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地球バス紀行

毎週火曜22時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2013年2月5日 O.A.

#94 ロンドン発 コッツウォルズ田園の村巡り

イギリス

地図

ロンドン
旅の始まりはヨーロッパを代表する都市・ロンドンです。 趣きのある石造りの建物の間を、2階建ての赤いバスが走っています。通勤時間にぶつかり、人の波にのまれながら歩いていると、かの有名なテムズ川が見えてきました。南イングランドを流れ、北海にそそぎこむテムズ川。その源流は北西に広がる田園地帯、コッツウォルズ地方にあるそうです。 都会の喧騒を離れ、さっそくコッツウォルズへバスで向かう事にしました。

オックスフォード
出発から1時間40分、およそ100キロをひた走り、オックスフォードに到着。 ここからバスを乗り継いで、コッツウォルズに向かうのですが、その前に、せっかく降りたので、オックスフォードを散策。すこし歩くと川が見えてきました。 ボートを漕ぐ人や、のんびりと釣りを楽しむ地元の人たち…ロンドンで見た風景と違い、とても穏やかな時間が流れていますが、実は、ここもテムズ川とのこと。美しい水辺で、のんびりと過ごしました。

ノースリーチ
続いて向かったのは、コッツウォルズ観光の玄関口、ノースリーチという町。歩いてみると、どの家も石造りで、しかも、色は同じ。はちみつ色と言われている、この石は、コッツウォルズ地方ならではの石で、コッツウォルズストーンというのだそうです。 町といっても、ほとんど店は無く、ようやく見つけたパブで、陽気な地元の人たちと共に食事を楽しみました。いただいたのは、パブの定番料理・ソーセージマッシュ。地元のソーセージが使われていて、ボリュームたっぷり。とっても楽しい時間を過ごした後、コッツウォルズには他にも美しい場所があることを地元の方から教えてもらいました。それは、チッピングカムデンとバイブリーという2つの村。今日はすでに日が暮れて、最終のバスが出てしまったので、明日、2つの村を目指す事にします。

チッピングカムデン
翌朝、まずはチッピングカムデンに向かいました。この村も、はちみつ色の建物ばかり。しばらく歩くと、見渡す限りの牧草地が広がっていました。 深い霧の中、数え切れないほどの羊たちが草を食む、まさにイギリスの原風景。田園地帯の中にある牧場で、羊や鳥や豚を育てる夫婦に出会いました。民宿も営んでいる、ご夫婦のご自慢は、手作りの豚肉の薫製。野菜もたっぷり使った名物料理を、ごちそうになりました。

バイブリー
翌日、地元の方が薦めてくれた、もう一つの村、バイブリーへ。 バスから降りると霧に覆われた清冽な小川がありました。テムズ川の支流であるコルン川です。 その清らかさから、バイブリーは、英国で最も美しい村と言われているそうです。 川辺には、美しい庭園も多く、その中の一軒の方に声をかけたところ、快く自宅の庭を案内してくれました。 かなりご年配ながら、晴れの日には毎日庭の手入れをしているというその人物は、枯葉や雑草を堆肥にして、畑で農作物を育てていました。 本格的なガーデニングを見せてもらった後は、ご自宅で食事に招待されました。お互い、一目ぼれで結婚したという結婚58年目の奥様と一緒に、手作りのローストビーフをごちそうになった後は、テムズ川の話に。 その源流はケンブルという村にあることを教えてもらい、さっそその源泉を探しにいくことにしました。

ケンブル
いよいよ旅の最終目的地、ケンブルへ。バスの中で、帰宅途中の青年と出会って、意気投合。まだ、コッツウォルズに来たばかりで、テムズ川の源流を見たことが無いという彼と一緒に源流へ向かいます。数々のハプニングに見舞われながらも、テムズ川の源流と書かれた石碑を発見。でも、そこには、石碑があるだけで、周りは雑草ばかり。水辺は、まったく見当たりません。 いったい源流はどこにあるのか、2人で探し続けました。