今週の謎

#37 2012年12月10日放送

今週のテーマ:「忠臣蔵」

今からおよそ300年前、江戸城・松の大廊下において,幕府を震撼させる事件が起こりました。浅野内匠頭長矩が、殿中で吉良上野介義央を斬りつけ、浅野は切腹。この刃傷事件から、残された47人の家臣が吉良を討つまでが元禄赤穂事件です。この事件をもとに作られた芝居が、「忠臣蔵」。舞台が不況になった時でも、必ず大入りなるというこの芝居。起死回生の気付け薬の「独参湯」になぞらえ、「芝居の独参湯」と称されました。なぜ、忠臣蔵はそんなに人を惹きつけるのでしょうか?

ダイジェスト動画

過去の放送一覧をみる

江戸のうんちく学

元禄14年3月14日、江戸城本丸において朝廷からの使者を招いた儀式が執り行われることになっていました。その儀式開始の直前、松の大廊下にて刃傷事件が起こりました。勅使の接待にあたる饗応役だった播州赤穂の藩主、浅野内匠頭長矩が高家の筆頭である吉良上野介義央に斬り掛かったのです。高家とは幕府における朝廷との連絡や儀式祭典を司る役職で、室町幕府将軍家の末裔でもある吉良家のような名門が代々務めました。浅野は五万石の大名なのに対し、吉良は旗本で4千2百でしたが、官位が高いため立場は吉良の方が上でした。吉良は額と背中に傷を負いましたが、命に別状はありませんでした。この事件の幕府の裁定は、浅野は即日切腹、吉良はおとがめなし。喧嘩両成敗の世にあってこの裁定は片落ちだと考えられました。この刃傷事件から、1年10か月後の浅野の元家来四十七人による吉良襲撃までを総じて赤穂事件といいます。「忠臣蔵」はこの赤穂事件を元にして作られた芝居の名前です。果して忠臣蔵の人気の秘密とは何なのでしょうか?

江戸アラカルト

江戸城 松の大廊下

江戸城 松の大廊下

松の大廊下は江戸城内にあった大廊下のひとつで本丸御殿の大広間から将軍との対面場所である白書院に至る全約50メートル、幅約5メートルの畳敷きの廊下のことです。廊下に沿って松と千鳥の障壁画が描かれていたことから松の大廊下と称されました。現在、皇居東御苑の一隅に石碑が置かれています。皇居東御苑は、旧江戸城の本丸、二の丸、三の丸の一部を宮殿の造営にあわせて皇居附属庭園として整備したもので無料公開されています。

おとな浮世絵コレクション

番組内で紹介した浮世絵はドコモのスマートフォン、携帯電話でご覧いただけます。ご紹介する浮世絵は毎週更新しております。