臥竜の天
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臥竜の天
ストーリー
椎名桔平

「文禄元年、天下人・豊臣秀吉は、関白の座を甥の秀次に譲り、自らは太閤と称し、朝鮮へと兵を繰り出した。その戦いに戦国の世に『独眼竜』と呼ばれた東北の雄、伊達政宗も加わっていた――――」 遠く朝鮮の地で地面をのたうつように太枝を這わせる梅の木"臥竜梅"。臥せた竜のように見えることから名づけられたこの梅の木を自らの生き様に重ね合わせ、見つめる政宗がいた。
「竜が吼え、天に向かって、駆け上る時が来る!」
そう自分に言い聞かせる政宗の隻眼の瞳は爛々と光り-----

戦国時代、『独眼竜』の異名をとり、東北を中心に勢力を拡大していた伊達政宗(椎名桔平)。期を同じくして関東より西側では、豊臣秀吉(津川雅彦)が天下統一を目指して破竹の勢いで諸大名を屈服させていた。奥羽統一目前だった政宗も例外ではなく、秀吉の圧力は現実のものとして目の前に迫ってきていた。それでも、秀吉に屈するつもりがない政宗は、右腕として仕える片倉小十郎(榎木孝明)とともに伊達の支配地を増やしていく。しかし、秀吉はいよいよ伊達領の手前に位置する、北条攻めを決断。さらに、北条攻めに参陣するべく政宗に迫ってきた。秀吉に従うか否か、伊達家では話し合いがなされるが結局、政宗は北条攻めに参陣することを決める

出立前日、母・保春院(秋吉久美子)と食事を共にしていた政宗は、母が自分に毒を盛ろうとしていることに気づく。保春院は、秀吉に屈することを良しとせず、政宗を殺し、弟の小次郎を当主に立てようと画策していたのだ。伊達家の命運がかかっているこの時期に、家中を二つに割ることは出来ないと感じた政宗は、小次郎を殺害。痛みをもって伊達家崩壊を免れた政宗は、秀吉の待つ小田原へ向かう・・・。

目の上のたんこぶであった政宗を屈服させ、気をよくする秀吉だったが、政宗が“死に装束”で謁見に現われたことで空気は一変。政宗に対してにがにがしくも、興味を抱く秀吉は、平伏する政宗の首筋を杖で叩き言い放つ。
「よい時に来たのう政宗。城が落ちてからの参陣であれば、ここが危なかったぞ」。

緊迫の中、なんとか無事に謁見を終えた政宗は、帰郷後、新領地を没収され、石高も七十万石となり居城も米沢城へと移った。さらに、秀吉は人質として正室・愛姫(原田夏希)を京に住まわせることを命じる。自らの立場を理解し、京へ向かう決意を固める愛姫と政宗は、改めて夫婦の絆を確認しあう。

そんな中、政宗のもとに伊達家と縁が深い、旧葛西・大崎領に新領主としてやってきた木村吉清が、領民に不満を買い一揆が起こる寸前だとの知らせが入ってきた。表面上は、秀吉に屈服した姿勢を見せた政宗だったが、目の前で起ころうとしている内紛を利用して、自らの力をみせつけることを画策する。一揆をたきつけるべく、密書を走らせる政宗。が、しかし・・・。政宗をよく思わない奥羽管領・蒲生氏郷と、秀吉の腹心・石田三成によってその動きは察知される。疑いをかけられた政宗は、上洛を命じられ京都へ向かうことに。京の町を、金色の磔柱に死に装束といういでたちで練り歩く政宗。そのかぶき者ぶりに驚きの声をあげる町民たち・・・。そして、聚楽第では、政宗を糾弾する尋問が始まった。氏郷は、政宗が一揆を煽動した証拠として手に入れた密書を差し出した。三成に詰め寄られ窮地に追い込まれた政宗は、自分には覚えがなくその密書を確認させてほしいと要求する
「これは――――不審にございます」
そう言い放った政宗は、密書にある自分の花押が、偽物であると反論。自分の花押の鶺鴒(せきれい)は、目を針でつつき印をつけることを常としているためこれは偽物だと主張する。
この立ち回りに関心した秀吉は、政宗を罪に問わないことを決める。傍らの徳川家康(伊武雅刀)も、政宗の器量大きさに目を光らせる。

米沢に戻った政宗は、秀吉の命により一揆衆討伐の兵を挙げる。一揆鎮圧の甲斐もなく、伊達家は秀吉によってさらに所領を遠く北へとおいやられてしまう。時を同じくして秀吉の世継ぎ・鶴松が亡くなり、関白の座は甥の豊臣秀次に譲られることに。さらに、鶴松が亡くなったショックから秀吉は、朝鮮出兵を決定。政宗も朝鮮への出陣を命じられ・・・・・・。







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