今週の謎

#3 2012年4月16日放送

テーマ:「花見」

桜の下で繰り広げられる春の大宴会「花見」。これは江戸時代に生まれた日本独特の風習です。「花見」を江戸の一大イベントに仕立て上げたのはある将軍の策略でありました。そして、吉原では一夜にして千本の桜が咲いたと言います。その驚愕のマジックとは!?また、江戸の花見は、女性にとって「勝負の場」。人生を決まる一大事だったのです。今回は「花見に秘められた江戸の謎」を解き明かします。

川柳
花の宵 処々に坊主の 首くくり
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江戸のうんちく学

江戸一の歓楽街・吉原では、非日常、夢の世界を演出するために、七夕や月見など様々な年中行事が執り行われました。中でも最も殷賑を極めたのが三月の夜桜。満開の桜の下に山吹を植え、青竹の垣で囲み、提灯でライトアップするという粋な演出でした。実はこの夜桜には驚くべき仕掛けがありました。「江戸遊覧花暦」によれば、「毎年三月朔日より、大門のうち中の町通り、左右を除て中通りへ桜数千本を植る」とあります。つまり、毎年花見の時期に合わせ、わざわざ千本もの桜を移植していたのです。さらに、1ヶ月の花見期間が終ると、花が散った桜をそのままにしておくのは無粋と、全て取り去っています。これを請け負ったのは高田の長右衛門なる植木職人で、費用は150両。現在に換算するとおよそ1500万円!それもそのはず。移植した桜を植え傷みしないよう見事に咲かせるには、相当な技術を要するのです。豪華絢爛、吉原の夜桜は植木職人の技があってこその一大スペクタクルだったのです。

江戸料理のあれこれ

「花見弁当」

江戸時代に誕生したお花見文化。それに欠かせないものと言えば、花見弁当です。身分の高い人は、料亭で作らせた豪華な料理を重箱に詰めて持って行きました。では、江戸の庶民の弁当はどんな物だったのでしょうか?やはり精一杯の贅沢をしていました。貴重な砂糖をたっぷり使っただし巻卵と、高価だったかまぼこは欠かせないものでした。どうしても用意出来ない場合は、卵の代わりに沢庵、かまぼこの代わりに大根の漬け物を入れて見栄を張る程だったとか。

おとな浮世絵コレクション

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