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地球バス紀行

毎週火曜22時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2012年3月20日 O.A.

#49 世界最南端の街へ・・・パタゴニア

アルゼンチン

地図

チリとアルゼンチンにまたがるパタゴニア地方は、日本の3倍の面積をもちます。年間を通して強い風が吹き、すっきり晴れることが少ない土地です。雄大な自然の中、ポツリポツリと点在する街。その街を結ぶバス路線は人々の足となっています。旅は氷河観光者達の多くが降り立つアルゼンチンのエル・カラファテから、マゼラン海峡を超え南極に最も近い都市ウシュアイアまで、森林地帯や広大なパンパ地帯を駆け抜けるバス。車窓に流れる大自然を話のネタに、世界中から集まる観光客や、厳しい自然と共生する地元の乗客とのふれあいが待っていました。

ペリト・モレノ
観光バスで向かうのはエル・カラファテから80キロほど離れたペリト・モレノ氷河。静けさを打ち破る雷鳴のような轟音とともに巨大な氷塊が湖へ崩れて行きます。この氷河で一人の公園レンジャーと出会いました。世界史全遺産として登録されている氷河と、公園の自然を守る厳しい仕事です。レンジャーの日々の質素な生活から、彼しか知らない贅沢な自然の風景まで。パタゴニアの入り口でとびっきりの出会いがあります。

パイネ国立公園
バスで国境を越えチリへ入ると、そこは大阪府ほどの広大な国立公園、パイネです。公園の美しい環境の中をバスは走り抜けます。標高3000メートルを超える山々に囲まれたツンドラ、湖や川そして滝が車窓を流れていきます。バスはこの国立公園内にある唯一の牧場でホテル「Hotel Las Torres Patagonia」(※)に停車します。その美しさに思わず下車。
このホテルは環境保護にも力を入れているクサノビッチ家が経営。かつてはハンターだったホセ・アントニオは、今環境保護の活動に力を入れています。そんな彼が、趣味の乗馬を兼ねて公園の中を馬で案内してくれました。美しいパタゴニアにも、いま環境破壊の影が潜んでいるといいます。

プンタ・アレーナス〜マゼラン海峡
広大なパンパの中、舗装されていない道が延びている…。パイネを出たバスは、さらに南へと走ります。海が見えるとバスがスピードを緩めました。実はここ、マゼランペンギンの営巣地なのです。
そして見えてくるのがプンタ・アレーナス。この街でバスはフェリーに乗船。マゼラン海峡をわたり、いよいよ旅の最終目的地が近づいてきました。

ウシュアイア
マゼラン海峡を渡ると、バスは再びアルゼンチンへと国境を越えます。プンタ・アレーナスを出発して12時間。到着したのは南極に最も近い都市ウシュアイア。
かつてはゴールドラッシュで栄えた街でしたが、今は漁業と林業が経済を支えています。
小さな街を歩いて見つけたのが「世界の果て博物館」。この場所で出会った老人に、ウシュアイアで人気のマス釣りに連れて行ってもらいました。質素ですが、たくましく暮らす「世界の果て」の人々の優しさに触れました。

※「Hotel Las Torres Patagonia」の日本の代理店
ラティーノ:Tel.03-3792-9000
グランツールジャパン :Tel. 03-3561-7511
メープルファンツアーズ:Tel03-6277-5787