「江戸のススメ」検定問題

2012年4月30日 放送更新版

問一

江戸時代、寺子屋では、主に何と呼ばれる本(物)を教科書として用いたでしょう?

い)世話物

ろ)雑話物

は)往来物

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【回答】は)往来物
【解説】

「往来物」とは、本来は往復形式の手紙でありますが、寺子屋で教科書として用いられました。寺子屋では、習字を中心に、算術、漢字の素読、裁縫などを教えていました。基本は職業別のもので、実際に出版されたものだけでも7000種に及んでいました。商売用語を学ぶための「商売往来」、農業用語を学ぶための「農業往来」、「職人往来」、「問屋往来」など、一冊読めば、その職業に必要な知識と、読み書きが覚えられるようにできていました。

問二

寺子屋の入学・卒業を、当時の言葉で何と呼んだでしょう?

い)入学・退学

ろ)登山・下山

は)入門・出門

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【回答】ろ)登山・下山
【解説】

寺子屋入学と「寺上り」と呼ぶ他、入学を「登山」、卒業を「下山」などといいました。6歳ぐらいで就学する子が多かったようですが、早い子で5歳、遅い子で10歳ぐらいと、その時期はまちまちでした。盛大な儀礼が行われることもあり、町人であっても、子どもたちが全員正装、入学する子どもが麻裃着用で臨むこともあったようです。

問三

吉田光由を主著とする庶民と算術を結びつけた江戸時代の算術書の名は?

い)塵劫記

ろ)商売往来

は)算法統宗

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【回答】い)塵劫記
【解説】

和算家吉田光由(1598~1672)主著の算術書で、著名は仏教用語の「塵点劫」に由来します。大数・小数の名、掛算九九から、金銀の両替、米や材木の売買といった実用問題や、ネズミ算などの数学遊びを、図解を交えながら説明しています。

問四

儒学者であり本草学者の貝原益軒の執筆した教育書の名前は?

い)大和本草

ろ)御手本

は)和俗童子訓

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【回答】は)和俗童子訓
【解説】

江戸時代の儒学者貝原益軒による教育書です。健康な生活について書かれた「養生訓」、薬用植物を扱う本草学の著書「大和本草」と並ぶ貝原益軒の代表作です。日本における教育論のさきがけと云うべきもので、親の子煩悩を痛烈に嗜めるなど、幼児教育の重要性にも着目しています。

問五

寺子屋で使われる生徒の机は何とよばれていたでしょう?

い)寺子机

ろ)天神机

は)大学机

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【回答】ろ)天神机
【解説】

師匠の机は唐机、寺子屋の生徒が使っていた座り机は天神机とよばれていました。「天神」とは学問の神様として祀られる菅原道真公のことで、「天神机」の名は、「天神様にちなんでつけられた」とか、「脚の部分が神社の鳥居に似ているから」といった説があります。寺子屋での「手習い」は、読み書きが中心で、生徒たちは、前日教室の隅に片付けた天神机を取り出して、勉強していたようです。

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