今週の謎

#102 2014年3月17日放送

今週のテーマ:「江戸の医学」

世界の最先端を行く日本医学の原点は江戸にありました。現代医学の礎「解体新書」はどのようにして生まれたのか?世界初の全身麻酔による乳癌手術、成功の裏には母と妻の命をかけた献身がありました!不治の病として幼い命を奪った「天然痘」。根絶のため、尽力した町医者の「仁術」とは?今回は「江戸の医学」に秘められた謎を解き明かします!

「今週のふれーず」
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江戸のうんちく学

杉田玄白や前野良沢などの尽力により出版され、現代医学の礎となった「解体新書」。この解体新書の元となっているのが、ヨハン・A・クルムスが書いた「解剖医書」をオランダ語に訳した「ターヘル・アナトミア」です。玄白、良沢は腑分けに立ち会い、実際の体内がこの本に載っている解剖図と同じであることに驚愕し、翻訳を決意します。しかし、当時、オランダ語の辞書はありません。玄白はオランダ語が分からず、オランダ語を学んでいた良沢も初心者レベルでした。翻訳作業は、まず、絵と照らし合わせながら、一つ一つ単語の意味を探るという、まさに手探りのものでした。そして効率を上げるため、3つの方法で訳すことを決めるのです。意味がわかっている単語を当てはめる「翻訳」、意味を考えながら訳す「義訳」、そして日本語にない単語をそのまま当て字にする「直訳」です。この時に「軟骨」「神経」「意識」「筋」という言葉が生まれました。また、鎖国政策が続く中、オランダ語の翻訳本を出版することは容易なことではありません。例えば、キリスト教を連想させる十字の符号を別の新しい符号に書き換えるなど、キリスト教をイメージさせるものを払拭しました。こうした様々な苦労の末、出版された「解体新書」は大ベストセラーになります。それはまさに、日本の医学の大きな一歩だったのです。

江戸あらかると

麻酔薬「通仙散」

麻酔薬「通仙散」

文化元年(1804)、紀州の華岡青洲が世界で初めて全身麻酔手術による乳ガン摘出手術に成功しました。当時「女性の乳房は命とつながっており、それを切ることは死を意味する」と多くの医者が信じていました。しかし青洲は「西洋では乳ガンは小さいうちに摘出し、傷の治療をすれば完治する」という記事に触発され、麻酔薬の開発に着手するのです。野山に分け入り薬草を集め、およそ20年にもわたる地道な研究の末、動物への全身麻酔に成功します。しかし人間に通用するかは分からず、行き詰まってしまいます。悩む青洲に、母と妻は自ら実験台になることを申し出るのです。そして、度重なる劇薬の服用で母は衰弱死、妻は副作用により失明してしまいます。こうした大きな犠牲の上に、麻酔薬「通仙散」が完成します。これにより青洲は、乳ガン、脱疽、膀胱結石、痔、腫瘍摘出手術など次々と成功させていきました。

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江戸のススメテーマソング

「大河悠久」(アルバムTOGI より)演奏:東儀秀樹,古澤巌