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地球バス紀行

毎週木曜21時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2016年7月21日 O.A.

#263 メキシコシティ発 小さな町のカーニバルへ

メキシコ
地図

今回の舞台はメキシコ。首都メキシコシティを出発し、メキシコで一番小さな州・トラスカラで開催中のカーニバルを見に行きます。

メキシコシティ

古都の街並みが残る首都・メキシコシティ。最近若者たちに人気のエリア・ローマ地区に向かうと、おしゃれな市場を発見。市場でありながらカクテルも飲むことができるフードコートとあって、昼間からごきげんな人々ばかり。メキシコ名物料理を探していると、ポソレという豚骨スープがあるとのこと。野菜たっぷりのトマト味のスープは、日本人の口にも合うさっぱりとした味でした。お店の人から遊覧船で水路巡りができるソチミルコをすすめられ、早速バス停へ。

ソチミルコ

船着場に到着すると、何ともド派手な船であふれかえっていました。ちょっと値段は張りましたが、陽気な船頭の案内で水路巡りへ。実はメキシコシティ、もともとは湖を開拓した町だったのです。その名残であるソチミルコに暮らす人々は、船を自転車代わりに生活していました。

プエブラ

世界遺産の街並みが美しいと勧められたのがプエブラ。街を歩いていると、建物の外壁にタイルが多数施されていることに気づきます。地元の高校生によると、タイルはタラベラ焼きというプエブラ名産の陶器だといいます。町中にある陶器屋で工房を見学できるということで、職人の仕事を見せてもらいました。昔ながらの製法で作る職人たち。下絵もなしに美しい柄を描く職人技は圧巻でした。再び町を歩いていると、奇妙なマスクとド派手な衣装を纏った集団に遭遇。植民地時代のスペイン人を風刺した衣装は、カーニバルのためのものだと言います。この時期はメキシコ各地でカーニバルが開催中とのことで、可愛いい衣装が見られるという隣町のトラスカラを目指すことに。

トラスカラ

プエブラから1時間ほどで、メキシコで一番小さい州トラスカラに到着。カーニバル会場を探していると、冠にたすき掛けをした二人組の女の子に出会います。なんと二人は今年のカーニバルの女王たち。二人に案内されながら向かったカーニバル会場では、男性はマスクに帽子をかぶり日傘を差し、女性はドレスを着てペアでステップを踏みながら踊っていました。街の至る所で子供から大人まで思い思いの衣装で踊っているのですが、衣装は全て手作りだと言います。一年に一度のカーニバルの為に、衣装も一年かけて作るとのこと。苦難の歴史を乗り越え、何でも笑いとばしてしまうメキシコのひとたち。小さな街のカーニバルを通してメキシカンスピリットに触れることができました。