「江戸のススメ」検定問題

2012年8月6日 放送更新版

問一

怪談『番町皿屋敷』をモチーフとした幽霊画『百物語 さらやしき』の作者は誰でしょう?

い)東洲斎写楽

ろ)葛飾北斎

は)歌川広重

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【回答】ろ)葛飾北斎
【解説】

葛飾北斎は、『番町皿屋敷』のお菊が古井戸から顔を出している姿を描きました。井戸から乗り出した身体は、何枚にも重なったお皿にして表現されています。庶民の間で流行した百物語を題材にしたシリーズで、他に『岩さん』『こはだ小平次』『しうねん』などがあります。

問二

「皿屋敷」怪談のひとつで、寛保1年(1741年)の豊竹座初演の演目は何というでしょう?

い)播州皿屋敷

ろ)番町皿屋敷

は)新皿屋敷月雨暈

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【回答】い)播州皿屋敷
【解説】

皿屋敷伝説は、福岡県碓井町、滋賀県彦根市など、全国48箇所で語り継がれています。その多くは、主家秘蔵の一揃いの皿のうち1枚を割った(ものとされた)女が井戸に投身もしくは惨殺されるものです。寛保1年(1741年)の豊竹(とよたけ)座初演の作品の皿屋敷伝説をモチーフとした作品は、『播州皿屋敷』という演目です。

問三

鶴屋南北は1世から5世までの5人います。『東海道四谷怪談』の作者・鶴屋南北は何世でしょう?(代数は「南北」で数えています。)

い)3世

ろ)4世

は)5世

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【回答】ろ)4世
【解説】

鶴屋南北(なんぼく)は、3世までは江戸歌舞伎の道化方(どうけかた)で、4世から歌舞伎作者になり、5世まで続きました。鶴屋は屋号で、2世までは南北孫太郎、3世からは鶴屋南北を名乗りました。文政8年(1825年)江戸・中村座初演の『東海道四谷怪談』の歌舞伎脚本は、4世鶴屋南北が書き下ろしました。

問四

四谷怪談のお岩さんの墓所はどこにあるでしょう?

い)於岩稲荷田宮神社

ろ)陽運寺

は)妙行寺

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【回答】は)妙行寺
【解説】

歌舞伎や映画などで『四谷怪談』を制作・上演する際にお参りする場所として、四谷・左門町の於岩稲荷田宮神社と陽運寺と、西巣鴨の妙行寺があります。『四谷怪談』のお岩は、鶴屋南北による創作で、こちらで祀られているお岩は、江戸初期、自ら商家に奉公に出てお家を復活させたという働き者の女性といわれています。お岩の墓所と伝えられるものは、明治時代に四谷から巣鴨に移転した妙行寺にあります。

問五

弘前・久渡寺の『幽霊図』などの幽霊画を描いたとされる江戸中期の画家は誰でしょう?

い)円山応挙

ろ)狩野探幽

は)伊藤若冲

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【回答】い)円山応挙(おうきょ)
【解説】

円山応挙は、国宝の『雪松図屏風』や『牡丹孔雀図』などで知られる江戸時代を代表する画家です。応挙作と伝えられるものは、いずれも若く美しい女性で、身体の下3分の1ほどは何も描かれず『足のない幽霊』となっています。

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