手がけた建築家はケース・スタディ・ハウスで一躍名声を高めたクレイグ・エルウッド。高価な素材を使う事なく、洗練された建築を作り上げた。

#76 モダニズムの原器 ロース・ハウス

#76 モダニズムの原器 ロース・ハウス

2013年07月24日放送
オーストリア ウィーン 1911年 建築家:アドルフ・ロース
オーストリア・ウィーン王宮の前広場にロース・ハウスは建つ。装飾は罪と謳った建築家、アドルフ・ロース。二十世紀初頭に建てられた装飾の無い建物は異端とまで言われた。だが無装飾という言葉の響きはどこかそぐわない。それは極限まで引き出された素材の表情が、建築を豊かに飾っていたからであった。

#75 追憶の記念碑 カサ・ストゥッド

#75 追憶の記念碑 カサ・ストゥッド

2013年07月17日放送
アルゼンチン ラ・プラタ 2001年 建築家:クロリンド・テスタ
ウルグアイの都市、ラ・プラタにカサ・ストゥッドは建つ。元々、馬屋の敷地だった土地に建てられた建築。馬屋をモチーフにした重厚な扉、平屋の並び。ほぼ全てのディテールがかつてそこにあった馬屋の様式をなぞる。そこまで執着した理由とは?古くは遊牧民が駆け抜け、移民がサラブレッドを育てた夢の場所。その街が持つ記憶を建築で繋ぎとめようとしたのだ。

#74 太陽の神殿 カサ・ピジャド

#74 太陽の神殿 カサ・ピジャド

2013年07月10日放送
アルゼンチン バイアブランカ 1933年 建築家:ウラジミーロ・アコスタ
南米アルゼンチンの都市にカサ・ピジャドは建つ。古代建築を思わせる威厳と、端正なモダニズムが融合した法律家の事務所兼住居。建築の刻む80年という歳月を感じさせず、空間を瑞々しいまま持続させている。建築家は空間を持続させる方法を古代ローマの神殿に学んだという。それは現代に先駆けたサスティナブル・コンセプト。

#73 水彩の家 カサ・カポテスタ

#73 水彩の家 カサ・カポテスタ

2013年07月03日放送
アルゼンチン ピナマル 1985年 建築家:クロリンド・テスタ
アルゼンチン、海沿いの街に立つカサ・カポテスタ。設計者は南米の都市景観に多大な影響を与えた建築家、クロリンド・テスタ。彼は住居建築にあたって建築家ではなく画家としての顔を見せる。それは鮮やかな色彩で彩られた夏の家。

#72 トランジット・スペース カサ・エスパシオ

#72 トランジット・スペース カサ・エスパシオ

2013年06月26日放送
ウルグアイ プンタ・デル・エステ 1982年 建築家:マリオ・ロベルト・アルバレス
ウルグアイの高級避暑地にカサ・エスパシオは建つ。住居である現実感を失わせる白く水平なコンクリート・スラブはまるでエアポートのコンコース。中を巡るとその理由が見えてくる。隠し扉の先に在る会議の場。ここは常に移動し続ける外交官の住まいなのだ。建築家は空間だけを作り、内装を住み手に委ねた。数少ない停泊の場なのだから。

#71 望郷の色彩 カサ・ラ・ミランディーナ

#71 望郷の色彩 カサ・ラ・ミランディーナ

2013年06月19日放送
ウルグアイ コロニア・デル・サクラメント 2012年 建築家:クロリンド・テスタ
ウルグアイ・コロニアに建つ、建築家クロリンド・テスタが残した最後の家、カサ・ラ・ミランディーナ。画家でもあった建築家は小さな住居建築に鮮やかな色彩を好んだ。絵画のような色遣いと構図。彼はこの小さな住まいを最後に完成の翌年亡くなった。長いキャリアの果てに何を想ったのか。その心を人知れず知る色彩の建築。

#70 再生の家 スティコッティ・レジデンス

#70 再生の家 スティコッティ・レジデンス

2013年06月12日放送
アルゼンチン ブエノスアイレス 2009年 建築家:アレハンドロ・スティコッティ
アルゼンチン、ブエノスアイレスの郊外にスティコッティ・レジデンスは建つ。建築家兼家具デザイナー、スティコッティの自邸は、クラフトワークの薫りが満ちる。塗料も石膏も好きではないと言う建築家は天然の素材を多用するに飽き足らず、古い建築に使用されていたというリサイクル材を選んだ。時の肖像に命を見いだした再生の家。

#69 風のささやき クルチェット邸

#69 風のささやき クルチェット邸

2013年06月05日放送
アルゼンチン ラ・プラタ 1954年 建築家:ル・コルビュジエ
アルゼンチンの小都市に建つ外科医の診療所兼住居、カサ・クルチェット。建築家ル・コルビュジエが建てた南米唯一の住まいは、狭い都市型住宅のテストケース。僅かな空間に建つ二棟を結ぶ立体的なスロープ。限られたスペースに豊かな広がりを生み、広さに変わる価値を凝縮した機能で叶えた。しかし耳を澄ます時、この家のもうひとつの価値が見えてくる。

#68 空間の彫刻 カサ・ビラマホ

#68 空間の彫刻 カサ・ビラマホ

2013年05月29日放送
ウルグアイ モンテビデオ 1930年 建築家:フリオ・ビラマホ
南米ウルグアイの街中に建つ異端のアーキテクチャ、カサ・ビラマホ。瞳を閉じた外壁のメデューサは、コンクリートの壁に豊かな表情を解き放つ。素材の混交は空間にも続く。大理石のパティオ、ガラスのリビング、最上階はモダンな書斎。フロアごとに変わる素材。それは未知の姿を見つけ出そうとする建築家の、彫刻的な実験だった。

#67 マテリアル・スピリット ウォルシュ・ストリート・ハウス

#67 マテリアル・スピリット ウォルシュ・ストリート・ハウス

2013年05月22日放送
オーストラリア メルボルン 1958年 建築家:ロビン・ボイド
オーストラリア・メルボルン郊外に建てられたウォルシュ・ストリート・ハウス。ユーカリの木、僅かな鉄、天然の石。建築の内部に取り入れられた自然の気配は小さくも豊かな空間。家族のためにこの空間を設計した建築家ロビン・ボイドは日本建築に影響を受けたという。華やかな飾りは何もない。しかしその在り方は精神の豊かさを表している。

#66 光のキュレーション ゴットリーブ・ハウス

#66 光のキュレーション ゴットリーブ・ハウス

2013年05月15日放送
オーストラリア メルボルン 1990年 建築家:ウッド・マーシュ
オーストラリア建築の中で異質とも言える外観を持つゴットリーブ・ハウス。モダン・ミュージアムのようなその建築は奥へと回り込む毎に邸宅の貌が変わる。モダニズムの定石と思われた広大な窓は緻密に計算された天井のスリットと結び、芸術的な陰影を空間に落とす。この空間の主役は影。陽の変化と共に表情を変え、幾つもの貌を持つ空間が広がる。

#65 親愛なる住居 マニング・クラーク・ハウス

#65 親愛なる住居 マニング・クラーク・ハウス

2013年05月08日放送
オーストラリア キャンベラ 1952年 建築家:ロビン・ボイド
オーストラリア・キャンベラ郊外に建つ、作家だった住み手の名を冠したマニング・クラーク・ハウス。本を伏せたような切妻の屋根は、戦後オーストラリア建築の特徴だと言われる。手がけた建築家ロビン・ボイドは、斬新な建築は果たして人間を幸福にするのかと問うた。豊かな住まいとは何か。住み手の数だけある、無数の答えのひとつがここにあった。

#64 太陽の住処 ゴー・ハウス

#64 太陽の住処 ゴー・ハウス

2013年05月01日放送
オーストラリア クリフトンビーチ 1997年 建築家:クレイグ・ローズベアー
オーストラリアの南東、クリフトンビーチ、砂丘の上にゴー・ハウスは建つ。壁の九割がガラスで作られたその建築を飾るのは手つかずの自然だけ。その建築は失われた記憶を呼び覚ましてくれる。古の時代、自然の中にあった人間の住居。殆どがガラスの空間に内と自然を隔てるものは、何もない。

#63 革命前夜 ハウス・アウエルバッハ

#63 革命前夜 ハウス・アウエルバッハ

2013年04月24日放送
ドイツ ヴァイマール 1924年 建築家:ヴァルター・グロピウス
ドイツ、ヴァイマール近郊にハウス・アウエルバッハが建つ。建築家はこれまでの建築とは違う、新たなアイディアの実用化に挑んだ。白い箱を積み重ねたような無装飾の家は、言わば現代建築のプロトタイプ。サロン、ダイニング、リビングと各部屋の機能ごとに、空間を分けた画期的なハウジング・システムには、直方体の構成が用いられた。建築家はあくまで機能を追及し、現代建築への扉を開けた。

#62 ラスト・ハンドクラフト ハウス・ホーエ・パッペン

#62 ラスト・ハンドクラフト ハウス・ホーエ・パッペン

2013年04月17日放送
ドイツ ヴァイマール 1908年 建築家:アンリ・ヴァン・デ・ヴェルド
ドイツ、ヴァイマールの高台にハウス・ホーエ・パッペンが建つ。石造りの住居は控えめな外観だが、注目すべきはその空間の構成。機能で区切られた室内は空間を重んじた住居。その空間は人間の心を充実させると建築家は信じた。古典主義とモダニズムの谷あいに建てられた建築は、アール・ヌーヴォーの意志を宿し、エレガンスな機能美を備えて、現代建築へと続いていく。

#61 落下する宇宙 パラシオ・グエル

#61 落下する宇宙 パラシオ・グエル

2013年04月10日放送
スペイン バルセロナ 1890年 建築家:アントニ・ガウディ
スペイン・バルセロナに建つ、十九世紀末の究極の建築パラシオ・グエル。人智を超えた装飾が、建築家アントニ・ガウディの名を囁き続ける。ひとりの人間が作り出した空間は、まさに宇宙。その美しさはどんな詩人の言葉でも輪に掛けることは出来ない。バルセロナの街を変えようとしたガウディの夢。未完であることは問題ではないと、建築が語る。

#60 自然の奇想 エル・カプリチョ

#60 自然の奇想 エル・カプリチョ

2013年04月03日放送
スペイン コミーリャス 1885年 建築家:アントニ・ガウディ
スペイン北部、コミーリャスに建てられたエル・カプリチョ。ヨーロッパの歴史と、アラビアン・アーキテクチャが融合するネオ・ムデハル様式。この建物は、のちに歴史を書き換えるひとりの天才建築家アントニ・ガウディの初めての住居建築。カプリチョとは何者にも似ない、奇想曲という意味もある。理解の速度を追い越す、ガウディのイマジネーション。ガウディを信じた職人たちの技術がそれを支えた。

#59 階段のヴィラ ヴィラ・ラ・スカラ

#59 階段のヴィラ ヴィラ・ラ・スカラ

2013年03月27日放送
イタリア ガルダ 1958年 建築家:ビットリアーノ・ビガノ
イタリア・ガルダ湖畔の丘の上に、あるサマーハウスが建つ。ヴィラ・ラ・スカラ。打ち放しの建材が芝生とのコントラストを際立たせ、可能な限りに広げたガラス・ウォールは開放感を感じさせる。キャンティレバーが基礎を浮かせ、より湖の近くへと建物を近づかせている。そして湖に降り立つことも出来る百段のスカラ、その階段の先は湖。しかし建築は既に視線の階段を眺望へと渡している。眺望と連結する、階段のヴィラ。

#58 結束する空間 パラッツォ・テラーニ

#58 結束する空間 パラッツォ・テラーニ

2013年03月20日放送
イタリア コモ 1936年 建築家:ジュゼッペ・テラーニ
イタリア有数の避暑地、コモ。その中心街にパラッツォ・テラーニが建つ。別名はカサ・デル・ファッショ、ファシストの家。特徴は正方形あるいは1対2。等しい比率のもとで空間が行列を成す。まるで反復しながら高まる平均律のピアノ曲。ムッソリーニ政権下に建てられたが数学的ルールに従うことで、その結束する空間は権威から解放されていた。秩序の本当の理由は?黙する空間の先に都市景観が広がっていた。

#57 十六世紀のモダニズム ヴィラ・ラ・ロトンダ

#57 十六世紀のモダニズム ヴィラ・ラ・ロトンダ

2013年03月13日放送
イタリア ヴェチェンツァ 1569年 建築家:アンドレア・パラディオ
イタリア、ヴェチェンツァの小さな丘の頂きにヴィラ・ラ・ロトンダが建つ。世界で最初の住宅建築家と言われる設計者アンドレア・パラディオは、平面図を基礎に、空間から設計した。採光に配慮した天地に広い窓は冬も十分な光を得られるよう、方角も計算されたという。理に適っていた建築家の先見。彼は後のホワイトハウスを始めアメリカ公共建築に多大な影響を与えた。ルネサンスとモダニズム。時を超えて繋がる空間の礎を築いた。

#56 真昼の流星 サンタ・フロレンティナ

#56 真昼の流星 サンタ・フロレンティナ

2013年03月06日放送
スペイン バルセロナ 1910年 建築家:ドメネク・イ・モンタネール
スペイン、バルセロナの郊外にカスティヨ・サンタ・フロレンティナが建つ。この建築はかつての宮殿のロマネスクの様式美と、近代の美モデルニスモが融合している。手がけたのはカタルーニャの建築界をリードした建築家ドメネク・イ・モンタネール。同時代のライバル、アントニ・ガウディに対して、彼は装飾を究めるという道を選んだ。優美でありながら、過剰ではない空間。それはまるで真昼の流星。

#55 小さな宮殿 イル・パラツエット

#55 小さな宮殿 イル・パラツエット

2013年02月27日放送
イタリア・モンセリーチェ 1978年 建築家:カルロ・スカルパ
中世の面影を残す街でひとつの建築が再生された。イル・パラツエット「小さな宮殿」。どこか女性的なその佇まい。建築家は美しい女性の顔のようなハーモニーを尊んだという。彼はその17世紀の別荘に現代性という新たな息吹を与えた。手がけたのは建築界の詩人と称えられ、芸術家でもあった建築家、カルロ・スカルパ。絶たれることのなかった時の流れ。過去と現在、ふたつの時間を結んだ建築の形。

#54 建築の詩 落水荘(フォーリング・ウォーター)

#54 建築の詩 落水荘(フォーリング・ウォーター)

2013年02月20日放送
アメリカ ピッツバーグ 1937年 建築家:フランク・ロイド・ライト
アメリカ、ピッツバーグの南東。渓流と一体化した邸宅、落水荘がある。現代建築の巨匠、フランク・ロイド・ライトの集大成といわれ、それは設計を感じさせない。まるで自然の懐に直接筆で描いたような建築は自然の一部と化している。自然が建築の原点。静けさに沁む「建築の詩」フォーリング・ウォーター。落下し続ける水の流れは、生命そのものを謳う、時の響き。

#53 マヨルカの夢 カン・リス

#53 マヨルカの夢 カン・リス

2013年02月13日放送
スペイン マヨルカ 1972年 建築家:ヨーン・ウツソン
地中海のマヨルカ島、波濤立つ崖の上、島の伝統技法で造られた大理石の空間、カン・リスが立つ。そこに広がるのは輝く果てしない海。建築家はそこからシドニー湾のオペラハウスに思いを馳せたのだろう。その主任設計技師だったヨーン・ウツソンは膨れあがった予算を理由に解雇され、故郷へ失意の帰途この島に立ち寄り、夏の家を建てた。そしてこの島で建築への情熱を取り戻した。欠落を満たしたマヨルカの夢、輝きの建築。

#52 神話の家 カサ・バルベイ

#52 神話の家 カサ・バルベイ

2013年02月06日放送
スペイン バルセロナ 1911年 建築家:マヌエル・ホアキン・ラスパル・マヨル
古くからの建築が並ぶ夏のリゾート地に、ひとつのサマーハウスが立つ。百年の時を刻んだ神話の家、カサ・バルベイ。20世紀初頭のモデルニスモ建築。それは美しい曲線遣いと、優美な装飾から成る。その装飾には人々が語り継いできたカタルーニャ地方の神話が息づいている。ここでは物語が住み手。通りを行く人々はしばしばこの家の前で歩みを止める。カタルーニャの守護神は「時」を渡る語り手にこの建築を選んだ。

#51 白の革命 ヴィラ・サヴォア

#51 白の革命 ヴィラ・サヴォア

2013年01月30日放送
フランス・パリ 1931年 建築家:ル・コルビュジエ
地上に舞い降りた宇宙船。そう表現された建築、ヴィラ・サヴォア。その白い家は、富を顕示する為の装飾を捨てた。コルビュジエは宗教と階級から解放させたモダニズムという名の建築の革命を起こした。その建築は鉄の骨により壁が重力から放たれ、レイアウト自在の空間を手に入れた。現代の生活様式はここから始まった。住み手が自由を手にした、革命のパンドラ。

#50 ル・コルビュジェ 巨人の覚醒 ヴィラ・シュウォブ

#50 ル・コルビュジェ 巨人の覚醒 ヴィラ・シュウォブ

2013年01月23日放送
スイス ラ・ショー=ド=フォン 1916年  建築家:ル・コルビュジエ
青年エドゥアールが、故郷と決別するきっかけとなったヴィラ・シュウォブという建築がある。その邸では柱から、建築を構成する新たな試みが行われた。重力から解き放たれた壁は、自在なレイアウトが可能となった。しかし、当初の建築予算は膨れあがり設計者の青年は、解雇されパリへと旅立つ。しかしこの建築がその才能を世に知らしめることになる。彼は新天地でル・コルビュジエという新たなペンネームを名乗ることとなる。

#49 ル・コルビュジェ 別れの予感 ヴィラ・ジャンヌレ

#49 ル・コルビュジェ 別れの予感 ヴィラ・ジャンヌレ

2013年01月16日放送
スイス ラ・ショー=ド=フォン 1912年 建築家:ル・コルビュジエ 
町外れの小高い丘に、ある建築家が両親へと贈った、ひとつの住まいがある。ヴィラ・ジャンヌレ。メゾン・ブランシュ、白の家とも呼ばれる。白い寺院建築と光の回廊を融合させた建築。空間は広く、開放的。大きな窓は室内を光で満たし、外の世界を繋ぐ。設計を手がけたのは、建築を巡る旅から戻った25歳のコルビュジェ。美しい住みかの完成を喜ぶ一方、両親は苦悩する。その才能の飛躍が家族との別れを予感させた。

#48 ル・コルビュジェ 17歳の原点 ヴィラ・ファレ

#48 ル・コルビュジェ 17歳の原点 ヴィラ・ファレ

2013年01月09日放送
スイス ラ・ショー=ド=フォン 1906年 建築家:ル・コルビュジエ 
スイス、ラ・ショー=ド=フォン、ヴィラ・ファレ。その別荘の大胆な造形に人々は驚かされた。手がけたのは、美術学生の少年。父から教わった精巧な装飾技術が、建築に活かされた。視力の悪化から時計職人の道を断念した彼は、教師から建築家への道を勧められる。芸術は自然の中にあると説いた教師の教えは、彼の建築の才能を開花させた。モダニズムの金字塔を創るコルビュジエ、17歳の原点。

#47 直線のパロール ハウ・ハウス

#47 直線のパロール ハウ・ハウス

2012年12月26日放送
アメリカ・ロサンゼルス 1925年 建築家:ルドルフ・シンドラー
ハリウッドの東、シルバーレイクに、ある現代建築が建つ。ハウ・ハウス。その特徴は、繰り返されるひたすら続く緻密な直線。モダンでありながら冷たさを感じることはない。その理由はセコイアの木。
時の経過と共に限りある時間を生きる。失われていくからこそ今この瞬間を温める。それが建築に託された語りかける言葉、直線のパロール。

#46 棲息する空間 シリコン・ハウス

#46 棲息する空間 シリコン・ハウス

2012年12月19日放送
スペイン・マドリード 2006年 建築家:セルガスカノ
スペイン・マドリードの郊外に森の中へと誘い込む一つの扉が開く。それは森の息吹の中に立つ、自然の中に生息する空間。そこでは何もかもが溶け合っている。半地下の空間から望む、視線の高さに走る大地のライン。緑の中で目覚め自然の中に眠る。絶えず変化し続ける四季の自然。自然と歳月を共にする空間の中、建築とは何かと問いかける。

#45 琥珀の家 レヴェン・ハウス

#45 琥珀の家 レヴェン・ハウス

2012年12月12日放送
スペイン・マドリード 2006年 建築家:エドゥアルド・アロヨ
マドリードの郊外の森、木々の合間を縫って一つの建築が立つ。建築家エドゥアルド・アロヨは一本の木も切らない、全ての木々を残す試みをした。木々の間に予め存在した、自然の中の空間。森の余白を画家のようになぞり、建築の姿とした。どこまでが森でどこからが建築なのか、その答えは歳月と共に変わるだろう。森に育まれ、森の中に自生する、琥珀の家。

#44 再会の家 ザ・リユニオン・ハウス

#44 再会の家 ザ・リユニオン・ハウス

2012年12月05日放送
アメリカ・ロサンゼルス 1949年 建築家:リチャード・ノイトラ
ロサンゼルスの郊外に、建築家が物語を込めた家が立つ。設計にあたって彼は、離れて暮らす家族の再会する場所をイメージした。
ノイトラは世界を飛び回る日々の中、ふと、遠くに残した家族を想ったのだろう。息子ディオンは同じ建築の道に進み、のちにこの家を父と共にした。
リユニオン・ハウス、その意味は再会の家。架空から生まれた、真実の物語。

#43 スロウ・スカイライト シーツ・ゴールドスティーン邸

#43 スロウ・スカイライト シーツ・ゴールドスティーン邸

2012年11月28日放送
アメリカ・ロサンゼルス 1963年 建築家:ジョン・ロートナー
ロサンゼルス市を一望する丘にミュージアムかと見まがう邸宅が建つ。しかし内部に入ると、空間を充たすカリフォルニアの太陽。屋根にある天窓、スカイライトは、壁の窓に比べ三倍もの光を取り入れるといわれる。
建築家ジョン・ロートナーは陽だまりという日常を忘れない。人生に寄り添う、スロウ・スカイライト。まどろみの光の中、その建築は存在する。

#42 レディメイド シェルター・アイランド・パビリオン

#42 レディメイド シェルター・アイランド・パビリオン

2012年11月21日放送
アメリカ ニューヨーク 2010年 建築家:ピーター・スタンバーグ&ポール・アフェリアット
マンハッタンからイースト・リバーを渡ると極彩色の神殿に辿り着く。20世紀の始めに物議を醸し出したミースの「バルセロナ・パビリオン」から影響を受けているだけではない。既製品をそのままアートとして展示したレディメイド「デュシャンの泉」は、芸術とは何かと問いかけた。既製品のゴム、パンチング・スチール、プラスティック等の素材で作られたシェルター・アイランド・パビリオンは、建築とは何かと問いかける。

#41 五線譜の直線 ブゼリアス・ハウス

#41 五線譜の直線 ブゼリアス・ハウス

2012年11月14日放送
スイス・マッジョーレ湖 1966年 建築家:リチャード・ノイトラ
スイスとイタリアとの国境に跨がって広がるマッジョーレ湖を望むブゼリアス・ハウス。建築家リチャード・ノイトラは、絶景の丘に立つ直線で構成した単純線の美を創作した。そのすべては、まるでこの景色を縁取るフレーム。軽快なリズムに弾む、単純線の美。景色と響きあう直線の旋律は空間を奏で、建築が謡う五線譜の直線で作られた組曲の家となる。それはまるで建築家による、ひとつの音楽のようだ。

#40 トランスレーション ツォフィンゲンハウス

#40 トランスレーション ツォフィンゲンハウス

2012年11月07日放送
スイス・ツォフインゲン 1993年 建築家:マリオ・ボッタ
円と線、幾何学が作る、遺跡のような外観。ここは、インテリア・デザイナーのギャラリー兼住まい。いまも城壁に覆われる、かつての城塞都市ツォフインゲンに建築家マリオ・ボッタは、街の歴史をひとつの建築に翻案した。
ボッタは言う。『建築家は、歴史を空間へと変える、翻訳者だ』と。
ツォフインゲンハウスは歴史への敬意が生んだトランスレーション・アーキテクチャとして存在する。

#39 路上の建築 キーフーフーク・ハウジング

#39 路上の建築 キーフーフーク・ハウジング

2012年10月31日放送
オランダ・ロッテルダム 1930年 建築家:ジェイコブ・アウト
ロッテルダムの主任都市計画家だった建築家、ジェイコブ・アウトは様々な人種が暮らす郊外に、労働者の為の集合住宅を作った。舗道に沿う水平のライン、丸みを帯びた角のアールが注目を浴びた。建築と都市デザインを一体化させることで「街」に命を吹き込もうとしたのである。街と共にデザインされたこの建築は、その立地を「我が町」とする。街と共に立つオン・ザ・ロードの建築なのである。

#38 カラード・モダニズム ゾンネフェルト邸

#38 カラード・モダニズム ゾンネフェルト邸

2012年10月24日放送
オランダ・ロッテルダム 1933年 建築家:ヨハネス・ブリンクマン&リーンデルト・ファン・デル・フルーフト
設計者らがオランダを代表する機能主義建築家だけあって、この邸宅はモダニズムからの影響が色濃い。白い外壁、直線の外観と連続する水平窓により、多重に強調された水平のラインは、モダニズム建築ならではのものである。更にこの建築は、用途や効果的な心理作用が働くようにと、各部屋ごとにテーマカラーが決められており、住む者の日常を彩っている。

#37 四次元の建築 WoZoCo

#37 四次元の建築 WoZoCo

2012年10月17日放送
オランダ・アムステルダム 1997年 建築家:MVRDV
MVRDVは、厳しい敷地規制が課せられる中、それを補うために建築を空中に張り出し100戸の住居を作りあげた。建築から突き出す無数のバルコニーと巨大な居室。プライベート・スペースが、パブリック・スペースに突き出すというアイロニーが効いて面白いと評価されるが、実はこの建築物は、高齢者向けに作られた集合住宅。高齢者向けに作られているため、室内は機能的なユーティリティが確保されている。

#36 未亡人の恋 シュレーダー邸

#36 未亡人の恋 シュレーダー邸

2012年10月10日放送
オランダ ユトレヒト 1924年 建築家:ヘリット・リートフェルト
異彩の家具デザイナーだったリートフェルトは、シュレーダー未亡人のオーダーにより、この作品で建築家としてのデビューを飾った。彼の処女作にして最高傑作が、このシュレーダー邸である。未亡人と3人の子供達の為に設計されたこの家は彼が家具デザイナー時に築いたスタイルが応用され、直線と三原色で綴る抽象絵画のような建築物に仕上がっている。

#35 立方体の村 キューブ・ハウス

#35 立方体の村 キューブ・ハウス

2012年10月03日放送
オランダ・ロッテルダム 1977年 建築家:ピエト・ブロム
この建築は斜め45度に傾けた立方体を、38個連結させるという奇抜な外観なため、多くの人々にパビリオン的なモノとみなされるが、れっきとした住宅建築。コンセプトは、「都会の中にひとつの村を作ること」。一階部分は、店舗やオフィスが並び、学校などパブリックスペースを備えた、まさに実験的な集合住宅であり、村である。

#34 秘められた空間 ミュラー邸

#34 秘められた空間 ミュラー邸

2012年09月26日放送
チェコ・プラハ 1930年 建築家:アドルフ・ロース
この邸宅は20世紀を代表する建築家の一人、アドルフ・ロースの代表作の一つであり、初期近代建築のパイオニアとして知られる。エンジニアでカスパ&ミュラーという会社の共同経営者であるミュラー氏夫妻の邸宅として建てられた。この邸宅は、経済的で機能的というロースの考えを具体化した邸宅であり、ロースの居住空間コンセプト「ラウムプラン」を実現したものである。

#33 甘美なる光 オルタ邸

#33 甘美なる光 オルタ邸

2012年09月19日放送
ベルギー・ブリュッセル 1901年 建築家:ヴィクトール・オルタ
この邸宅を構成している2つの建物は1898年から1901年にかけて建設された。この2棟は一対として構想され、それぞれが独立した建物となっている。これは私的な空間とアトリエを明確にするためである。光が階段上にあるガラス天井から取り入れられ、中央の部屋が比較的暗くなる事が多かった当時の家屋と比べて家の中心部まで遥かに明るいのが特徴的だ。

#32 空間の果実 ザ・リビング・ルーム

#32 空間の果実 ザ・リビング・ルーム

2012年09月12日放送
ドイツ・ゲルンハウゼン 2005年 建築家:フォーマルハウト
ガブリエラ・セイフェルトとゴッツ・ストックマンによる建築ユニットで、フォーマルハウトの代表的な作品がこのリトル・レモン・ハウス。フランクフルト郊外、ゲルンハウゼンの歴史地区に建てられた彼ら自身の邸宅である。外壁に空けられた52の窓が特徴的である。さらに寝室はまるで引き出しのように外へとスライドし、夜空の下での睡眠をもたらしてくれる。

#31 船の原風景 シュミンケ邸

#31 船の原風景 シュミンケ邸

2012年09月05日放送
ドイツ・レーバウ 1933年 建築家:ハンス・シャロウン
シャロウンは、ベルリン・フィル・ハーモニーのコンサートホール等の設計で知られるドイツの近代建築家。シュミンケ邸は、彼の最も著名な個人邸宅の作品である。ナチス・ドイツの時代になり、多くの建築家が国外に脱出したが、シャロウンはドイツにとどまった。この時代、シャロウンは少数の個人住宅しか手がけていないが、シュミンケ邸はこの時代のものである。

#30 百年の建築 ガルテンスタッド・ファルケンベルク

#30 百年の建築 ガルテンスタッド・ファルケンベルク

2012年08月29日放送
ドイツ・ベルリン 1913年 建築家:ブルーノ・タウト
ガルテンスタッド・ファルケンベルクとは1913年よりベルリンに建てられた、労働者のための集合住宅である。当時ドイツの集合住宅は軍服のような色をしていたが、ブルーノ・タウトは、集合住宅に個性的な色彩をもたらした。その革命的な色彩は、当時激しい批判を受けた。だが彼が目指していたものは、彼が夢見た豊かな色彩と緑あふれるグリーンシティのあり方だった。

#29 座標の家 北緯47度40分48秒 東経13度8分12秒の家

#29 座標の家 北緯47度40分48秒 東経13度8分12秒の家

2012年08月22日放送
オーストリア・ザルツブルグ 2007年 建築家:フロックナー+シュノール
地球上の座標をそのまま名前にした、アルプスの麓の牧草地に立つ邸宅。地中から姿を現したかのようなスリークなフォルム。その空間はひたすら大地と連続している。その不思議な邸宅は、地上のその場所に、新たな空間を再定義する。

#28 装飾は、罪 シュタイナー邸

#28 装飾は、罪 シュタイナー邸

2012年08月15日放送
オーストリア・ウィーン 1910年 建築家:アドルフ・ロース
「装飾は罪だ」建築家アドルフ・ロースはそう言った。彼は創造性を失った装飾を罪と考え、機能的な美しさを目指した。シュタイナー邸は、そのロースの初期の代表的な作品の一つ。一見重厚に見えるが、それは調度品に依る。細部に見ることのできる無装飾の美。そこに、過去の反復から脱却しようとした、モダニズムの夜明けを見ることができる。

#27 父ありき シャルロット・ハウス

#27 父ありき シャルロット・ハウス

2012年08月08日放送
ドイツ・シュトゥットガルト 1993年 建築家:ギュンター・ベーニッシュ
ベーニッシュは戦後のドイツで最も成功した建築家の一人であり、オリンピック・スタジアムなどの大規模な国家プロジェクトを手がけたドイツ建築界の重鎮である。しかしベーニッシュが愛娘に贈った邸宅は、そんな大規模建築からは想像もつかない、小さな質朴な邸宅だった。そこには建築家である前に、一人の父親としてのベーニッシュの姿が感じられる。

#26 神の家 トゥーゲントハット邸

#26 神の家 トゥーゲントハット邸

2012年08月01日放送
チェコ・ブルノ 1930年 建築家:ミース・ファン・デル・ローエ
近代建築四大巨匠の一人、ミース・ファン・デル・ローエの最高傑作であるトゥーゲントハット邸。2001年には世界遺産にも登録された近代建築史上最も重要な建築の一つだ。一面ガラス張りの壁、無駄なものは何一つないミニマリズム。ミース・ファン・デル・ローエが示したモダニズムの指標は、80年以上たった今もなお革新的である。

#25 重力の開放 ザ・サイドラー・ハウス

#25 重力の開放 ザ・サイドラー・ハウス

2012年07月25日放送
オーストラリア・ニューサウスウェールズ州 2000年 建築家:ハリー・サイドラー
ユーカリの原生林に囲まれた手付かずの自然の中、崖の上に建つ壮大な建築、ザ・サイドラー・ハウス。それは巨匠ハリー・サイドラーが晩年に見せた創造の飛躍の形だ。鉄鋼技術の発達が、四方がガラスの壁の上に、浮かんでいるかのように存在する巨大な屋根や、崖の端を越えて張り出すテラスといった、重力から開放された自在な設計を可能にした。

#24 感光する空間 バルメイン・ハウス

#24 感光する空間 バルメイン・ハウス

2012年07月18日放送
オーストラリア・ニューサウスウェールズ州 2010年 建築家:ショーン・カーター
古くは労働者の街だったバルメインにあるこの邸宅は、古いコテージに新しい現代住居を増築した二つの時代を渡る建築である。その特徴は、まるで現代アートのような格子状のリア・ファサード。生活に光をもたらすように、と言う住み手からの依頼に応え、時と共に変化する太陽の輝きを見事に導き、光を取り込む創意工夫によるものだった。

#23 アールデコの蒸気船 ヴィラ・ポール・ポワレ

#23 アールデコの蒸気船 ヴィラ・ポール・ポワレ

2012年07月11日放送
フランス・パリ 1925年 建築家:ロベール・マレ=ステヴァン
パリ郊外、セーヌ川近くの緑豊かな土地に立つヴィラ・ポール・ポワレ。雄大なモダニズム邸宅の中に見える、蒸気船をモチーフとしたアールデコのデザイン。それはこの邸宅がとどめる、最初の主であるファッションデザイナー、ポール・ポワレと、彼の後この邸宅に住んだ当時の人気女優という、二人の主の記憶だった。

#22 伝統の飛躍 カサ・ラ・リカルダ

#22 伝統の飛躍 カサ・ラ・リカルダ

2012年07月04日放送
スペイン・バルセロナ 1963年 建築家:アントニオ・ボネット
バルセロナ郊外の、海岸を望む土地に立つカサ・ラ・リカルダ。それは伝統と革新の二つの技術を取り入れた唯一無二の邸宅だ。バルセロナ出身の建築家、アントニオ・ボネットは、自身の故郷の伝統的工法、カタランヴォールトを、この近代建築に取り込んだ。美しいカーブを描くレンガ造りのヴォールト天井。伝統の美がモダニズムの中に飛躍する。

#21 断崖の彫刻 シルバー・ハウス

#21 断崖の彫刻 シルバー・ハウス

2012年06月27日放送
スペイン・ジローナ 2006年 建築家:ジョルディ・ガルセス
地中海沿岸の崖の上に立つシルバー・ハウス。開放的空間と、眺望との連続性を求め、限りなく境界線を配したデザインによって、内部のみならず外部さえも、絶壁にありながら一切の防護壁は造られていない。その大胆不敵なデザインは、そこに住まうものに、果てしなく広がる空と海をもって、常に驚きと無防備なまでの自由を与える。

#20 クラフトマンの私小説 メゾン・ド・ジャン・プルーヴェ

#20 クラフトマンの私小説 メゾン・ド・ジャン・プルーヴェ

2012年06月20日放送
フランス・ナンシー 1954年 建築家:ジャン・プルーヴェ
ドイツ国境に近い街ナンシーの外れにあるハンドクラフトのような建築。それは近・現代の建築の工業化に多大な影響を及ぼしたジャン・プルーヴェの自宅兼アトリエ。アルミ製の扉、軽量なサッシ、鉄製のフレームを組み合わせて造ったこの邸宅をプルーヴェ自身は「集合体」と呼んだ。この邸宅は自らを建設家と呼んだジャン・プルーヴェの精神を語っている。

#19 大地の建築 ムーンライト・エスケープ

#19 大地の建築 ムーンライト・エスケープ

2012年06月13日放送
オーストラリア・ヴィクトリア州 2007年 建築家:グレン・マーカット
大地に優しく触れるフィロソフィーのもと、特徴的なルーフによる光のマネジメントが見事である。

#18「終わりなき空間 ローズ・サイドラー・ハウス」

#18「終わりなき空間 ローズ・サイドラー・ハウス」

2012年06月06日放送
オーストラリア・ニューサウスウェールズ州 1959年 建築家:ハリー・サイドラー
サイドラーはこの邸宅で、バウハウスの理論を見事に実践し、自身が憧れる自由を表現した。

#17「ジローナの神殿 カサ・アンポルダ」

#17「ジローナの神殿 カサ・アンポルダ」

2012年05月30日放送
スペイン・ジローナ 1973年 建築家:リカルド・ボフィル
バルセロナを代表する世界的建築家リカルド・ボフィルが自身の両親と夏の余暇を過ごす為に造った邸宅、カサ・アンポルダ。古代の神殿を髣髴させるレンガ造りの荘厳な外観。しかしその外観とは裏腹に、内部には住み手に優しい空間が広がっている。ボフィルは、その技巧を凝らし、家族と暮らすかけがえの無い時間を演出しようとした。

#16 スロー・アーキテクチャ メゾン・カレ

#16 スロー・アーキテクチャ メゾン・カレ

2012年05月23日放送
フランス・パリ郊外 1959年 建築家:アルヴァ・アアルト
メゾン・カレは、20世紀を代表する建築家アルヴァ・アアルトの、フランスでの唯一の作品。著名な画商だったルイ・カレの邸宅として建てられた。アートを展示しアーティストとの交流の場としてデザインされたパブリックスペース。一方、そこから明確に区切られた、私生活の為の空間。それは暮らしを見つめたアアルトの想像力の形だった。

#15 コンテンポラリー・シャトー メゾンL

#15 コンテンポラリー・シャトー メゾンL

2012年05月16日放送
フランス、パリ近郊、歴代のフランス君主が住み告いだ土地イヴリーヌ。その丘の、5000㎡にも及ぶ広大な敷地に立つ現代邸宅、メゾンL。この邸宅は、18世紀に建てられた、かつて上流階級の社交の場サロンを兼ねた果物の温室オランジェリーに連結される形で建てられている。白いセメントと石材によって造られた、5つのタワーをキャノピーで連結する不思議な外観は、まるで中世ヨーロッパの城を思わせる。

#13 コルビュジエの沈黙

#13 コルビュジエの沈黙

2012年05月02日放送
フランス・パリ 建築家:ル・コルビュジェ

パリ近郊の住宅地にある、近代建築の巨匠ル・コルビュジェが建てた一軒の邸宅、ジャウル邸。アーチ状のヴォールト天井やレンガ造りといった特徴のこの邸宅は、コルビュジエの作品の中でも異色とされ、彼の示したモダニズムに逆行するものだという指摘もされる。しかしその邸宅は、暮らしとの結びつきという、住まいの原点に立ったコルビュジエの精神を語っている。

#12 “大自然との組曲” サザン・オーシャン・ロッジ

#12 “大自然との組曲” サザン・オーシャン・ロッジ

2012年04月25日放送
オーストラリア・カンガルー島 建築家:マックス・プリッカード

オーストラリアの南、南極海を望むカンガルー島。美しい大自然のランドスケープと一体を成す、サザン・オーシャン・ロッジ。全客室に絶景の眺望をもたらす長屋式の設計、自然の素材、再利用の素材を取り入れた環境への配慮。カンガルー島で生まれ育った設計者マックス・プリッカードは、建築が自然への侵略者ではないことを目指した。

#11 “波音の建築” ザ・ウェーブ・ハウス

#11 “波音の建築” ザ・ウェーブ・ハウス

2012年04月18日放送
オーストラリア、ニューサウスウェールズ州、ピットウォーター。そこは、ヨット・レースの地として知られる透き通る様な水面のハーバー。この美しい入江に臨む、或る一軒の建築がある。ザ・ウェーブ・ハウス。その名が現わす通り、特徴的な屋根の造形を持つ。まるで、ビッグ・ウェーブを象ったような鉄製のルーフ。その彫刻のような造形が、目を瞠る。

#10 “美の数式” ボイド・ベイカー・ハウス

#10 “美の数式” ボイド・ベイカー・ハウス

2012年04月11日放送
オーストラリア・メルボルン 建築家:ロビン・ボイド

オーストラリア、大陸南東の都市、メルボルン。長い林道を抜けたその閑静な郊外に、数学と深く結び合う、或る一軒の現代建築がある。ボイド・ベイカー・ハウス。設計を依頼したのは、著名な数学者、ベイカー博士。彼の愛した数学理念が、幾何学的計算を重要視した設計者のロビン・ボイドの思いと共に、この邸宅の造形に現われていた。

#9 海景のヴィラ ザ・ポール・ハウス

#9 海景のヴィラ ザ・ポール・ハウス

2012年04月04日放送
オーストラリアの南東、ヴィクトリア州の沿岸を走るグレート・オーシャン・ロード。この長い海岸道の並びに奇跡のようなひとつのヴィラが建つ。ザ・ポール・ハウス。まるで、海の上に、浮遊しているかのような建築・・・。その驚異的な立地は、高さ40メートルの柱が支えている。設計者は、エンジニアでもある建築家、フランク・ディクソン。彼の作り出した巨塔は存在する筈のない空間を地上に出現させた。

#8 リチャード・ノイトラ邸 建築の調べ

#8 リチャード・ノイトラ邸 建築の調べ

2012年03月28日放送
アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス 1932年 建築家:リチャード・ノイトラ
L.Aのシルバーレイクにある、リチャード・ノイトラの自宅兼スタジオ。彼は巨匠フランク・ロイド・ライトに建築を学んだ。しかし、芸術家然とした師匠に対し、彼の姿勢は、「建築家は人間を自然との調和の中に戻す治療者」というものだった。このノイトラの哲学は、自身の邸宅にも現れている。彼はここで数々の著名な建築をデザインした。

#7 ザ・ギャンブル・ハウス 追憶のアメリカ

#7 ザ・ギャンブル・ハウス 追憶のアメリカ

2012年03月21日放送
アメリカ・カリフォルニア州パサディナ 1908年 建築家:グリーン兄弟
P&G社創始者の息子、富豪デビッド・ギャンブルが、寒さをしのぐ別荘として建てたザ・ギャンブル・ハウス。この邸宅はアメリカの工芸品と称えられている。木をふんだんに使った建物、室内のインテリアにあわせて作られた完全オーダーメイドの家具は、そこに住まうものに温もりを与えている。それは当時のあたたかなアメリカを私たちに伝えている。

#6 フィッツパトリック・リーランド・ハウス 空間を放つ

#6 フィッツパトリック・リーランド・ハウス 空間を放つ

2012年03月14日放送
アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス 1936年 建築家:ルドルフ・シンドラー
ハリウッドの豪邸が並ぶ一画にある、フィッツパトリック・リーランド・ハウス。設計はフランク・ロイド・ライトの弟子、ルドルフ・シンドラー。この邸宅は、より開放感を与えるために壁を使わずに空間を分けている。しかし、今でこそ近代建築のパイオニアと称されるシンドラーだが、そのデザインの先進性ゆえ、彼は長く不遇の時代を過ごした。

#3 ホテル・ロートナー 砂漠の宝石

#3 ホテル・ロートナー 砂漠の宝石

2012年03月07日放送
1947年(アメリカ・カリフォルニア州デザート・ホット・スプリングス)建築家ジョン・ロートナー

L.A.から東へ100マイルの砂漠に建つ、部屋数4部屋のホテル。このホテルはハリウッドの黄金期を支えたプロデューサー、ルシアン・ハバードの「銀幕のスター達の秘密の隠れ家を作ってほしい」という依頼を受け造られた。ハリウッドスターたちは、銀幕の世界から離れ、そこで失われた自分自身を取り戻していたのかもしれない。

#5 グロピウス・ハウス 最先端のミニマリズム

#5 グロピウス・ハウス 最先端のミニマリズム

2012年02月08日放送
アメリカ・マサチューセッツ州リンカーン 1938年 建築家:ヴァルター・グロピウス

20世紀以降の建築やデザインに多大な影響を与えたバウハウスの創立者であるヴァルター・グロピウス。ハーバード大学に招かれ、教鞭をとる事になったグロピウスが、住居として建てたこの邸宅にも、バウハウスの思想が体現されている。グロピウスのデザインとは、そこに住まうものに豊かな生活を提供する、機能美を追及したものだった。

#4 ホリーホック・ハウス 古代遺跡の夢

#4 ホリーホック・ハウス 古代遺跡の夢

2012年02月01日放送
アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス 1922年 建築家フランク・ロイド・ライト

ホリーホック・ハウスは、石油による遺産相続を受けた、アライン・バーンズデールの邸宅として設計された。ホリーホックとはタチアオイのこと。この邸宅はタチアオイをはじめ植物をモチーフとした装飾によって彩られている。その幾何学的な文様は、少年時代のフランク・ロイド・ライトが憧れた、マヤ、インカといった文明の神殿を彷彿とさせる。

#2 ジマーマン・ハウス 終の棲家

#2 ジマーマン・ハウス 終の棲家

2012年01月18日放送
アメリカ・ニューハンプシャー州マンチェスター 1950年 建築家:フランク・ロイド・ライト

巨匠フランク・ロイド・ライトが、83歳の時に設計したジマーマン・ハウス。老夫婦が余生を過ごす為の終の棲家として 彼はインテリア、家具、庭、そして郵便受けまで、すべてのデザインを設計し、また選んだ。ライトは、91年の生涯の中で800以上の設計を行っている。
彼の建築は機能的で、住む人のさまざまな希望に対応できるように工夫されている。彼がデザインした住宅は、ユーソニアン・スタイル住宅と呼ばれ、自然と建物の共存をテーマにデザインされている。このジマーマン・ハウスもその一つである。

#1 ザ・スタール・ハウス 現代の神殿

#1 ザ・スタール・ハウス 現代の神殿

2012年01月11日放送
アメリカ・ロスアンジェルス郊外 1960年 建築家:ピエール・コーニッグ 

ザ・スタール・ハウスは1945年から1966年にかけてアーツ&アーキテクツ誌に掲載された「ケース・スタディ・ハウス」の一つである。それは、当時活躍していたアメリカのモダニズムを代表する建築家たちによって設計された。それらは当時の時代性を反映し、複製や大量生産が可能な、合理的な住宅を目指して設計された。このザ・スタール・ハウスは、その#22だった。
しかしロサンゼルスの街を見渡す神殿のように建つ巨大なガラス張りの住宅、「ザ・スタール・ハウス」は、大量生産や合理性とは違った独自性を持っていた。そこには合理性の中に詰め込まれた夢があった。

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