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地球バス紀行

毎週火曜22時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2012年6月19日 O.A.

#62 ウランバートル発 風の大平原を行く

モンゴル

地図

今回の舞台は、モンゴル。首都ウランバートルから、「モンゴルのスイス」と呼ばれるトナカイ遊牧民の里、フブスグル湖を目指す800キロのバス旅です。4月、モンゴルは長く厳しい冬が終り、季節は春。人々の暮らしに触れながら、春のモンゴルを疾走します。

ウランバートル
今回のバス旅は、首都"ウランバートル"から始まります。ウランバートルに手作りのフェルト商品を売りに来た、フェルト職人の女性。彼女と共に、ウランバートルから、自宅工場のあるダルハンを目指します。まずはバスで3時間。若い車掌さん、実は運転手さんの弟。小さい頃から、お兄さんの仕事に憧れ、学校が休みの日にお兄さんを手伝っていて、早く運転手になりたくて仕方がないそう。

ダルハン
到着したのは羊毛フェルトの町"ダルハン"。モンゴル人の生活において、フェルトは欠かす事の出来ないもの。ダルハンは古くから、良質なメリノウールの産地として有名だったそう。小さな自宅工場で作られる商品はウランバートルでも売れ筋の商品。モンゴル人のみならず、モンゴルを訪れる世界中の観光客が買っていくそう。フェルト職人の夫婦は、朝から晩まで、一年中、工場で様々な商品を作っています。

オルホン
ダルハンを離れ、訪れたのはオルホン村。ここで生活しているのは遊牧民の一家。春、遊牧民の生活は大忙し。今年生まれた家畜の世話を家族総出でこなします。寒さの厳しい冬を乗り切り、家畜も人も穏やかに暮らせる春は、家畜の出産と共に始まります。冬の疲れを癒す特別な料理でもてなしてくれました。

ムルン
遊牧民の春の生活に触れ、訪れた町ムルン。町で見かけた春の景色は、モンゴル相撲。この時期、モンゴルの男衆は、夏の祭典、ナーダムを目指し、モンゴル相撲の練習に気合いが入ります。「相撲で優勝することこそ、男の誇り」という彼らの、パワフルでスピーディーな練習風景を目の当たりにしました。

フブスグル湖
旅のゴール、北モンゴルのフブスグル湖に到着。4月のフブスグル湖はまだまだ全面凍結中。湖の上でトナカイを放牧する遊牧民。草木が芽吹き始めるのは6月になってから。フブスグルの春は、決して穏やかな季節ではないそう。突き抜ける様な青い空の下、真っ白に輝くフブスグル湖の景色を眺め、モンゴル800kmのバス旅をしめくくります。