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2005年4月3日(日)、10日(日)
テーマは『両刃の剣−塩分』

今週のドクター
今週のドクターは、
兵庫県立姫路循環器病センター
副院長
梶谷 定志先生


【略歴】

’84年

神戸大学医学部大学院卒。
三木市立三木市民病院内科医長

’93年 兵庫県立姫路循環器病センター循環器科医長
’03年 同副院長・救命救急センター長

【ドクターの一言】
元気に生活していた人に突然襲いかかるのが心筋梗塞や脳梗塞で、突然死の原因となります。不幸な突然死を防ぐためには救命救急医療の充実と動脈硬化の予防医療のどちらも欠かすことはできません。


【著書】 専門書
「虚血心を核で診る」 永井書店 2003年
「Q&A心臓核医学診断」 メジカルセンス 2003年
「EBMに基づいただれでもわかる
心臓核医学」
メジカルセンス 2002年

〈素朴な疑問〉
〜どうして塩気がある方が美味しく感じる?〜

データ味付けの主役、それが下ごしらえから隠し味まで、料理には欠かすことができない塩味!! これぞ、私たちの食生活を支える、不思議なひとふり!! 青山の料亭安曇家=B海鮮和食料理がいただけるこの店で料理長代理を務めるのが、データ小林貴政さん。今日入ったばかりの金目鯛に塩をして焼きあげます。それにしても、いったいどうして料理には塩、なんですか?旨みを出すには、塩?長年の修行と、経験から出た板前さんの言葉ですが、はたして、そこに科学的根拠はあるのでしょうか?データ女子栄養大学、松本仲子教授は食受容学という調理のコツを科学的に解明する研究を続けています。肉や魚のタンパク質には、元々イノシン酸といううまみ成分が入っていますが・・・。イノシン酸に、塩が加わって初めて、私たちは美味い≠ニ感じるようになるのです。そして、焼き魚の振り塩には…。 データ魚の身の、アルブミンやグロブリンというタンパク質は熱を加えると固まりますが・・そこに、塩分が加わると固まる温度が低くなります。だから、焼く前に振り塩をしておくと、表面が固まって、早く焼けるようになり、旨味が逃げなくなります。魚のこげ風味は、魚の生臭さを消してうまみをさらに引き立てます。これも塩の効果!!では、そもそも、しょっぱい塩を美味しいと感じるのはどうしてなのでしょう?東京大学、林良博教授は動物や植物の活動を進化の視点から研究している生命科学の権威です。データ私たちの体内の塩分濃度は0.8%。なんと海水の塩分濃度と、ほぼ同じと言われています。人類の祖先が海から陸に上がるためには、海水と同じ環境を身体の中に作ることが必要だったのです。体内に海を閉じ込め、陸上での生活を始めた人類。塩分があるからこそ、私達の身体の細胞は栄養と老廃物を交換して活動できます。実に、60兆もの細胞から作られている私たちのからだ。データ細胞の中には、細胞内液、細胞の周りには細胞外液という水分があります。この細胞の周りにある水分の中に塩分が入っているのです。細胞の外の水は、細胞が必要とする栄養と一緒に細胞の中に入ります。細胞の中の水は、老廃物と一緒に細胞の外に出てゆきます。このデータ水の出入りに大きく関係しているのが、塩分の濃度なんです。細胞の外側にある水の塩分濃度が濃い時は、細胞の中の水が外に出て、逆に薄い時は細胞の中へと水が入ります。これは、塩分の濃度を常に一定に保とうとする、浸透圧という働きが関係しています。塩分の濃度を同じにするように水が移動することを、浸透圧といいます。私たちの体内では、細胞の外側の塩分が濃い時は、中の水が老廃物と一緒に外に出て薄めようとします。データ逆に外側の水の塩分が薄い時は、細胞の中に栄養と一緒に水が入って濃くしようとする、浸透圧が繰り返されています。塩分があるからこそ、水分の移動と一緒に、栄養と老廃物が交換されて、細胞は活動することができるのですデータこの浸透圧を常に調節している塩分は、体重60sの人でおよそ200g。この塩分の量は、血液や体液の中で、多少変動しながらも、一定の量が保たれています。塩味を"美味しい"と感じる人間。その陰には、"生命を維持する"という大変重要な役割が隠されていたのです。
『塩分』とからだ
データ私たちは日々の食事で、一体、どのくらいの塩分をとっているのでしょうか?朝食に、焼き魚やお味噌汁、お新香を食べると、平均的塩分量は5.0g。洋風の食パンにハムエッグなら、4.2gです。お昼にラーメンを一杯。スープまで飲むと、塩分量は6.0g。夜は豪華にお寿司。お醤油をつけて食べると、データ一人前で5.0gの塩分を摂る事になります。厚生労働省の基準による塩分摂取量の目標は一日10g未満。ちょっと油断すると、すぐに塩分の摂りすぎになってしまいますね。塩分を摂りすぎは、身体に悪いといいますが、いったいどんな影響があるのでしょうか?ちょっと思い出してください。データ塩辛いものをたくさん食べた時、喉が渇きますよね。塩辛いものを食べると、たちまち、血液や細胞の周りにある体液の塩分濃度が上昇します。すると、脳から「水を飲みなさい」という指令が出されます。これは、高くなりすぎた体内の塩分濃度を水で薄めて元に戻そうとするため。同時に、腎臓でも、塩分濃度が上がらないように、尿の量を減らして、身体の中に水分を保とうとします。こうなると、血液や体液の量が増加しますよね。血液が増えると、血管にかかる圧力、血圧が上昇します。その上、データ細胞の周りに大量の塩分があると、本来、細胞の中にあるはずのカルシウムが外に出て、塩分と入れ替わってしまいます。何と、細胞の外に出たカルシウムは、血管を収縮させ、ますます血圧が上昇します。こうして、高血圧への道をたどるのです!もしそのまま塩分の過剰摂取を続けると、まず、腎臓の毛細血管がダメージを受けます。データこれが、電子顕微鏡で見た腎臓の毛細血管。血液中の塩分濃度が濃くなると、アンジオテンシンIIというホルモンが、腎臓のすぐ上にある副腎から大量に放出されます。このホルモンは、血管を収縮させる働きが非常に強く、血管が傷つきやすくなってしまいます。この状態が続くと、腎臓の機能が徐々に低下し、ひどい場合は、腎不全になることもあります。
セルフメディケーションポイント!  
1日の塩分摂取量は、意識して10g未満に抑えましょう。では、反対に、体内の塩分量が足りなくなってしまう事は、あるのでしょうか?塩分は、ほぼすべての食品に含まれているため、データ普通の生活の中では、不足する心配はほとんどありません。しかし、真夏の、気温が30℃を越える炎天下や、激しいスポーツなどで、急激に大量の汗をかいた場合は要注意!!体内の塩分が汗とともに急激に失われ、不足することがあるのです。これが、猛暑の中で起こる熱中症です。この時の血液は、塩分も水分も不足状態!!すると、血液がドロドロになり、全身を上手く流れなくなって、まず疲れが出てきます。データ放っておくと、腹筋や手足の筋肉が、「痛み」、「痙攣」を起こします。実は、塩分には、運動神経から筋肉へと、命令を伝達する働きもあります。そのため、体内の塩分が不足すると、筋肉の興奮が抑えきれなくなり、痙攣や痛みが起こることになるのです。

熱中症による熱痙攣のメカニズム  
猛暑の中の熱中症で起こる痙攣です。塩分や水分を急激に失い、補給しないでいると体温が上昇し続けます。実は、体温が42度を越えると、脳や心臓をはじめとする全身の臓器を動かすためのエネルギーが作られなくなります。すると、意識障害や多臓器不全などが起こります。ひどい場合は、ほんの数分で命を失うこともあるのです。
セルフメディケーションポイント!  
『塩分』と病気
データおよそ4人に1人!現在、3500万人もの日本人が高血圧だといわれています。高血圧。その基準をあなたはきちんと覚えていらっしゃいますか?最高血圧140以上、または最低血圧90以上になると、高血圧と診断されます。高血圧で最も怖いのが、「アテローム血栓性動脈硬化」です。データ「アテローム血栓性動脈硬化」は、命に関わる脳梗塞や心筋梗塞の原因となるのです。血管の壁の中で悪性に変化したコレステロール。これが、どろどろのお粥のようになり血管の壁に入り込んだこのが、アテロームです。アテロームによって盛り上がった血管の壁が血流によって破れると、中のアテロームが溢れデータ出して周囲の血管の壁にこびりつきます。この時、血管の壁の傷を修復するために、血小板が集まり、血栓が作られます。ひどい場合は、この血栓が、血液の流れを完全に止めてしまうことさえあります。これが、「アテローム血栓性動脈硬化」の恐ろしさ。ふつう、動脈硬化は、全身のあらゆる血管で起こりますが・・・アテローム性の動脈硬化は、頚動脈や脳動脈、心臓の冠動脈など、大切な太い血管に起こるのです。もし、脳へと血液を送る首の動脈、頚動脈や、脳の動脈が詰まると、たちまち、データ脳が血液不足の状態になります。すると、血液が不足した部分が死んでしまう、脳梗塞が起こります。これは、首の動脈、頚動脈にできたアテローム血栓を取り除く手術です。黄色く見えているのが、血管の壁にびっしりとこびりつき、血液の流れを妨げていたアテローム。もし、心臓に血液を送る冠動脈が詰まると、心臓の筋肉がデータ血液不足で死んでしまう、心筋梗塞が起こります。これは、血管造影によって捉えた心筋梗塞の画像です。矢印の場所が、アテローム血栓によって血流が止まった冠動脈です。右の正常な冠動脈と比べると・・・アテローム血栓のある場所から先には、血液が全く行き渡っていないことが分かります。命に関わる病気の引き金、それが高血圧の恐ろしさ。
セルフメディケーションポイント!  
さて、高血圧による心臓や脳の病気が発症するデータ危険性を急上昇させるのが、メタボリック・シンドロームです。メタボリック・シンドロームとは、高血圧から内臓肥満、内臓肥満から高脂血症、高脂血症から糖尿病というように、1つの病気から4つの病気を合併し、互いを悪化させる状態。ここから、こわい動脈硬化が起こりやすくなり、しかも悪化しやすくなるのです。メタボリック・シンドロームでデータ合併した病気の数と、心臓病の発症の危険性をグラフで示すと、4つの病気のうち、2つを合併していると、危険性は10倍に!!さらに、3つか4つ全部合併していると、何と30倍にもなります!!このメタボリック・シンドロームの鍵を握るのは、すい臓から分泌されるインスリン。インスリンは、肝臓や筋肉の細胞に対して指令を出します。その指令とは、データエネルギー源として、血液中のブドウ糖を細胞に取り入れよ」というもの。その指令が妨害されて、ブドウ糖が細胞の中に取り入れられなくなる状態を、「インスリン抵抗性」といいます。「インスリン抵抗性」が起こると、これに対処しようと、さらにすい臓から大量のインスリンが分泌されます。すると、インスリンが血液中でだぶついてしまう、データ高インスリン血症という状態になります。何と、こうなると、塩分が排泄されにくくなり、血液中の塩分濃度は上昇します。塩分濃度を薄めるため、血液の量が増え、血圧が上昇してしまいます。こうして、インスリンの大量分泌が高血圧を招くのです。では、メタボリックシンドロームはなぜデータ動脈硬化を起こしやすくなるのでしょう?実はインスリンは、一酸化窒素という物質を作るために、なくてはならないものなのです。一酸化窒素は、血管の壁をやわらかくして拡張させたり、血を固まりにくくして、血栓が作られるのを抑えるなど、高血圧や動脈硬化を抑える働きをデータしています。もし、インスリン抵抗性が強く起こり、インスリンの働きが悪くなっていくと、一酸化窒素は作られなくなります。そのため、高血圧と動脈硬化が悪化してゆくのです。メタボリック・シンドロームが恐いのは、一つ一つの病気がそれほど重くなくても、ひとたび合併症が起こると、脳や心臓など、命に関わる病気を発症する危険性が、急激に高まるということ。メタボリックシンドロームの悪循環はどこかできちんと断ち切ることが必要です!!
セルフメディケーション
〜からだにいい生活〜
データ普段自分がどのくらいの塩分を摂っているか、正しく把握できてますか?ほとんど全ての食品についている、食品栄養表示。ここにあるナトリウム、というのは、実は塩分の量を表しているんです。平成8年以降、厚生労働省によって、塩分量は、ナトリウム量で表示することが義務付けられたんです。ここに表示されているデータナトリウム量は、私達が知っておくべき塩分量とは違います。実際の塩分量は、ナトリウム量に2.54をかけた数字。つまり、塩分を1日10g未満にしようと思ったら、ナトリウムでは、およそ3.9g未満に抑えなくてはいけません。ナトリウムで10gだと思っていたら、データ塩分の摂り過ぎになってしまいますから、ご注意ください!すでに高血圧で、日頃の塩分摂取量を気にしている方には・・・こちら、電子塩分計がお役にたちます。日々の食事にどのくらいの塩分が含まれているのか、正確に知ることができるんです。データお値段は、3千円〜1万円ほど。操作は簡単。体温計のようになっている先端部をこのように、図りたい食事にあてるだけ。デジタル表示で、塩分濃度が簡単に表示されます。0.8%ということは、味噌汁1食分240gとして、塩分量は1.9gです。そして、血圧の高い方が、実際データにどのくらいの塩分を摂取したのかも、こちらの食塩テープで簡単に調べることができます。付属の採尿カップに、朝起きて一番最初の尿を採ります。食塩テープを尿に浸し、一分間待つだけで前日の食塩の総摂取量が分かるのですデータプラスチックの台紙に張られた6つのテープが、尿の中の4g〜14gまで6段階の塩分に反応して変色します。食塩テープは、夜寝てから朝起きるまでの間に、尿の中に排泄された食塩の量から、前日の塩分の総摂取量を推測します。毎日の塩分量をチェックすることで好みの塩味を少しでも薄味に変えるように努力してみてはいかがでしょうか?

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