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地球バス紀行

毎週木曜21時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2016年6月23日 O.A.

#259 昆明発 棚田の里から国境の町へ

中国
地図

今回のバス旅の舞台は中国雲南省。雲南観光の起点・昆明を出発し、ベトナムとの国境地帯を目指します。険しい山岳地帯を縫うように進むと、道中に現れたのは元陽という小さな町。近年、世界遺産に登録されたハニ族の棚田は圧巻!国境の街、河口に着いた頃はちょうど旧正月前。大晦日の大円団に加わりごちそうに舌鼓。そして新年カウントダウンで大盛り上がりの街を楽しみます。

昆明

雲南省の省都・昆明が今回の旅の出発点。中国でも有数の大都会だが、どこかスローペースで牧歌的な街。1年を通して温暖で緑の絶えないことから「春の城」と呼ばれていてるんだって。この街で今トレンドなのが、なんと「盆栽」。若者の間で大流行していて、専門店にはひっきりなしにお客さんが訪れる。ふらりと路地を歩いていると、コーランの声が聞こえる「イスラム通り」を発見。中国でイスラム教って不思議な感じだけど、昆明は「民族の坩堝」とも呼ばれ、たくさんのイスラムの人々が漢民族とうまく融け合いながら暮らしているた。

元陽

イスラム通りで次の行き先としてオススメされたのは、元陽という街。近年、世界遺産に登録されたハニ族の棚田があるという。それは行くっきゃない!乗り換えをしながら山道を走ること8時間。深い霧に包まれた元陽の街にようやく到着。この霧だと棚田は見られないんでは…と不安になっているところ、地元の人がお家に招いてくれた。家のすぐ側に小さい棚田もあって、休耕期の今は魚の養殖をしているらしい。棚田の魚を手づかみで獲ろうと誘われるけど、僕はドジばっかりで全然獲れず…。霧が晴れて展望台に向かうと、目の前には数十万枚の壮大な棚田が広がっていた。これぞ絶景!見に来たかいがあったな〜。

河口

次に薦められたのが、雲南省の南端にあるベトナムとの国境の街・河口。2つの国の文化や民族が入り混じっていて、今とっても活気があるんだって。4時間かけて到着した河口の街は、対岸を挟んでもうベトナムが見えている。国境のゲートが開くとベトナム側から数百人の女性たちが、大荷物を抱えて中国側にどどーっと押しかける。ちょうど旧正月前の大晦日ともあって、市場は年の瀬の活気でいっぱい。地元の人に誘われて、大晦日の食事をご一緒させてもらうことに。家を訪ねると、大黒柱のお父さんが14品もの料理を一生懸命作っていた。大晦日にごちそうを食べて新年を迎えるのが習わしだそう。そして、カウントダウンで新年を迎えると、花火や爆竹が鳴り響き街は大盛りあがり!中国の最も熱い日を迎えます。