横山秀夫サスペンス「密室の抜け穴」
捜査一課三班班長代理となった東出が姿を消した容疑者の密室の抜け穴を解く
捜査一課三班班長代理となった東出が姿を消した容疑者の密室の抜け穴を解く
山林で白骨死体が見つかった。死後、かなりの時間が経過しており捜査は難航を極めることが予想された。この事件を担当する捜査課三班の東出は捜査中脳梗塞で倒れた班長・村瀬に替わって班長代理に任命される。しかし三班内部では東出が先に昇進したことで同期の石上が強烈なライバル意識を剥き出しにして、最悪な捜査の進行状況に東出は頭を悩ませる。そんな折、白骨死体の人物が割り出された。被害者は東出が二年前、飲みに行った店でホステスをしていた多佳子だった。彼女は東出に「カリフォルニアに行きたい」と力強く夢を語っていた。また、カルチャーセンターで出会った友達にも同じように夢を語り、欧米資金稼ぎに水商売や風俗をし、友人も店に勧誘していたことが判明された。東出は多佳子に斡旋料を払っていた暴力団関係者に絞り込むよう指示し、程なくして早野という人物が操作上に挙がった。十分な証拠がないまま暴力団対策課に協力を得て早野を張り込むが、マンションの自室にいるはずの早野の姿は忽然と消えていた。