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地球バス紀行

毎週木曜21時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2016年7月28日 O.A.

#264 驚きのバンコク穴場巡り

タイ

今回の旅先は歴史とモダニティが見事に調和した、東南アジア屈指の大都会、タイの首都、バンコク。日本のツーリストにも人気の世界都市を路線バスで巡ります!

ババンコクでバスを乗りこなすため、まずは本屋さんで「バンコク・バスガイド」という 市内を縦横無尽に走るバスを網羅した路線図を手に入れます。これを片手に最初に訪れたのはブンクムという地区にある「ブンサムラン・フィッシングパーク」。ここはなんと20万平方メートルもある広大な釣堀。そこここで釣りを楽しむお客さんの竿が、尋常じゃないくらいしなります。何が釣れるのかと思いきや、ゆうに1mはあろうかという巨大魚が次々に釣れます。ここには淡水魚でメコンオオナマズやパーカーホといった世界最大級のナマズやコイ、そして2mを超すピラルクーが釣ることができるというバンコクでは穴場中の穴場。初心者の竿にも簡単に巨大魚がかかります。未体験の手ごたえを求めて連日多くの釣り人で大盛況!かかった巨大魚は記念写真を撮ったらリリース。まだ日本では知る人ぞ知るという感じの知られざる穴場釣堀。

バスに乗って今度はバンコク市内北部へ。通りすがったお寺を覗くと凄い勢いと大きな破裂音!この「ワット・バーンポーナイ」というお寺ではお葬式の時に「ルークノン」と呼ばれる仕掛け花火を使って特に高僧の棺桶に火をつける風習があるといいます。缶ジュースくらいの太さの竹筒に火薬を詰めた花火をロープに通し火をつければ、もの凄い勢いと轟音で花火はロケットのように飛んでいきます!圧倒的な爆発力なので飛び過ぎて隣の敷地まで飛んで行ってしまうこともあったり、時には大けがをする事故も起きることもあるそう。伝統的なこの風習は後継者がいないといいます。廃れないでほしいなあ。

バンコクに来たらならばここに行きなさいと紹介され、バンコクから南西に約70キロ。バスを乗り継ぎ降り立ったのは「アムパワー水上マーケット」。運河が張り巡らされていたかつてのバンコクを思い出させるようなバンコクの人達にとっても懐かしい風景のひろがるここは、手漕ぎのボートの物売りが運河狭しと行き来します。生活雑貨のみならずカニやエビなどのシーフードや屋台のラーメンもボートで売りに来ます。そんな活気のあるマーケットから少し離れると、同じ運河沿いには住宅がならんでいます。ここで郵便配達をしている方のボートに乗せてもらい、水と供に暮らす生活を見せていただきました。

バンコク中心部のバスターミナルからちょうどやってきたピンクのバスに乗って降り立った普通の住宅街、その一角から音楽が聞こえてくるので行ってみると、なんと何人もの美女たちが踊っているではないですか!あまりにもみんな綺麗なのでびっくりして声をかけると、なんと全員「レディボーイ」・・・男性なんですか!?みなさん美人でスタイルもよくて、そこら辺の女性よりずっと女性らしい男性たち。ここはバンコクでショーのステージに立つために日々練習を重ねる人たちの練習場。市内に多くある有名ナイトスポットのステージのオーディションに受かるべく、ここで稽古を重ねているんだって。タイは性的マイノリティにとても寛容な国だから、他の国に比べてこういった「自分を偽らない人々」が暮らしやすいといいます。自分の心に正直な生き方を受け入れてくれる、なんでも受けてくれる街で、彼女たちはとてもいきいきとしていました。社会も文化も多様性があるしなやかさが、バンコクを暮らしやすい場所にしているんでしょうね。

微笑みの国、タイ。本当にたくさんの笑顔に出会えました!