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地球バス紀行

毎週火曜22時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2012年9月25日 O.A.

#76 ソフィア発 バラの谷カザンラクへ

ブルガリア

地図

旅の舞台は東欧の国、ブルガリア。日本ではヨーグルトのイメージが強い国ですが、実は世界有数のバラの産地としても知られています。今回は可憐なバラが咲き乱れる「バラの谷」、カザンラクを目指し、バスに乗り込みます。

首都ソフィア
ソフィア空港からバスでおよそ30分。首都ソフィアの中心地には、鮮やかなバラの花を並べた花屋を多くみかけます。店員に話を聞くと、ブルガリアは「バラの国」として有名なんだとか。カザンラクという町に「バラの谷」と呼ばれるバラの産地があると聞き、行ってみることにしました。

コプリフシティツァ
首都ソフィアからおよそ2時間。カザンラクへ向かう道中に立ち寄った村は、古い木造の建物が並び、まるでタイムスリップしたかのような風景が広がっていました。ここはブルガリアがオスマン帝国の支配下にあった時代、最初に独立蜂起を掲げた場所で当時のまま建物を保存しているんだそうです。村のはずれで羊飼いの家族に出会い、羊の乳で出来たヨーグルトを頂くことになりました。ご主人自慢の自家製ヨーグルトは、器を逆さまにしても落ちないほど濃厚。食卓にはヨーグルトを使ったサラダやスープ、デザートが並べられ、ブルガリアのヨーグルト文化の深さを知りました。

カザンラク
バスはコプリフシティツァからさらに東へ。ようやく訪れたカザンラクの町にはバラを扱った店が軒を列ね、まるで町じゅうにバラの香りが漂っているかのよう。…しかし、肝心のバラ畑がありません。店の店員に、早朝にカンチェヴォ村に行けば見れると教えられ翌日まで待つことにしました。

カンチェヴォ
翌朝、カザンラクからバスでおよそ20分のところにあるカンチェヴォ村へ到着しました。住宅街を抜けると、ピンクの花をつけたバラ畑が。バラはダマスクローズという香り高い品種で、畑一面、優雅な香りでいっぱいです。バラ農家の収穫風景を見学させてもらったあと、昼食をごちそうになりました。大地の恵みに感謝し、笑顔で食事をする家族の風景が印象的でした。