家康は、今川家の人質となっている間、臨済宗の僧侶・雪斎による高度な教育を受けました。雪斎は、臨済寺の住職であり、今川義元の軍師でもありました。

元亀３年（1572）、「三方ヶ原の戦い」で、武田軍に敗れた家康は、居城・浜松城に逃げ帰るなり、自らの恐怖に震えた体と歪んだ顔を描かせました。家康は、「しかみ像」と呼ばれるこの肖像画を、戒めとして終生手元に置いたといいます。

家康は、関ヶ原合戦で西軍についた大名から没収した領地を、味方した大名たちの論功行賞にあてました。東軍勝利への貢献が特に高かった福島正則は、尾張24万石から安芸50万石へ国替えを受けることとなりました。

家康は、晩年を駿府城で過ごし、元和２年（１６１６年）４月１７日に亡くなりました。家康は、遺骸を久能山に埋葬するよう家臣に託しました。死後、遺骸はただちに久能山に葬られ、二代将軍秀忠の命で、家康を祀る久能山東照宮が造営されました。

天正７年（1579）、同盟相手の織田信長から家康の正室と長男に謀反の疑いがかけられました。飛ぶ鳥を落とす勢いの信長に逆らえず、家康は正室・築山殿を殺害し、長男・信康に切腹をさせました。家康は終生このことを悔やんでいたといいます。