放送番組審議会

  • 2016.01.20

    第52回

    1.

    日 時

    2016年1月20日(水)午後4時58分

    2.

    場 所

    BS-TBS大会議室

    3.

    委員の出席

    委員総数 7名
    出席委員数 7名

     

    出席者

    委員長 山崎敏子
    委員 岸伸久 北代耿士 渡辺久哲 滝田洋二郎 丸島俊介 諸田玲子

     

    局側

    平本 取締役会長
    星野 代表取締役社長
    渡辺 常務取締役
    高田 常務取締役
    菅原 取締役
    大崎 取締役・放送番組審議会事務局
    佐藤 制作局長
    佐藤 編成局編成部長
    川口 編成考査部長
    髙安 番組プロデューサー

    4.

    議 題

     
     

    審議事項

    テレビ番組
    開局15周年特別企画
    「松井秀喜 再始動 ニューヨーク完全密着300日~第一章~」
    放送日時:2015年12月20日(日)

    5.

    審議内容

     
     

    (審議委員)

    「何を言っても裏切り者と言われる」(米メジャー記者会見コメント)その背景に踏み込んでいないから、なぜ巨人の監督ではなくゼネラルマネージャーの仕事を選んだのか、というアプローチに全然答えていないのではないか。
    本人の口を何とかこじ開けてでも、という駆け引きが見えなかった。

    (審議委員)

    8回位シャツが変わっていたので8回は取材したと思う。本当に300日間の取材をやったのであれば、何を取材するか、色んな手があったのではないだろうか。「リスペクト」と「学習」という気持ちがあったら、星稜高校監督や仲間、ジャイアンツの仲間、また斉藤隆や田口、番記者などにも取材を出来たのではないだろうか。
    また、上原との対談はアメリカと日本野球の違いをもっと出すべきだった。
    テリー伊藤さん菊池桃子さんを出すことで番組を柔らかくする、という気持ちは分かるが、バラエティ要素は一切要らない。

    (審議委員)

    娯楽番組として捉えるのは勿体ないが、深みを感じなかった。なぜアメリカ人が、ニューヨーカーが、松井さんに対して残って欲しいと言ったのか。ヤンキースと1日だけ契約して見送る。それは何だったのかを掘り下げることで、日本人に対して勇気を与えるメッセージが出てきたのではないか。

    (審議委員)

    BS-TBS開局15周年の時にスポーツマン松井さんを選んだのは良いチョイスだと思う。私の周りには松井さんが映っているのを喜んで観た人もいた。
    甲子園球場の連続敬遠、裏切り者と言われた巨人軍入団時、引退後の巨人軍監督就任の可能性、それらの質問に答えない、分かりませんと言う孤高の人・松井。しかし300日密着したというから、本当の気持ちが見えたりする番組になるのかと見ていた。でも、本心を見せないぞ、という姿勢が最後まで続いたように感じる。しかしアメリカのファンは野球に対する愛がある、リスペクトがあると言っていたが、あのフレーズに彼の素直な気持ちが出ていると思った。
    アメリカの子どもたち、若い選手たちに本当に素直な表情で一生懸命教えている姿。あの奥に、彼自身が何を考えているのか、日本とアメリカの野球やスポーツを巡る文化の違い、そういった点をアプローチすることで、15周年番組としての深みが出たのではないだろうか。

    (審議委員)

    松井さんは取材するのもなかなか大変だったのでは、という感じがした。『なぜ、日本に帰ってこないのか』というテーマは、はぐらかされたと思う。
    人間性が良く完結したパワーを持って存在している彼に切り込もうとして、ブトウ畑、ワイナリーのシーンがあったのだと思う。もっと飲ませれば何かしゃべってくれるという思惑、でも、かなり強いから無理だろうなあと色々と考えた。車を運転しながら「ニューヨークで運転するのはかなり忍耐が必要」と少し怒鳴っているシーン。かなりセーブした感じだったが人間らしさを感じた。手首を骨折して復帰した時にファンたちの拍手が鳴り止まない、ファンにリスペクトされているのだろうと改めて感動した。
    「ニューヨーク、いろんな顔があるんだよね」と、おっしゃっていた。次回は"もう日本は忘れたバージョン"で、ニューヨークでどのようなことをやっているのか、どんな人との付き合いがあるのかといったことを楽しみにしている。

    (審議委員)

    入団初日の満塁ホームラン、復帰第1戦の4安打、ワールドシリーズMVPと常人離れしている映像に胸が熱くなった。ニューヨーク・ヤンキースとして引退して欲しいという気持ちにも感動したが、それだけの理由があったと思う。アメリカのえげつなさというかMVPを獲っても直ぐにクビになり頂点からいきなり全く違う世界に飛ばされる。その後、色々なメジャー球団を渡り、マイナーリーグにも行って、最終的に戦力外通告を受けて引退するまでを描く。と同時に、星稜高校時代から順風満帆なキャリアに見えるが実は苦難の道を歩き、どのように立ち直り自然体でいられるようになったのかを浮き彫りにすることで、更に番組は良くなったのではないか。

    (審議委員長)

    みなさん「コレをやってくれればよかった」というのが多いのですが、制作側とすると、どの程度の出来を感じたのでしょうか?

    (高安番組プロデューサー)

    基本的にはニューヨーク在住のTBSインターナショナルのディレクターを繁に日参させた。なので、ちゃんと繋ぐとシャツは15枚、いやもっと。もっと突っ込めたのではないか、というのはある。車の中で怒っているシーン、ワインをあれだけカメラの前で飲むシーンは、松井さんとつき合った記者からは、「よくあれを使うのを許してくれたね」というような話はあった。
    なぜ菊池桃子か。実は想定問答集の中にもある。想定問答集になかったのが、外国人の目を通して第二章で、とご指摘いただいた点で、実はもう動き始めている。GMのキャッシュマン、トーリ監督のインタビュー、ヤンキース引退後に渡り歩いた4チームの中の一番最後のレイズの監督には、現役時代の松井さん、引退した後の松井さん、再始動した松井さんをどう思うかというところを、ぜひもので今インタビューを申請している。

    (審議委員)

    ライバルチームは敵、その敵が野球を通して松井さんの野球、日本人として松井さんをどう見るかを、私たちはみたい。

    (審議委員長)

    不愉快になられてもいいくらいの覚悟で行く。ワイナリーのシーンも、普通だったら使わせてもらえないよというなら、最後に絶対流してはいけないと言われるくらい更にもう一歩踏み込む、それで踏み込むということになるのでは。

    (審議委員)

    松井さんがヤンキースに入団することで蹴落とされた際際(きわきわ)に居た選手も面白い。強烈なサバイバルなわけで、日本から来た奴という受け入れ難いものが、お金も含めてきっとあると思う。

    (高田常務取締役)

    我々制作者はアプリオリにそんなものだと思っているからいけない。もっとやるべきで、ここまで撮れたから良いと思う性癖がある。松井さんも気持ちよく帰ってもらったからいいと。気持ちよく帰ったらいいわけではない。それは芸能界にも言えることで、やっぱり踏み込んで、もう一回関係性とか距離感、ポジショニングを精査してやらないと、テレビってメディアもなかなか難しいかなと思う。影響力が大きいだけに。

    (星野代表取締役社長)

    ネガティブな言語を使うと、偉大なスポーツ選手の中で闇がある。あの人はオープンにする気はない。それに関わらないのなら、別に水泳もしましょう、メシも食いましょうというのがある。それに近いバリアを感じる。

    (審議委員)

    一生懸命必死にチャレンジした時に出る彼の表情、ちょっとした発言などに視聴者が感じるところがもうちょっと出てくるのではないかと。彼が必ずしも口をきかなくても、その表情だけでもいいかなという感じもする。

    (星野代表取締役社長)

    上原さんが「監督狙ったら」と言うのを本人がああいうことを言ってくれると、それだけですごくうれしかった、松井さん本人が。周りが彼に言ってくれたというか、上原さんもサービス精神があったのだろう。

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