地球バス紀行トップへ戻る

地球バス紀行

毎週木曜21時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2016年1月14日 O.A.

#240 タイの原風景を求めて イサーン地方へ

タイ
地図

タイ東北部、のどかな風景が延々と広がるこの地域は「イサーン地方」と呼ばれるタイの典型的な田舎です。スコータイやチェンマイなどのように、有名な世界遺産や観光地はないけれど、微笑みの国・タイの原風景が見られる場所と言われています。今回のバス旅は、そんなイサーン地方を縦断し、ラオス国境の町・ノーンカーイを目指します。

バンコクから北東へ260km。ナコンラーチャシマ(通称・コラート)は、イサーン地方への玄関都市。町のシンボルでもあるヤー・モーの像に旅の安全をお祈りすると、近くの公園に占い師がずらっと並ぶストリートを発見。生年月日とジプシーカードと呼ばれるカードを使ったタイ流の占いで、早速旅の運勢を占ってもらいます。
また、イサーン地方の料理は、普通のタイ料理と比べて非常に辛いのが特徴。プリッキーヌーという極辛唐辛子で味付けしたソムタムサラダ、もち米のごはんなどに舌鼓を打ちます。

そして、コラートからコンケーンへ。周辺一帯は、タイの典型的な農村が点在する地域ですが、その中になんと、「キングコブラの村」が!村おこしとして村人たちがキングコブラを飼い、観光客に見せているというユニークな村なのです。熟練のヘビ使いによる、命がけのキングコブラショーも…!

移動中のバスでも、様々な出会いがありました。ウドンターニーへ行く道中のバスで出会ったのは、なんと出家してきた9歳の子供!タイでは、親戚が亡くなると、その方の供養のために親族の子供が一人、一日だけ出家(お坊さんになる)習慣があるのだそう。一日だけの出家が終わり、明日からまた学校に行くため家に帰るところなのでした。

そして、イサーン北部のウドンターニーへ。町中でフラっと立ち寄ったマッサージ店のおばさんにオススメされたのは、その名も「ウサの塔」と呼ばれる岩で有名な、プー・プラ・バッ歴史公園。自分と同じ名前の岩に魅かれて訪ねてみると、数千年前にできたまるでキノコのような奇岩。大自然がおりなす絶景を楽しみました。

旅の最後には、ラオス国境の町ノーンカーイへ。巨大なメコン川の向こうはもうラオス。国境にかかる「タイ〜ラオス友好橋」は、なんと旅人でも歩いて行けるというのです。もしかして、このままラオスまで行っちゃう…?なんて期待もしつつ行ってみると、残念ながら橋のど真ん中で行き止まり。

この先のラオスへは、また今度のバス旅で行こう…!
行きかう人々を眺めながら、そんな次なる旅へも思いをはせる旅人を、メコン川の素晴らしい夕日が迎えてくれました。