今週の謎

#1 2012年4月2日放送

テーマ:「富士山」

富士山が日本の象徴とされ日本人の心を震わす存在となったのは実は「江戸時代」。数々の浮世絵に残された富士の絵。江戸に起こった空前の富士登山ブーム。そのブームの末に誕生した富士山のミニチュア…何故に江戸っ子たちは、そんなにも富士山に憧れたのか?今回は「富士山に秘められた江戸の謎」を解き明かします。

川柳
越後屋の 春正面に 富士を見せ
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江戸のうんちく学

優美で勇壮なる姿で古来より日本人を魅了してやまない富士山。江戸時代には空前の富士登山ブームが巻き起こり、富士山を信仰する人々が集う地域サークル「富士講」が江戸各地に生まれました。しかし、実際に江戸から富士山まで行くのは大変なことです。もちろん現在に比べ登山用具も乏しく命がけでした。そこで生まれたのが富士山を見立てた小山、「富士塚」です。富士塚の麓には浅間神社が祭られ、中程にはお中道が通り富士信仰を支える寺社が再現されました。そして頂上には浅間神社の奥宮が鎮座しました。小山を築く主な材料となったのは富士山の溶岩。富士山の溶岩に登ることで、実際に富士山に登ったのと同じ効果があると考えられたのでした。まさにミニチュアの富士山、これならいつでも気軽にお参りができるというわけです。富士塚はなんとかして富士山に参りたいという強い信仰心が創り出した江戸の知恵と富士山への畏敬。江戸期のものが7つ現存しています。

江戸料理のあれこれ

「白魚の実そば蒸し」

創業295年を誇る「八百善」10代目、栗山善四郎が江戸の料理を再現。今回の献立は、徳川家康が大好物だったという白魚料理「白魚の実そば蒸し」。材料は実そば、浅草海苔、鰹節、利尻昆布、そして白魚。白魚のメスは苦みがあるため、八百善ではオスしか使いません。もどした実そばと茹でた白魚に、鰹節と昆布でとった出汁を加えます。それを蒸して、海苔をのせれば出来上がり。今ではお目にかかれない素朴な料理です。

おとな浮世絵コレクション

番組内で紹介した浮世絵はdocomoのスマートフォン、フィーチャーフォンでご覧いただけます。ご紹介する浮世絵は毎週更新しております。